複雑な問題を批判する時は、ネガティブな感情を刺激するのが最も強力なコミュニケーション手段であるという現実(ジブ・カーモン教授) #wmst2018
本日開催されたワールドマーケティングサミット2018
ネスレ日本の高岡社長に続く2つ目のメモはINSEADのジブ・カーモン教授によるプレゼンです。
人間の思考モードを感情のシステム1、理性のシステム2と分け、国家的なコミュニケーションやマーケティングにおいて、いかにシステム1を動かすコミュニケーションが強力かという説明は、具体的で非常に示唆に富んでいました。
実際問題、トランプ大統領の当選やブレグジットなど、ネガティブな感情に訴えかけるコミュニケーション技術に人類が敗北し続けている現実を、ちゃんと受け止めて、カウンターの仕方を学ばなければいけないんだろうなと感じる今日この頃です。
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■ジブ・カーモン インシアード教授
■システム1とシステム2 象と象使い
システム1 象 (欲求・感情)
システム2 象使い (意思・理性)
■システム1は怒りの表情など、簡単なことを直感的に判断する能力
複雑なモノを判断する際にはシステム2が必要になる。
■トランプが大統領選挙に勝利したのはシステム1をうまく刺激したから。
■グローバルな社会問題に対する取り組みは非常に複雑で説明するのにも手間がかかるが、それに反対する時にはネガティブな感情を刺激するだけで良い。
世界的にグロバール化に対してネガティブな反応が増えているのはこの構造が背景にある。
ネガティブな感情は、最も強力。
■Apple Think Different
これはシステム1を刺激しているからこそ世界でも最も有名な広告の1つとなっている。
■日本メーカーのMP3プレイヤーとiPod
見た目は似ているし、機能的には日本メーカーのモノの方が優れている面も多かったが、iPodの方がはるかに売れた
これもAppleやスティーブジョブズがいかにシステム1を刺激するのがうまかったかという事例。
■Apple Store
アップルストアもシステム1とカスタマーインサイトの組み合わせの好例
本来は定価で売っているアップルストアで消費者が購入する理由は少ないはずだが、現実的には最も成功している小売り店の一つとなっている。
■顧客中心主義で考えることが重要
■コカコーラの事例
コカコーラはブラインドテストだとペプシに負けるが、オープンテストだと勝つ。
これはコカコーラが以下にシステム1を刺激するブランディングができているかという証拠である。
■ユナイテッド航空の事例
顧客を中心に考えなかった結果、この10年間で2度も大きな炎上騒動を起こしている
◼︎まとめ
・エレファントターゲティング
・本当の意味での顧客中心主義
・イノベーション 破壊するか破壊されるか
組織は、ゆでがえる現象になりがち。
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