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[幻聴ラヂヲ]その名は「mi-」(プチミステリー)

※フィクションですが、心の弱ってる方は、
元気になってからお読み下さい。


 例によってどこかヨソの星から聞こえてきた話だが、ククチンの服半農、その元を解消する画期的な特効薬が承認されたらしい。

 どんな病気でもそうだが、根本的な原因を解決しないことには症状が次から次に出てくる。枝葉の症状だけに対応しているとモグラ叩きだ。
 しかし根本的な治療…… 原因療法はなかなか行われない。根本的な原因がわからない場合もあるし、原因が分かっていても解決法がわからないことが多いからだ。
 今回、その星で承認された特効薬の主成分は「お目付R」なるもの。ふざているわけではない。その星の専門用語を直訳するとそうなる。遺伝子に関係する用語なのだが、この星にあてはめて解釈すると次のようになる。

 身体の設計図が「らせんらせんD」
 その設計図にしたがって、実際に身体の各部分の製造の指図をするのが「お使いR」
「お目付R」というのは、「お使いR」がやり過ぎたり、やり足りなかったりしないよう監督する役割だそうだ。

 身体のパーツはどれも多過ぎても少な過ぎてもいけない。「玩(gun)」などは一部の細胞が際限なく増える病気だが、これを「お使いR」のせいだと見なすと、その細胞を「作り過ぎている」ということになる。あるいは、「玩」化した細胞を消す物質を作る量が「少な過ぎた」となる。(※「玩(gun)」の原因は他にもいろいろあります
 その場合、「お使いR」をちゃんと監督すれば「玩」が新たに増えることはない。それどころか縮小に転じる。つまり、まともに働く「お目付R」を患者に投与すれば「お目付R」の問題で発症した「玩」は完治できるはず……。その星の人はそう考えてトライした。

 結果は予想通り。そしてその成功はすぐにククチンに応用された。実は「お使いR」を用いた新型ククチンには「お目付R」も含まれていた。
「お使いR」は何をしでかすか分からない新人クンのような存在なので、お目付役を一緒に入れたのは、当然と云えば当然のことだった。
 ところが世に出回ったククチンの中にあった「お目付R」には不良品が多かった。ちゃんと監督するどころか間違った指導をした。どうやら、それが服半農の主因になったらしい。
 ククチンの服半農については未解明のことがたくさんあるが、少なくとも「お目付R」の不良による服半農については、正常な「お目付R」を投与することで完治できるはず…… 研究者はそう考えたのである。
 そしてその目論見も見事に当たった。テストしてみると、服半農がウソのように消えたそうだ。逆に言えば、服半農には不良な「お目付R」に起因するものが多かったということだ。

 ところがこの「成功」が炎上してしまった。
 世間の人々は「話が出来すぎだ」と感じたのである。

 服半農で苦しむ人たちのために急遽、特効薬が開発されたのではなくて、そもそもこのククチンを開発する時に一緒に開発してたんじゃないのか? と疑われたわけだ。下品な云い方をすれば、ククチンで儲けて、その服半農の特効薬でも儲ける、はじめからそんな魂胆だったのだろう! と。まさに典型的なインボー論なわけだが、ともかくそんな疑惑が一気に広がった。

 実際にそんな極悪行為があったのかどうかは別にして、その気になればそんな真似が出来てしまうのだとすれば、その怖ろしさはカク兵器級である。敏感にならないほうがどうかしている。

 ヨソの星の話は、そこまで。

 その後どうなったのかはわかりません。空前の疑獄事件となったのかもしれませんし、結局、特効薬で多くの人が救われてメデタシ、メデタシとなったのかもしれません。

 ふと思ったんですが、この星はだいじょうぶなんでしょうかね。
 おりしも今、ホケンの黒際機関に超国家権限が与えられようとしています。うろ覚えですが、その条約に参加しない場合には年内にそれを通告する必要があるとか。かなり切迫した状況なんです。
 念のために補足しておくと、国家の最高法規はケンポーだと思われていますが、国際条約はそのケンポーを上回ります。なので、ホケンの黒際機関に超国家権限を認めるという条約を結んでしまえば、セイフが支店のような立場になってしまう。我々は遠いところにある会ったこともない本社の人間の云いなり。選挙、民主主義のタテマエなど吹っ飛んでしまう。
 もちろんホケンの黒際機関なので強権は「ホケン」に関してだけ発動されるわけですが「○○ウウルスが万円している!」と宣言すれば、事実上、やりたい放題。あれも禁止、これも禁止、チンは強制、従わない者に対しては罰則規定まであるそうです。「なるべく○○しましょう~」なんて優しい呼びかけではないんです。
 それだけの権力が成立して、暴走しないと思いますか? 暴走しないような仕組みを作らないと権力は危険だというのが歴史の教訓だったはず。
 だいたいその組織の実態がいかなるものか、一般人はほとんど知らないと思います。トップの経歴、資金の出所だけでも、ご自分の目で確かめてください。「マジかよ……」となりますから。

