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21 ツールじゃないよ、ルーツだよ。

アドベント企画4日目。残り21日。だんだん楽しくなってきたよ。さらけ出していこう。棚から卸していこう。

ツールじゃないよ、ルーツだよ。

今年もいろいろあったけど、なかでも重要なトピックの一つが、「ルーツ探究」。ツールじゃないよ。ぎゃくぎゃく。ルーツ。現代人みんな好きだもんね、ツール。思うようにしたいんだよな。

一方で近頃の僕は、自分自身の根源的なものに関心があって、過去から流れ込む文脈を理解したいという欲求がある。シンプルに言えば、「僕は、どこからやってきたのだろうか」ということに対して納得したい。今年は、そんな大きな問いと一緒に歩んでいくことになった、はじまりの年だ。

僕のルーツの半分は韓国にある

僕の母方は実家は在日コリアン家系。僕のルーツの半分は韓国にある。ただ、ここ数年まで特に韓国にルーツがあるということについて深く考えることはなかった。

差別を受けたり何かに困ったこともないし、ほとんど何も言い聞かされていないので、疑問さえ持たない。在日4世はほとんどこんな感じらしい。もちろん、言語もわからないし、文化もかろうじて残っている儀式的なものと料理くらいしか知らない。

でも、数年前くらいかな?30歳になる手前くらいからうっすらと自分のルーツについて考えはじめるようになっていた。潜在的にはモヤっとした何かを抱えていたんだと思う。自分が何者なのかよくわからない。29歳の正月にはFacebookにこんな投稿もしていた。

「ちゃんぴょん」との出会い

そんな中、この春、ある在日同胞との出会いがきっかけで、僕のルーツ探究が本格的にはじまることになった。それは、風越学園に大阪の自治体から派遣されてきた「ちゃんぴょん」。一緒に働いた数ヶ月間、折に触れて、何も知らなかった僕にいろんなことを教えてくれた。在日同胞という言葉も彼から教えてもらった。

左がちゃんぴょん。夏に鶴橋からコリアタウン周辺まで案内してもらって、在日の歴史について教えてもらった。

彼は、在日同胞のルーツ探しの伴走活動をしている。これまで何十もの家庭のルーツ探しをサポートしてきた。その中のひとりに、サンデーモーニングに出演されているフォトジャーナリストの安田菜津紀さんがいる。NHKでドキュメンタリー番組になり、本も出版された。彼自身も、30歳になる前、韓国へルーツ探しに行っている。

彼とのやりとりを重ねていくうちに、「今すぐ韓国に行きたい。いや、行かないといけない。」と思うようになっていった。その理由の一つが、101歳の“ハンメ(韓国語でおばあちゃんという意味。僕にとってはひぃばあちゃんだが、僕もそう呼んでいる。)”がまだ健在だということ。

夏にはうちの家族と会ってもらって、うちのオカンのスナックにも遊びに来てもらった。ばあちゃんもいっしょに。

奈良へ来る際には、ぜひスナックドロップキックへ!

101歳のハンメを故郷に連れて行く

そんなわけで、夏が過ぎ、11月の初旬に韓国に行くことになった。101歳のハンメを連れて、ハンメの故郷へ。韓国語をしゃべれるのはばあちゃんのみ。向こうの親戚に何とか連絡が繋がったらしく、親戚会いに行くことと、ハンメの故郷とお兄さんのお墓へ行くことが目標。

僕(31歳)、オカン(53歳)、ばあちゃん(80歳)、ハンメ(101歳)という四世代総動員で行く、大がかりな旅だ。オカンの妹とばあちゃんの弟も一緒に。

出発は大阪の港から。ハンメがいるから船での旅になった。

「どこに行くんや!」
「ハング(韓国)行くんやで」
「死にに行くんか!」
「年寄りはみんなこうやって死ぬんか!」
「遠足か!遠足みたいやなー」

すっかりボケてしまっているハンメとの珍道中がここからはじまる…

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ちょいと長くなってしまったので、続きはまた。明日この続きを書くのか、また別のことを書くのかは、また明日の気持ち次第ということで。

ピンクベストのハンメ、手前にばあちゃん、奥にばあちゃんの弟。

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30代になったばかりのぼく、「とっくん」こと片岡利允が、「きょういく」と「はたらく」にまつわる、日々の気づきや関心ごとについて綴っていく雑…

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