読書メモ 「ファウスト 第二部」
「ファウスト 第二部」
『ゲーテ全集 第二巻』より
ゲーテ 著 大山定一 訳
人文書院 昭和35年
第二部を読み終えた。
結論から言うと、ラストでしんみりとはしたものの、ファウストのあまりのクズっぷりにゲンナリしたというのが正直な感想。だってスゴくないですか? この歪んだ上昇志向。
自己探求のためと称して、純朴な少女(グレートヘン)に近づき、妊娠させたあげく捨てたり、エラい人の側近になってみたり、土地開発のために海辺の老夫婦を無理やり立ち退かせ、結果殺したり…。メフィストフェレスの方がまだ可愛げがあるかも、と思わせるほどヒドい。という感じで私は終始プンスカしておりました。ファウストファンの人、ごめんなさい。
ヘレナもなんだかイケすかない。自分は正しい感が半端ないというか。気づいたらどっか行っちゃってるし。ギリシャとドイツの邂逅とか解説されてるが、いくらなんでも場面展開が唐突過ぎやしないか。
罪を犯したにしろグレートヘン、いやマルガレーテの方に私は何倍も共感できるのだ。最後は自分で落とし前つけたしね。ある意味一番「漢」だなと。
良くも悪くも、これが18世紀の空気なのだろうか。神への忠誠よりも自己拡大、現世的な享楽への肯定。でも最後は「女」神に救済されてるのよね。よかったね。しかし女性の描き方がステレオタイプなんよねー、とツッコミたくなるのは私だけか。
「おれはそれよりか、永遠の虚無が好きだ」と語るメフィストフェレスになるか「たえず努力していそしむ」ファウストになるか。それはあなた次第…
駄文、失礼致しました。