「ディーン、君がいた瞬間(とき)」
若き写真家デニス・ストックは、映画「エデンの東」の試写会で見た同世代のジェームス・ディーンに被写体として惹かれた。そしてプライベートを撮影させてほしいと彼に近づいた。
ほんのわずかな期間をともにした二人の男の友情。道は違っても将来と現実の狭間で、デリケートで信じられないぐらい純粋な彼らの心の揺れがスクリーンから溢れてくる。
自負、自尊、功名心と、そして故郷、家族。
プレミアをドタキャンし遠く離れた故郷に戻ったジミー。その旅に同行したデニスの写真は今なおマグナムフォトのライブラリーで見ることができる。その旅はジミー最後の帰郷となってしまった。
その数か月後に交通事故で逝ってしまったジミーの残る2つの出演作は、「理由なき反抗」(55年)と「ジャイアンツ」(56年)。いずれも死後公開された。
中学生の私は、64年生まれの私より9年前にわずか3つの作品を残して24歳で逝ってしまったジミーに憧れた。
LEEのジーンズに赤いジャンパーを着て真似た。
(2015年アメリカ)
※2016年6月