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[AI]夢の島 for machines[絵本]

夢の島…… 昭和にはそれなりに知られていた
ゴミ捨て場にされた島の "美称" である
もっとも、先にあったのは別の構想で
ゴミの最終処分場にされたのは
その構想が潰えたからだ
つまり「夢」の意味が、
"期待" から "儚い幻" へと変わった

実は同じ時期、ゴミの島の計画がもう一つあった
そっちが知られていないのは
予算がついたにもかかわらず 中断されたからだ

わずかな証言によると
機械だけが捨てられることになっていた
機械に思い入れのある官僚がいて
ゆくゆくは "機械の遺跡" を作りたかったらしい
今でこそ "産業遺産" が広く認知されているが
当時は実に斬新なアイデアだった
が、それは云いかえれば
国民の理解を得にくいということである
関係者は細心の注意を払って
周到に準備を進めたのだが
それが裏目に出た
秘密の計画が
悪だくみの隠れ蓑にされたのだ
中断されたのは
それが発覚しそうになったからである

というようなことで
この島の成り立ちは悲しいが
結果は、見ての通り

すでに運び込まれていた機械たちは
誰に邪魔されることもなく
静かな眠りについている

こちらの "夢" は 意識の "向こう側"




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