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つきのうらがわ

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第一回エッセイ。
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夜明け

夜明け

最後の話をしよう。
君は知っていますか?
君の色をした空があること。
そしてそこで泳ぐ鳥が、とても幸せそうだったこと。
海で魚が溺れたこと。
夢を叶えた人が、必ずしも幸せにはなれないということを。
人は弱い生き物だ。
だから知らないことがあると不安になって、勝手に想像して、勝手に決めつける。
名前に意味はないのかもしれない。
言葉に意味はないのかもしれない。
でも、僕は君の名前が好きだ。
君が嫌い

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9月1日

9月1日

17歳の頃、同級生が飛び降りて死んだ。

今でも少し、その子が羨ましいと思ってしまう自分がいる、それが嫌で、でも、その気持ちもわかる気がして、僕はまた思い出す。

大丈夫じゃない人に「大丈夫。」なんて言えないし、すでに頑張っている人に「頑張れ。」なんて言えない。言葉で心は簡単に潰れてしまう、よくも悪くも、心は自分が思っているよりも脆いから、慎重に言葉を選ぶ、その結果何も言えなかったとしても、誰かを

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言えない

言えない

喉の奥に閉じ込めた言葉は、心に戻って、底に沈む。

言えなかった。後悔した帰り道、自分を責める、弱い、情けない、ずるい、そんなことないって、思いたかった。届かなくてよかった言葉だってあるはずだ。思ったことを何でも吐き出していたら、きっと周りに誰もいなくなる、自分勝手だ、それは、だから言えなかったことは悪くないよ、弱くないよ、君は、多分、優しいだけだ。

そんなこと言われても、響かないのは、僕が君の

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忘れる

忘れる

絶対に忘れないから。

そう言ったくせに、人は簡単に忘れてしまう。忘れられないことも沢山あるけど、その違いはとても曖昧で、あれだけ嬉しかったことも、あれだけ悲しかったことも、忘れてしまえば、全部同じ、真っ白になる。それが積み重なって心はできているなら、心の色は限りなく白に近い薄い色、でも、そのくらいの方が優しくていいかもね。色が濃いほど重たく、痛く感じるから、どんどん忘れて、最低限の色だけで生きて

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エアコン

エアコン

暑い日に限って職場のエアコンが壊れるのはどうして?

多分それは、普段よりも頑張っているからで、そう思うとなんだか許せてしまう気がするし、ちょっとだけ可愛くも思えてくる。

頑張り過ぎると、人も壊れる。

いつもなら気付けている優しさや愛情に気づけなくて蔑ろにしたり、自分のことばかりを考えてしまったり、単純に体調を崩したり。

頑張ることと同じくらい、休むことも大事。

それが一番難しいね。無理し

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こころ

こころ

こわいものはみたくない

いたいことはききたくない

さびしいと死んでしまう

くるしいと泣いてしまう

すぐに、こわれてしまう

こころ

あたたかい

やわらかい

もろい

でも、ここにあって欲しい

僕が生み出したもの全てに溶けていて欲しい

きっと優しいだけじゃない

嫌な思いをさせてしまう時もある

でも、

それが僕だ

言葉だ

心だ

だから君も大切にして

弱い自分のことも

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屋上

屋上

普段言えないようなことも、ここなら話ができる気がする。天国に一番近い場所、僕の世界の果ては、街のど真ん中にあった。目的地としてではなくて、漂流してしまったみたいに辿り着く、何もないと思っていた心の中に風が吹く、それで何かが変わるかどうかはわからないけれど、部屋にこもっているよりはずっといい。時間が解決してくれない悩みばかりが残って重くなっていく。生活、気づかないくらい少しずつ、よくない方向に、どう

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撮る

撮る

僕は写真を撮ることが好き。

上手いか下手かで言えば下手だと思う。現像してもらったものを見ると、大体自分がイメージした写真とは違うから、本当に写したかったもののことを考える。でも、そんな写真が好きだったりもする、下手かもしれないけど、確かにそれは僕が見ていた景色で、そして僕が知らなかった景色だから。愛おしい。

写真も絵も、きっと文章も、下手は悪いことじゃない。

写真を撮るという行為は日常的なこ

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海

波の音も、潮の匂いも、なんだか懐かしい感じがする。帰ってきた。特に海に対して強い思い出があるわけじゃないのに、そんな風に思うのは、人間の本能なのかな。

砂浜に打ち上げられた鯨の中身は、人が捨てた大量のゴミ。水族館で綺麗に展示されている魚を見て目を輝かせるくせにね、それこそ飼い猫と、野良猫の違いと一緒だ。大事にするのは、自分の為に生きてくれている命だけ、あとは全部軽い、簡単に流されてしまうくらいに

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日々

日々

当たり前になることが怖い。

失う恐怖を忘れて、自分の身体の一部みたいになっていく、色んなこと、もの、自分の身体だっていつかは失うのに、そのことは考えないで、知っている芸能人の訃報を見た時、僕は何を思う。

こんな日々でも続いているだけマシだ。死んでしまうことは特別じゃないから、愛していたい、これからも。生きることは難しい、初めて経験することの連続だから、心も身体も精一杯、でも、そんな中で、大切に

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猫

これくらい自由に生きてみたいと、一緒に住んでいる猫を見てると思う。好きな時に好きなだけご飯を食べて、好きな時に寝て、甘えたい時に甘えて、飽きたら離れて、お腹が空いたら嘘みたいに媚びて、媚び倒して。かわいいは正義だ。何をしたって許してしまう、怒るけど、一瞬で怒りは消える、「にゃあ」って言った、かわいい。

夜中に家の外から激しい猫の鳴き声が聞こえた。多分野良猫同士が喧嘩しているのだと思う。僕は猫が好

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tokumei-kibou

tokumei-kibou

こうして偉そうにnoteを書いているわけだけど、読んでくれる人が誰もいなかったら、これは全部独り言になる。本も、グッズも、個展の開催も、自分以外の誰かがいるからできること、当たり前だけど、その当たり前が、僕にとっては特別で、宝物です。

僕を作家にしてくれて本当にありがとうございます。

自分の中でまた一区切りしたつもりです。これから先、自分自身にも、世間的にも何が起こるかわからないけど、多分ずっ

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喫茶店

喫茶店

生きていると、どうしても現実と向き合う必要がある。というか、現実は見ないといけないもので、目を背けたら痛い目を見るのは自分だったり、周りの人だったり、だからみんな揃って言うんだ、みんなって誰かはわからないけど。

そんな現実から一時的に避難させてくれる場所が喫茶店。席に座って、上着を脱いで、コーヒーを体内に流し込んだ瞬間、僕は外の世界から切り離され、追いかけてくる現実から解放される。ホラーゲームの

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書く

書く

正直、文章を書くことは楽しくない。これで正解なのか、自分が納得しても、読んでくれる人が好きと言ってくれるのかどうか、少しもわからないから面倒くさいし、考え過ぎなくらい、色んなことを考えて、思い出して、勝手に傷つく。なら、どうして僕は書くことをやめないのだろう。それは多分、書いていない時間が不安で不安で仕方ないから、何か書かないといけない、そんな衝動に襲われる。パソコンかスマホを開いて、白紙の画面に

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