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#SF
R.E.T.R.O.=/Q #9(エピローグ)
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光に満ちた壮麗な宮殿。
見通せぬほどの天高くまで聳える石柱が、遥か彼方まで等間隔に立ち並び、その表面に万遍無く施された超自然の彫刻を無窮の大空間に曝している。
広大無辺なる大理石の回廊の床を今、小さな点が移動している。フードを目深に被り、しめやかに歩を進める者あり。絹のような光沢の純白のマントが、神聖なるスペクトル光を反射して玉虫色に煌めく。さらさらと小さな衣擦れの音だけ
R.E.T.R.O.=/Q #6
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じり……
拳を構えたまま、円弧を描くように脚を運ぶ。
私は暗殺者(アサシン)だ。
このベルトだらけのボディスーツには、一見してわからないが、無数の暗器が仕込まれている。当然、どの武器も《風水術》によるエンハンスメント済みだ。相手が何処から打ってかかってきても返り討ちにすることができる。
近接戦闘こそ必殺の間合い。相手の懐に踏み込んで殺害する手が何十通りも瞬時に脳裏に浮かび