九藤 朋

初めまして。小説や絵、ビーズ細工を創作しています。 『コトノハ薬局』特別賞受賞。 『私の妻と、沖田君』ノベルアップ+第一回時代劇小説大賞受賞、発売中。

九藤 朋

初めまして。小説や絵、ビーズ細工を創作しています。 『コトノハ薬局』特別賞受賞。 『私の妻と、沖田君』ノベルアップ+第一回時代劇小説大賞受賞、発売中。

マガジン

  • 『バイオレット、バイオレット、シークレット』

    人の発する負の感情から生まれる汚濁という異形の化け物や人に害を為す妖怪。 それらを滅することを生業とする隠師の一人、神楽菫。  彼女は幼い頃に兄を陰惨な事件で亡くしていた。  その謎を探りながら、隠師と敵対する勢力とも戦いを繰り広げて行く。隠師、御師、巫術士、そして汚濁を生じさせようとする者たち。諸勢力の思惑が絡み合い、その渦中に彼女の存在があった。  果たして兄はなぜ死んだのか。どうしてその場に居合わせながら、事件の詳細を思い出せないのか。謎が解明された時、菫が取る行動とは。  未だ眠れる秘密の物語。  明かされるまでには時間が掛かる。  そう、だからそれまでは。  Violet, Violet, secret………….

最近の記事

    • 三話・僕の可愛いお姫様

       菫は水を掻き、脚を上下に動かして五十メートルを一直線に泳ぐ。  水の中は静かで、塵が光を帯びてきらきらと煌めき、光の大きな網目模様が映されている。青と透明の支配する空間に、このままどこまでもどこまでも沈んで行きたくなる。過去の手が届かないところまで。  沈んで、そのまま浮かび上がらなくても構わないなどと、埒もないことを考える。  所詮は呼吸を求め、酸素を求め水上に出るのに。今を生きる為に。  五十メートルを何回かクロールで往復した菫はプールサイドに立つ駿の姿を認めて

      • 紫陽花と紫君子蘭

        • 珈琲タイム

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        • 『バイオレット、バイオレット、シークレット』
          3本

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