【古典映画】「嵐が丘」
1939年のアメリカ古典映画「嵐が丘(Wuthering Heights)」(ウィリアム・ワイラー監督)。
有名なE・ブロンテの唯一の長編小説の映画化。前にブニュエル版は観たと思うけど。
激しく愛したが故に、激しく憎み合い、ついには死ぬことで、やっと2人は一緒になれるという典型的破滅型恋愛劇だ。
いつも冷たい風が吹いている丘の岩の上が私達の城だと言うので、“嵐が丘”というタイトルがピッタリだ。
主人公は、ジプシーの孤児だったヒースクリフ(後に王族の血を引いてることがわかるが…)と、上流階級に憧れる小ブルジョワの娘キャシー。
また、キャシーが、「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラと同様、情熱的に愛を語る一方で、金持ちの誘いにコロッとなびいて、けっこう欲深いし、“女心と秋の空”(もともとは男心だが)みたく心変わりが激しい性格。
成長したキャシーは、好きだった孤児のヒースクリフと隠れて丘の上で愛を誓い合ったが、後日、その場の勢いで金持ちのエドガーと結婚しちゃう。
ヒースクリフは、孤児だった故に、世話をしてくれた主人が亡くなると、キャシーの兄に馬の世話係としてコキ使われて、リベンジを目論み行方をくらまして、数年後、出自がわかって、立派な紳士となってカムバックする。
お互いに愛していながらも、反発し合って、ヒースクリフはキャシーへの復讐(嫉妬させるのが目的)のために、キャシーの夫エドガーの妹と結婚することに。
もうここまで来ると相手を殺すか、自ら死ぬかしかない。
ということで、ヒースクリフの結婚を知って、生きる気力を失ったキャシーは肺炎を患い死ぬことに。キャシーの病気を知ったヒースクリフは彼女の元へ駆け付けて、やっと2人は和解、抱き合ってキスして、キャシーは最期を迎える。
その後、雪の嵐の中、死んだキャシーの声を聞いたことを知ったヒースクリフは外に飛び出して、丘の岩で凍死するという…。
激しい恋愛の物語…幼馴染で愛し合ってしまった2人だけど、女は金持ちに惹かれて結婚して、男は女が望む紳士になって帰ってきたけど、愛する女は人妻になってて、男が復讐に燃えるというパターンは、日本の、尾崎紅葉の小説「金色夜叉」に似てなくもないね。
当時は、きっと人間の負の感情丸出しの悲劇的な恋愛劇がウケたのだろうなぁ。
しかし、台詞がカッコいい。的確な形容詞を使って、好きな人を褒め称えるし、言葉遣いが上手い。原作が小説だからか。
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