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わたしの名前

突然ですが、わたしの名前は「有未(ゆみ)」と言います。

両親につけられた名前ではありますが、おじいちゃんが熱望した名前だそうです。
そこには時代ながらのかなしい背景があり、それ故に母は猛反対し、はじめに候補となっていた「ゆみこ」から「こ」をとって私の名前は「ゆみ」となったそう。

それは祖父母がまだ若く、私の父が生まれる前のこと。父の前には女の子がいたそうです。
子育てのために嫁が休むなんてことは農家にとって許されず、乳飲み子を田や畑の畦道に置き、農作業をしていた時代。
その日も祖父母の第一子である「ゆみこ」ちゃんは農作業をする祖父母を畦道でずっと待っていたことでしょう。
農作業を終えると、「ゆみこ」ちゃんはもう息をしていなかった。
被せていた毛布が顔にかかり、息ができなくなったことが原因と母伝いにききました。

今の時代には到底考えられないこと。
祖母はどれだけ自分を責めたことでしょう。
祖父はどれだけ絶望したことでしょう。
「ゆみ」という名前を引き継いだ私ですら、この話を祖父母から聞いたことはない。
それほどに、触れてはいけないくらいのかなしみだったのだと。

私の名前、「ゆみ」は「有未」と書く。
「未来」が「有りますように」と名付けられたそうだ。

おじいちゃんの想い、おばあちゃんの想い、お父さんの想い、お母さんの想い、それぞれの想いを受けて、私は生きている。

託された「未来」。繋げる「未来」。

みなさまに、大切なご家族に、子どもたちに、日本の農業に、明るい「未来」が「有りますように」。

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