【先週の生活者不満】流行語は12月にも生まれるのに/VARがスポーツ観戦の新たな楽しさにも(~2022/12/4)
こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。
このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。
この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。
先週の生活者不満(~2022/12/4)
注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。
12月に入り、政府は全国の家庭や企業を対象に1日から節電要請を始めました。数値目標は設けず、室内では重ね着をするなど無理のない範囲での節電に協力が求められています。ちょうど寒さが厳しくなったタイミングということもあり、これに関する不満が多く寄せられました。
そのような中で今週は①流行語大賞、②VARに注目します。これらも先週増加が目立ったキーワードです。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。
流行語は12月にも生まれるのに
~ブラボー/ドーハの歓喜~
2022年12月1日に現代用語の基礎知識」選「2022ユーキャン新語・流行語大賞」が発表されました。今年の年間対象は「村神様」が選ばれました。野球関連の言葉が年間大賞に輝くのは2年連続となるようです。
この新語・流行語大賞の結果について、色々な声が寄せられています。最も多かったのは、「年末に流行する言葉もあるのに」という文脈のなかで「ブラボー」と「ドーハの歓喜」がノミネートされて欲しかったという声です。
丁度サッカーワールドカップにて日本代表の快進撃が伝える中での発表ということで、年を締めるうえで年末に生まれた新語・流行語も入ったらいいのに、という声がたくさん寄せられました。
また、新語・流行語の選ばれ方についての不満やもやもやの声もたくさん寄せられました。
様々要素が「多様化」するなかで、皆が納得する新語・流行語を選ぶことの難しさがうかがえます。投票制にすることで納得感を高めてはどうか、という提案も聞かれます。
趣味や視聴メディアが多様化するなかでマーケティングにおいても「マスマーケティング」だけでの「ブームづくり」が難しくなっています。まさに2000年代以降、『今年は「〇〇ブーム」』と流行を一括りにできない時代が続いており、これが新語・流行語大賞への違和感の背景にあるのかもしれません。
ある程度価値観や嗜好が類似する「セグメント/クラスター」を意識して、カテゴリーやジャンル別に新語・流行語をノミネートさせ、さらにそのプロセスに推薦や投票などの「参加」の要素を加えることで、多様化する時代に即した新語・流行語の選定につながるかもしれませんね。
このような話題が出るのも「新語・流行語大賞」が毎年注目を集めていることの証拠と言えそうですね。来年はどんな新語・流行語が生まれるか楽しみです。
VARがスポーツ観戦の新たな楽しさにも
先週はサッカーワールドカップ 日本対スペインの試合で、三笘選手がゴールライン際から蹴ったボールがVAR=ビデオ・アシスタント・レフェリーと呼ばれる審判によるビデオ判定でラインを越えていないと判定されたことに大きな注目が集まり、不満買取センターにも「VAR」に関する声が多く寄せられました。
その多くは『「VAR」は客観的な検証によるものであり、その判定に対して批判することはやめてほしい』という意見で、VARに肯定的な意見が大半でした。
日本の得点につながったシーンということもあり、「VAR」というテクノロジーが曖昧な判定や審判の限界をサポートする手段として受け入れられていることが分かります。
また、「ゴールやPKにつながるシーンだけでなく、イエローカードにつながるファウルの場面でも積極的に活用してほしい」という意見も複数聞かれ、テクノロジーの力を借りることで公平で客観的な判定をしてほしい、とVARへの期待の高さがうかがえます。
これまでのVARは様々なスポーツ競技で導入されてきましたが、今回のワールドカップを契機に、VARへの期待が一層高まったと言えそうです。
「サッカー以外のいろいろなスポーツで導入されてほしい」との意見も多く聞かれました。なかには「VARはデータや映像でビジュアライズされスポーツ観戦の新しい楽しみ方につながる」との期待の声も聞かれました。
日常生活においても、センサーや映像によってこれまでは見えにくかったものが可視化されるサービスが増えています。
そのような中で、生活者は「VAR」に対して、審判をサポートする役割に加えて、試合の細部を可視化・分析する手段としても期待しているのかもしれません。
まさに、スポーツとテクノロジーと掛け合わせた「スポーツテック」の市場が広がるタイミングなのかもしれません。
例えば、「VAR」以外にも、選手や試合の状況をリアルタイムでデータ解析しながら、蓄積されたデータをもとに評価・予測するようなサービスがこれまで以上にビジネスチャンスを生み出しそうです。