帰省先(一次創作 詩343)
ふるさとには
そう簡単に帰ってはいけなくて
むかしのひとが
遠くにありて思うもの
そううたったように
離れたところから思いを
どんなであれ思いを馳せることが
とても大切なんだ
きっとボクたちの中で
郷里ってものが熟成して
そして発酵して
香りを撒き始めたころ
ようやっと帰るのが
ちょうどふさわしい
だからふるさとを
ただ懐かしんだり
ただ回想するのは良くなくてね
もうこれで帰れる
強く思った時に
そっと帰っていくのが
ぴったりと言って当てはまる
こころにふるさとを持とう
いつか帰りたい
そんな場所やひとを持とう
世知辛くて
思いの外に嘆いてしまうから
気持ちの中にボクたちの
帰省先があったって
なんら悪くはないはず
ほらこんなにも
ふるさとのソラに
ひかりが降っている
待ちわびてボクたちを
誘っている
そろそろ腰を上げようか
泣いてしまったり
涙を流してしまったり
そうなる前に帰ろうか
待ってくれているふるさとに
今日のお土産話をぶら下げて
寂としたまま帰ろうか
(画像はPinterestより)
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