 もしそんな条約を結んでから、さっきの星のような事件が起こればどうなります? 国内法ではどうしようもありません。いったいどうやって解決を図るんでしょうか? というか調査すら難しいでしょう。調査も権限がないと出来ませんからね。

 と、ちょっとネガティブになり過ぎたかも知れません。仮定の話で不安になってたりしたらキリがない。要するに、ひっかかるのはククチンです。
 ククチンの不安さえ解消されれば、それでよしとしましょう。

 この星のククチンには「お目付R」が使われているのかどうか……。

「お使いR」のことは、テレビでもよく話題にされていました。確か遺伝子が書き換えられるわけではないから安心して下さいというように。しかし「お目付R」に相当する成分の話は出てこなかったと思います。

 でも、調べてみたんですよ。怖いもの見たさで……

 素人なのに調べられるの?

 一つ方法があるんです。これもヨソの星の受け売りなんですけどね。その星のある個人がやったのは、問題のククチンの正式名称を知るべること。それだけだったんですが、その星のククチンの正式名称、なんと

「○○お目付R◇◇」だったんです!

 つまり、その星のククチン開発者は「お目付R」がキモだと思ってたわけです。だから名前につけた。もし「お目付R」が脇役なら新型ククチンの名前になんかしませんよ。

 でも、そのキモであるはずの「お目付R」に不良品がたくさんあったわけです。普通に考えれば、大恥じゃないですか。もしマズイとわかっていたら、少なくとも名前には使わないでしょう。それを堂々と名乗ったというのはどういうわけ?
 可能性は二つです。一つは、不良品がたくさんあるということに気づいていなかった……。
 しかしね、ククチンはテストしてから出すもので、テストの結果が良くなかったことはすでに判明していますから、その核心成分の問題を見逃すわけがない。となると、インボー論者が云うように確信犯…… という話になるわけですよ。論理的な話でしょ?
 特効薬が炎上したというのは、そのことも大きかったと思います。

 というわけで、ククチンの正式名称を知る、たったそれだけのことでもバカには出来ないんです。

 ちなみに皆さんはご存知ですか? 今回の新型ククチンの正式名称。
 あれだけ毎日、朝から晩まで三年くらい騒がれていたククチンですけど、聞いた覚えがありますか? 本当の名前……。

 わたしの話はここまでにさせていただきます。
 ここから先はご自分でやってみて下さい。
 まず新型ククチンの正式名称を調べる。ネットで検索すればすぐにわかります。
 そこに問題の文字があるかどうか。問題の文字とは「お目付R」のこの星での名称です。それを調べるのには、ちょっと手間かもしれません。なので、そこはヒントを出しておきます。

 まず「らせんらせんD」というのは、この星では「D・・」ですね。
「お使いR」は「ナントカジャーR・・」。ここまでは調べるまでもありません。
 では「お目付R」は「ナニR・・」なのか?
 そして、その名前がククチンの正式名称の中にあるのかどうか。

 ぜひ、ご自分で確かめてくださいな。他人から云われると反発したくなるようなことでも、自分で確かめると印象が違ってくると思います。

 但し、生半可な気持ちではやらないほうがいいでしょう。
 というのも、その言葉を検索することで、あなたのIDがブラックリストに載るかも知れないからです。たぶん載るでしょう。一般人が関心を持つ言葉ではありませんから……。

 くどいようですが、もしヨソの星のように新型ククチンの正式名称が「○○お目付R◇◇」という名前だったとしたら、

 この星でも服半農の特効薬が出ますよ。近いうちに。
 その時アナタはどうされます?


ヨカッタヨカッタと云って、売ってもらいます?

でも、その特効薬にも、次の仕掛けがあったりしないんですかね……。


参考


画像は、tomekantyou1さんの作品です。ありがとうございます!


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