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漬けもの界で知らぬものはいない、沢庵寺の沢庵和尚の話。
11月3日。気持ちよいお天気のもと、兵庫県出石市で出石お城まつりが開催されました。出石は江戸時代5万8千石の城下町として栄えた町として知られています。
現在も数多くの史跡が残る町並みを舞台にして、毎年11月3日に開催されるこの祭り、一番の見物というと総勢約90人が織りなす「子ども大名行列」。そして大人大名行列槍振りの「インサヨーイ・イーヤットマカセ・ヨイヨイハーヨーイ」の独特の掛け声と絶妙な槍さばきは、参勤交代を模様を今に伝えると言われ圧巻です。
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さて、なぜこのようなお祭りをしているかと言いますと、実はこのお祭りに合わせて当社も所属する関西漬物協会主催の「沢庵寺大改修事業応援チャリティセール」があったんですね。
京都のお漬物、和歌山の梅干し、関西のあらゆる漬物が大集合。鳥取県は中国地方なのですが、なぜか関西漬物協会に入ってまして(なんででしょう?)、砂丘らっきょうをたくさん持参しての参加です。
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お城まつりの人出も相まってたくさんの方がブースにお越しになりました。チャリティ商品には各地のお漬物が色んな組み合わせで入っているので、お客さんも目移りしてどれにしようか迷われる迷われる(笑)。
今まで食べたことのないお漬物に関しては、各地から集まった色んな漬物屋さんと直接のおしゃべりも楽しいようです。
漬物界では知らぬものがいない・・・
ところで、どうしてこの場所で漬物協会のイベントが行われるのでしょうか?
すでにヒントが記事の中に出ておりますが、そう、ここには沢庵寺があるからなんですね。沢庵寺は通称で、本当の名前は「宗鏡寺(すきょうじ)」。漬物界では知らない人はいないほど有名なお寺です。
なにしろ、漬物の代表格とも言える「たくあん」を考案したと言われる、たくあん和尚のお寺なのです。
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沢庵和尚は、天正元年(1573)豊岡市出石町に生まれました。父は出石城主・山名祐豊(やまなすけとよ)の重臣・秋庭能登守綱典(あきばのとのかみつなのり)です。
沢庵和尚は10歳の時に出家し、14歳の時、出石藩主菩提寺・宗鏡寺に移り、希先西堂の弟子になり名を秀喜と改めました。また、48才から8年間過ごされた宗鏡寺「投淵軒」では数多くの和歌をつくり、書物をあらわされました。沢庵漬もここで工夫されたといわれています。
江戸幕府の三代将軍である徳川家光の命により、現在の東京都品川区に東海寺を開山。徳川家光が東海寺の沢庵和尚のもとを訪れた時に、沢庵和尚が漬けた大根漬けを気に入り、特に呼び名が決まっていなかったその大根漬けを、「沢庵(たくあん)漬け」と命名したと言われています。
そこから、400年経った現在まで、「たくあん」が親しまれ続けてきたのです。
沢庵和尚と「たくあん」については、ぜひこちらも参考に。
室町時代に創建された宗鏡寺も四百年が経ち、風雪による老朽化のため全面改築工事がなされることになりました。そこで、今回たくさんの方が集まるお城まつりの際に、関西漬物協会でもチャリティとして漬物を販売することで協力させて頂いたので今回のイベントというわけなのです。
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販売ブースには、宗鏡寺、つまり沢庵寺の14代 小原游堂住職も直々に販売のお手伝いして下さいました。
ちなみに沢庵寺では、今でも地元の子供たちと一緒に沢庵和尚伝承の製法で、たくあん漬を作っておられるとか。いつまでも続いてほしいですね。
まもなく、たくあんの日
日本の文化と言える、お漬物。そしてその中でも食卓で愛されてきたお漬物、たくあん。そんなたくあんゆかりの地で、たくさんのお客様に漬物に触れて頂く機会があったことにとても感謝でした。
そして、11月11日は、そんな「たくあんの日」。
「1111」という文字が、たくあんの大根を並べて干してある様子に似ていることと、たくさんの「1=わん=あん」があることが由来とされています。
ちなみに11月11日には日本記念日協会による認定の記念日で2番多いらしいそうです。たくさんライバルがいる日ではありますが、たくあんがより身近に感じて頂けるように、漬物の普及に力を入れなくては!と改めて感じています。
とまりのつけものでは、いつも食べているはずなのに、昔から馴染み深いはずなのに、、、知っているようで知らない、つけものに関する様々な豆知識を「つけもの手帖」としてご紹介していますので、ぜひこちらものぞいてみてくださいね。