『星の数』
拙作、『美食牢』に登場する鴉ケ谷尊。
通称『異能課の鴉』。
生まれながらに桁外れの異能数を有し、現在では日本に並み居る異能の実力者No.2と誰からも目されている。温厚で部下思い、加えてその美貌により国民的な人気がある。
しかし異能の名門の出でもない突然変異のような存在であることと、極めて特徴的な、ある異能ゆえに政治家などから嫌われている。
国内でも有数の『国宝異能』保持者。
突出した能力を持つ彼の為に〝零〟という肩書が用意された、異例中の異例の主。
剣の腕を磨く暇すらない忙殺されようだが、ふらっと後輩の天才剣士と仕合をして負けるということがない。
対峙する相手をレビューに見立てて星の数で評価する癖があるが、好ましく思う相手に高評価することがほとんど。
逆に彼から敵視された相手には「星、一つ」と容赦ない評価・宣告をする。
愛妻家で部下思いなので、大切な人たちに攻撃を仕掛けた存在にはかなり冷酷無慈悲にもなる。
上司である実力者No.1からは「不思議ちゃん」呼ばわりされる天然。マイペースを貫き過ぎている。
彼は膨大な数の異能を保持するが、兄の持つ唯一の異能のほうが尊いと思っている。兄弟仲良し。祖母あり。
異能力者にはそれと識別しやすいように国から和装が推奨されている為、異能特務課に所属する職員はほとんどが和装であり、尊もその例に洩れない。
但しこの和装推奨政策の裏には、国と呉服業界との間で取引があったとかなかったとかまことしやかに囁かれている。