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シネマTomore

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映画に関わるエッセーです
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記事一覧

「ぼくとパパ、約束の週末」

幼い頃から自閉症と診断されていた10歳のジェイソン。 独自のルーティンやルールが少しでも崩…

ともたか
3日前
8

ポール・オースター「偶然の音楽」と、既視感

消防士のナッシュ。 30年間会っていなかった父親の遺産が彼に転がり込んできた。妻が家を出、2…

ともたか
2週間前
14

関心領域 The Zone of Interest

インストゥルメンタルのCDアルバムを聞き終えた感じ、観終わった直後はそう思った。 ストーリ…

ともたか
5か月前
26

「土を喰らう…」の沢田研二はかっこよかった。

長野の山奥でひとり暮らす作家の日々を描いた映画、「土を喰(く)らう十二カ月」を観たのは、…

ともたか
6か月前
31

30年ぶり3度目の”深夜特急”はNetflixで

最初に観たのは確か中学生のときに都内の映画館で。 2度目は20代のときにレンタルビデオで。 …

ともたか
8か月前
38

男子に観て欲しい映画

 「男子に観て欲しい映画」を二つ紹介します。どちらも原作本も読んで欲しい。見てから読むの…

ともたか
8年前

読んでから見るか・・・

沖縄離島の青い空と真白な砂、デイゴの花と低い石垣、泡盛の香。校庭のカジュマルの大木を囲んで遊ぶ小学生たちに自分を重ね、好きだった女の子のことや、小さな悪事や意地悪などのほろ苦い記憶が甦った。 主人公で雑貨商を営む明青(あきお)と、彼の前に突然現れた幸(さち)、隣に住むおばあ、明青の同級生たち、そして島の人たち。島に持ち込まれたリゾート開発計画の賛否を巡る彼らのひと夏が描かれている。 読み終わって数日後、同名の映画を見た。 物語の大筋は同じ。いくつか設定が変更されていた。

原作へ敬愛の念を感じるリメイク

黒澤明の「生きる」(1952年)とカズオ・イシグロ脚本によるリメイク版の「生きる・LIVING」(…

ともたか
9か月前
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「ディーン、君がいた瞬間(とき)」

若き写真家デニス・ストックは、映画「エデンの東」の試写会で見た同世代のジェームス・ディー…

ともたか
8年前
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「海よりもまだ深く」

ほとんどの生徒にとって校則は窮屈で、思い出せば不思議なくらい馬鹿馬鹿しいものもあった。 …

ともたか
8年前

「NEXT GOAL WINS」

ラジオに出演していた外国人ゲストが、日本人が使う「私たち日本人は・・・」と言うときの「私た…

ともたか
9年前

『ビッグ ウェンズデー』

マット、リロイ、ジョンの3人は、カリフォルニアのサーファー仲間。シカゴから越してきたリロ…

ともたか
9年前
2

『ディア・ハンター』

鉄鋼が盛んなピッツバーグ郊外。工場で働く男たちは、ベトナム徴兵を控えていても、パーティで…

ともたか
9年前

『海街ダイアリー』

市井の女性の人生は、いくつもの時代で彩られている。 不本意の時代、翻弄の時代。 しかし、というか、だからというか、女性の多くは柔軟で自由な精神を持ち合わせている気がする。大志を抱けと言われて少年時代を過ごし、社会に出る頃には安定を求められて従順を身に付けていく男性こそ、窮屈な生き物だ。 鎌倉の古い一軒家に暮らす3姉妹長女さち、次女よしの、三女ちかのもとに、15年前に離婚して出て行った父の再婚相手との娘中学1年生のすずが、父の死をきっかけに越してきた。 異母妹を迎えて4人とな