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トラウマについて

トラウマについて書いてみたいと思います。

子供の頃、友達がいなかったので、(今もですが…)
ほとんどの時間を一人で過ごすことが多かったんです。
なので、一人で遊べることには限界がありました。
私の家は田舎だったので、公園があるくらいで周りには何もなく、
最初はとんぼを捕まえるとか、野良猫を撫でる、とかだったのですが、
ある日の朝方、なにげなく近所のスナックの前を歩いていると、
なんと100円が落ちていました。
子供にとっての100円ってめちゃくちゃ貴重ですよね。
拾って家に持ち帰ったのです。
家にたまたまあった空箱に入れて貯めることにしました。
次の日も同じスナックの前を通ると、
また10円やら100円やらがたくさん落ちていたのです。
嬉しくなってまた家に持ち帰ることにしました。
飲み屋の軒先は宝の山でした。
お金を拾うのが趣味のようになりました。
毎日のようにスナックの前を歩きます。
当たり前みたいにお金が落ちていました。
試しに他の飲み屋の前なども行ってみると、それなりに落ちているのです。
毎日拾いに行き、家に持ち帰るのを繰り返していると、
いつの間にか3000円ほど貯まりました。
当時はお小遣いが無かったので、
私にとっては貴重な収入源となりました。
スナックの前になぜ小銭がこんなに落ちているのか?
子供の頃は不思議で仕方ありませんでした。
その秘密に気が付いたのはだいぶあとになるのですが、
うちの父が、そのスナックで、
酔っ払って歩けなくなってるので引き取りに来てほしい、と連絡があり、
母がすぐに行けないので私が代わりに迎えに行ったのです。
その時に父が財布を取り出し、お金を払おうとするのですが、
酔っているので手元がおぼつかなくなっていて、
小銭を店の前でばらまいてしまったんですね。
その時に、あ、これか!と気づきました(^^;
謎が解けたところで子供時代に話を戻しますね。
そうして月に3000円ほどの収入を得ていたのですが、
これがあとになって誤解とトラウマを生むことになったのです。
私は小学5年生の時に不登校になったのですが、
そのきっかけは、会食恐怖症があり給食が食べれず、
それを良く思わないクラスメイトからいじめを受け、
パニック障害を発症し外出が出来なくなったことです。
なぜ学校に行かないのかと両親に責められました。
正確に言えば、行かないのではなく行けないのですが、
給食が食べれないと言うと、
父が、「だったら飯を食わせなければいい」と言いました。
「飯を食わせなければ腹が減って、いやでも家から出てくるだろう」と。
それをきっかけに3日間ほどご飯を貰えなくなりました。
本当に怖かったです。
このままご飯を貰えずこの部屋で死ぬのではないか?
そう思うと怖くて怖くてしょうがなかったのです。
空腹に耐えられず、
私はパニック発作の吐き気を必死でこらえながら、
やっとの思いで近所のコンビニでカップ麺をひとつ購入しました。
使ったのは、その拾ったお金でした。
しかし、後日、ゴミ箱に捨てられたカップ麺を見た父が、
「なんでカップ麺なんか食べてるんだ、家の金を盗んだな」
と言ったのです。
カップ麺のゴミはコンビニのレジ袋に入れて捨てていたので、
「コンビニなんかで買いやがって贅沢な」と父が言いました。
お金を盗んだと誤解されたことを言いたくても、
父が怖くて私は本当の事を言い出せませんでした。
そして、この時コンビニを使ったことが贅沢なことなんだ、
と思いこんでしまったのです。
結局ご飯を貰えなかったのは3日間だけだったのですが、
私の心には恐怖として深くトラウマとなって残ったのです。
その3日間をきっかけに、
私は、コンビニを利用するのは悪というのを、
最近まで思い込んでいました。
男性に対しても恐怖心を持っていたので、
夫に対しても、コンビニを利用したら怒られるのでは?
と思い込んでいたのです。
ようやく最近になり、それは違うんだということがわかり、
コンビニは普通に利用できるようになりました。

最近は、トラウマから解放されつつあります。
トラウマの克服のために、当時のことを書くことにしました。
きっとお読みになった方は、
トラウマとお金を拾うことの、
何が繋がっているのか分からなかったと思います。
自分でも書くことで、なるほど、繋がっていたんだなぁと、
改めて考えることが出来ました。
トラウマの克服は一つ一つの事実確認をしていく地道な作業ですね。
なんだそんなこと?というような事がトラウマになっていたりします。
そして、子供時代の自分が孤独だったことや、
自分の未熟さ、という事実を知ることだったりします。
さらに言えば、親もまた未熟な人間だったという事実も知っていきます。
そういうものを含めて今は、
トラウマを少しでも良くしていくこと、
今を大切に生きることを大事にしています。
ちなみに今はお金を拾うことはありませんし拾ったとしても警察に届けますからご安心を(笑)

トラウマは、記憶の障害なんだそうですよ。
心は脳なので、トラウマ体験というのは、
脳の海馬というところに、
記憶として残り続けるという障害なのです。
この話を聞いた時は、なるほどと思いました。
私は、父の行動によって、
死の恐怖を感じて、海馬に記憶として強く残り続けたんですね。
トラウマとなって、
今でもフラッシュバックに悩まされています。
克服は難しいと思うんです。
なぜなら記憶の障害だからですね。
障害というのは、完全に治らないから障害なわけですから、
治らないと考えるのが正解に近いんでしょうね。
そう考えると、この記憶は記憶として、
自分の中でだけでも、ちょっと手直しするのがいいのかなと思うのです。
未熟な人間(父)が、起こした行動で、一人の人間(私)が困っている。
しかし、コンビニは悪くないし、便利。利用して大丈夫。誰も怒らない。
みたいな感じです。
こうやって記憶の手直しを一個一個やっています。
気が遠くなる作業ですが、
少しずつ自分なりには楽になっているのかなと思います。

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