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台北生活の端々と備忘録

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    私のことを紹介してくださった記事などをまとめています。いつもありがとうございます。

最近の記事

台北の夜は

台北メトロに乗って、松山空港を越えたあたりの駅で彼と待ち合わせをしていた夜8時。LINEの通知がひっきりなしになり続いているのを確認すると、彼は約束に1時間ほど遅れてくるということだった。「ありえない」と思いながらしばらく文面を見つめていたけれど、そんなところで怒っても仕方がない。それよりも1時間何をして過ごすかの方が私にとっては重要事項だ。久しぶりに歩く夜の台北は、バイクの騒音とネオンに照らされて輝いている。そんな景色を横目に見ながら私はただひたすらと歩き続ける。    

    • 会いたい人は会いたい時に

      実家を離れるということは、世間一般の大学生にとって何も不思議なことではないだろう。地元の仲間たちと集まることになれば、必ず帰省シーズン中に。懐かしい人たちと集まってともに時間を過ごすことは、想像以上のリフレッシュになったりもする。大好きな人たちと過ごす束の間の時間が私は好きだ。そんな現在、私自身も実家から離れた場所で生活をしているが、ほかの同級生と比べたときに実感として大きく異なる点がある。それはやはり海を越えた言語文化の違う場所に拠点を置いて生活をしているということだ。

      • 20歳

        日本に帰ってきた 久しぶりの真っ青な空と澄んだ空気 喫茶店モーニングの小倉トーストとコーヒー やっぱり日本が そして地元が大好きだ 成人式は真っ赤な振袖を着た もう気づいたら20歳になっているのに 心はいつまでも高校生のまま変わらない バイト、タバコ、バイク、朝帰り 旧友たちとこんな話を朝までするだなんて ちょっと何だか変な感じがするのは 私が大人になりきれてないからだろうか 同窓会終わりの深夜2時 台湾にいる彼氏のことがふと恋しくなって みんなか

        • 大きな愛と小さな勇気

          皆さん、お久しぶりです。 最近の記事は必ずと言っていいほどこの言葉から始めてしまう。前回投稿した日はおそらく10月半ばくらいだったはずだ。そこからあっという間に季節は風のように通り過ぎて、私が住んでいる台北にもいよいよ秋がやってきた。待ち焦がれたようにニットへ袖を通し、台北の冷たく湿った空気に「さむい」なんて口にできることが幸せでたまらない。ハロウィンなんていうものはもう知らぬ間に過ぎ去っていて、街の中心部にもクリスマス特有の、何だか胸が締め付けられそうなほどに煌びやかな装飾

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          4本

        記事

          徒然なるままに

          言葉というのは追い込まれたときにこそ思い浮かんできて、ふとしたときに文章がとてつもなく書きたいという衝動に駆られるのかなとふと頭の中で思考がめぐる。皆様お久しぶりです。10月というのにまだまだ外から蝉の鳴き声が聞こえてくる日中と、ひんやりとした風が吹く夜。私が住んでいる台北市もそんな季節がやってきた。日本にいたときは、毎年この時期になると中間テストと戦っていた記憶しかないが、そんな日々もなんだか懐かしく思える。先月行ってきた学科主催の新入生キャンプ。周りの同級生たちは自分より

          徒然なるままに

          今日がおだやかな日だったらそれでいい

          今朝も朝9時から授業があるルームメイトたちが早くから身支度をしている。秋学期に朝の授業を一切取らなかった私は、そんな彼女たちのことを2段ベッドの上から見送ることが日課だ。 台湾の大学に通い始めてからもう2週間以上が経過した。毎日慣れない中国語に悪戦苦闘しながら日々をようやく乗り越えているような感覚で、夜はびっくりするほど早く眠りについてしまう。なのに朝起き上がりたくないのは、まだ新しい生活に慣れきっていなからだろう。 だけど、高校を卒業してから平坦な日々だけを送っていたか

          今日がおだやかな日だったらそれでいい

          真新しい1週間

          いよいよ台湾での生活が始まった。出国前日まで家でダラダラしていたから実感が湧かなくて、当日になっても「今から旅行に行く」くらいのふわふわした感覚に包まれていた。空港まで見送りに来てくれた友達、おばあちゃんと親戚、それからお母さん。税関前でお別れをするのはこれで3回目なのに、やっぱりどこか寂しく感じてしまう。緊張と期待が入り混じった状態でしばらく飛行機を見つめていると、気づいたら飛行機は離陸していて、あっという間に台湾に到着した。 私は現在大学内にある学生寮に住んでいる。林間

          真新しい1週間

          行李箱の準備しながら

          高校生の頃に留学した時は直前になっても実感が湧かなくて、ゆらゆらと日々を過ごしているとあっという間にオークランド国際空港に着いていた。現地の空港に着いてからホームステイ先に移動する車の中で流れていたラジオの内容がさっぱり分からなくて、そこで初めて英語圏の国に来たことを思い知った。ホームステイを何度も転々としたり、英語が分からなくて何度も心が折れかけたり。必死にもがき続けていたあの頃の日々は少し霞んできたけど、今でもずっと覚えている。 そんな日々がもう1度やって来るなんて、夢

