「口訳万葉集 百人一首 新々百人一首」
例えば、最近の「ヤバい」にもいろんな意味があるように、短い、単純な一語にも、背景や使われた時、場所、誰が言ったか、言われた相手は、によって、様々な意味を見出せるからスゴい。
一千年以上も前の歌人たちの歌には、言葉の黎明期だったのだろうか、いろんな意味や解釈が隠れてて(あくまで説明を読んだ上で)、今だに複数の解釈があって議論されたりと、言葉の使い方が見事だなぁと感心する。
四季や自然を詠むか、つれない恋愛のことが主なのだが、まだ出会ってもいない頃から、一目見て話して、深い関係になってヤっちゃってから、そして、その後の別れまで、四季の移り変わりの如く、恋愛も移り変わりゆくもの(無常感)として、様々な表情の歌が詠まれている。
最古の和歌集「万葉集」から藤原定家編纂といわれている「百人一首」まで、一千年以上もよく残ってたものだね。
「世の中は空しきものと知る時し、いよよますます悲しかりけり」
「世の中を憂しと、やさしと思へども、飛び立ちかねつ。鳥にしあらねば」
「これやこの行く帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」
「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」
日本人にとって“哀しみ”というのは、脈々と流れている血液の如く、文化を成り立たせている根源的なものなんだなぁ。
言葉には“霊力”があるといわれても納得するよ。
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