          行李箱の準備しながら

          また会いたくなった夏

          お盆明け初日に行った美容院はとても閑散としていて、広い室内の中で私と担当美容師さんの声だけが響く。なんとなく行きつけの美容院を変えてから今日で3度目。出国直前ということもあって、縮毛矯正やカラーを念入りにしてもらった結果、静かすぎる空間で4時間弱も過ごしていた。まだその美容院に通い始めたばかりだが、帰り際「頑張れ」と美容師さんが心地よく私の背中を押してくれた瞬間、なぜか胸が高鳴った。それは扉の向こう側に真っ青な青空が広がっていたからだろうか。いよいよ旅が始まる予感がした。

          また会いたくなった夏

          大好きなこの場所で

          海の日だった月曜日。特別何かをしたわけでもないが、地元の図書館で借りていた本を返しに行った帰り道、なんだか懐かしくて愛おしい景色に出会った。私が生まれ育ったこの街。何もないけど、スーパーと薬局だけはたくさんある。かなり前にバスが廃線になって以来、近場の移動は自転車が基本だった。あれから少し時間が経った今、どこまでも高い青空を見ながら自転車を漕ぐなんて、いつぶりのことだろうか。 その日は高3の弟が家にいたから、自転車を借りて図書館までの道のりを走った。午後3時に家を出たことを

          大好きなこの場所で

          タンクトップ

          毎週月曜休みな私の日常。朝ゆっくり起床してテレビをつけると、中継先の九州地方が雨で甚大な被害を受けているのをまず目にした。しかし、カーテンを開けてみると、私が住んでいる場所は雲ひとつない青空と強い日差しが降り注いでいた。 バイトを掛け持ち、留学資金を必死に貯めている「フリーター人間」こと私は、こんな感じで休日は誰とも予定が合わずに1人で過ごすことが多い。今までは朝起きてからそのまま趣味のソロツーリングに出かけることが多かったが、さすがに今日は暑くて遠くには行きたくない。

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          夏が来る

          今日は家に引きこもって掃除と課題を消化しようと決めた日。午前中に病院に行ってから、やることリストを次々とこなしていく。最近はずっと雨が続いていたから、久しぶりの晴れ間と暑さにすぐ体力が奪われ始めた。 しばらくしてからテキトーに大きなTシャツを1枚羽織り、サンダルを履いてアイスを買いに家を出た。ガンガンの太陽の下を日傘も持たずに歩いて帰宅。誰もいない家の窓を全開にし、扇風機のスイッチを入れてアイスを食べる。 ああ今年も夏が来たかも。 ふと大好きな夏の訪れを感じて、心が躍る。

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          風を味方にして

          今年もゴールデンウィークはあっという間に過ぎ去った。次の9月に秋入学(予定)を控える私には、現在『学生』という肩書きがない。まだ合格発表すら終わっていないため、同い年の子たちに比べて随分と遅れをとりながら生きている。そんな現状に若干の危機感と退屈さを感じ始めた近頃、好奇心のかたまりである私はバイクの中免を取得した。インスタのストーリーでそのことを友達に報告すると『台湾にひとりで行ったかと思えば今度はバイクかよ』と苦笑いされた。 日本を離れるまで残り約4ヶ月弱。中国語や英語の

          風を味方にして

          へっぽこ女子が普通自動二輪免許を取得するまでの話

          普通自動車の免許証を取ってから数日後。私は腕に大きなヘルメットとバイク用のグローブを抱えて、再びお世話になった教習所を訪れた。大型二輪の免許を所持しているバイク大好きな父親となぜかバイクの中免を持っている母の元に生まれた私は、家族に背中を押されて普通自動二輪教習に通うことになったのだが、バイク教習生活は想像以上にハプニングの連続で、同時に不可能に挑戦し続けることの楽しさを改めて実感した。今日はそんな私がしばらく書き溜めていたバイク教習通学日記をみなさんにお届けしようと思う。

          へっぽこ女子が普通自動二輪免許を取得するまでの話

          【後編】台湾を夢に見る

          こんにちは、ともかです。この記事では『私の春休み台湾滞在記』を2部に分けて書いています。前編が未読の方は、そちらのチェックからお願いします。今回はその続きからスタートです。 魯肉飯屋さんで昼ご飯を食べた後は、近くを少し散歩しました。すると、何だか賑やかい路地を発見。そこにはたくさんのお昼ご飯屋さんや軽食店が軒を連ねていました。さすがに昼ごはんを食べた直後でお腹いっぱいでしたが、すぐ目の前から漂う香ばしい匂いにつられて『芝麻糖餅』という胡麻餅を購入。中に餡子が入っていて日本人

          【後編】台湾を夢に見る

          【前編】台湾を夢に見る

          こんにちは、ともかです。約2週間ほど投稿が滞ってしまいましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。気づけばカレンダーが4月になり、いよいよ入学式や入社式の季節になりましたね。私にはこれと言った変化はありませんが、4月から職業がフリーターになってしまったことへの不安感でいっぱいです。まだまだ大学申請のシーズンは終わりませんが、良い結果を祈って気長に合否を待ちたいと思います。 中国語と英語を話せるトリリンガルになりたいという夢を叶えるため、台湾に正規留学をすると決意してから早

          【前編】台湾を夢に見る