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その他の幻想

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唐突に思いついたらなんか書くかもしれない。
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#ファンタジー

R.E.T.R.O.=/Q #9(エピローグ)

R.E.T.R.O.=/Q #9(エピローグ)

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光に満ちた壮麗な宮殿。

見通せぬほどの天高くまで聳える石柱が、遥か彼方まで等間隔に立ち並び、その表面に万遍無く施された超自然の彫刻を無窮の大空間に曝している。

広大無辺なる大理石の回廊の床を今、小さな点が移動している。フードを目深に被り、しめやかに歩を進める者あり。絹のような光沢の純白のマントが、神聖なるスペクトル光を反射して玉虫色に煌めく。さらさらと小さな衣擦れの音だけ

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R.E.T.R.O.=/Q #8

R.E.T.R.O.=/Q #8

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私達の帰還は、凱旋とは程遠いものとなった。

扉と通路ばかりの《薄明の領域》を抜けた先、仮面着用者だけが辿り着ける私達「レトロ」の拠点がある。ジョンは私に触れることで共に扉を通過した。最後の扉をくぐると、それは突然目の前に現れる。広場のようなエントランス。巨大な卵型の空洞が、吹き抜けとなって数十階にわたる階層の中央を貫いている。各階では放射状に廊下が延びて内部で複雑に入り組み

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R.E.T.R.O.=/Q #7

R.E.T.R.O.=/Q #7

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常盤色の眼光を放つジョン・アルバトロスの手には木刀のような剣が握られていた。

彼が床に遺されたバスタードソードを拾った際、剣身が一瞬で錆びて砕け落ち、中から木の刀身が出現したのだ。

「フン、貴様から始末してくれよう」

なんらかの異変を察知した神無月がジョンの頭蓋を粉砕すべく殴りかかった。

すとっ

超音速にして大質量の拳はしかし、嘘のような軽い音だけを残して木の刀身に

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R.E.T.R.O.=/Q #6

R.E.T.R.O.=/Q #6

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じり……
拳を構えたまま、円弧を描くように脚を運ぶ。

私は暗殺者(アサシン)だ。

このベルトだらけのボディスーツには、一見してわからないが、無数の暗器が仕込まれている。当然、どの武器も《風水術》によるエンハンスメント済みだ。相手が何処から打ってかかってきても返り討ちにすることができる。
近接戦闘こそ必殺の間合い。相手の懐に踏み込んで殺害する手が何十通りも瞬時に脳裏に浮かび

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R.E.T.R.O.=/Q #5

R.E.T.R.O.=/Q #5

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私は一心不乱に駆けた。

適合者を担ぎながら《跳躍》に次ぐ《跳躍》を繰り返すうち、背後で聞こえていた戦闘音が不意に静まっていることに気づいた。

何かを感じ、私は立ち止まった。

「お……降ろしてくれないか」

肩に担いでいた男が弱々しく呻いた。

前方には一際光り輝く扉。
これを抜ければ《薄明の領域》、すなわち評議員が侵入できないエリアに入ることになる。ミッションは成功する

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R.E.T.R.O.=/Q #4

R.E.T.R.O.=/Q #4

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評議員コンスタンティン神無月のパンチが衝撃波を伴い、足場ごと私達を吹き飛ばした。

エドが落下しながらバスタードソードで奴の拳を受けている。私は更に遠く飛ばされている。雪崩れ込んだ部屋には大量の書類が舞っている。

ふと、茫然とこちらを見上げる男と視線が交錯した。私は見逃さなかった。彼の姿が光を帯びていることを。頭上にその名が黄金色の文字でホロ表示されていることを。

志穂(

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R.E.T.R.O.=/Q #3

R.E.T.R.O.=/Q #3

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身体感覚が拡張され、私は暗い宙を漂う。

どこまでも果てしなく、外側へ、外側へと広がりゆく世界。
あまりの心地良さに目を閉じる。

遥か数億光年の彼方、上下前後左右の方角より、燦然と輝く光が私を照らしているのが分かる。

やがて光輝が柔らかに満ち、空間を真っ白に包み込む……。

◇◇◇◇◇

ジョン・アルバトロスは木箱の内部のような自室で目を覚ます。

彼が横たわっているのは

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R.E.T.R.O.=/Q #2

R.E.T.R.O.=/Q #2

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ズドン!

男が宙空のポータルから三点着地した。クレーター状の着地痕が生じている。
私達は踵を返して走り出す。

早い。《評議会》がこちらの動きを察知するにしては、あまりに早すぎる。これは一体どういうことだ。奴らもターゲットを捕捉、いや、抹殺する為に座標を割り出していたというのか。だがそれにしてもこのタイミングはまるで……

「あの扉だ!飛び込むぞ!」

エドが私の手を掴む。

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花の婚礼

花の婚礼

それが何年前の出来事だったか、今となっては定かではない。

僕と友人は長い休暇を利用し、遥か異国の街へと観光に来ていた。

華麗な建造物の合間を縫うように、強い日差しを照り返す石畳の坂道が、上へ下へと曲がりくねりながら、どこまでも続いている。

2頭の驢馬が、大きな果物籠のような荷台を背に乗せ、急な坂道をゆっくりと進む。
それぞれの荷台で揺られているのは、僕と友人、そして観光客一人ずつについている

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【石の街】攻防記

【石の街】攻防記

その日、大量の水が街を襲った。

呪術結界が施された強固な石の外壁が、轟音と共に押し寄せた水流によって破壊された。

外部からの攻撃だ。

やつら、とうとうここまで力をつけやがったか。自治会のおじさんがぼやいた。度重なる攻撃が段々と威力を増しているのは、僕も感じていた。

ひとしきり荒れ狂った濁流は、昼前には収まった。幸い死者は出なかったが、街中が水浸しになった。

誰しもが異変に気づいたのはその

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R.E.T.R.O.=/Q

R.E.T.R.O.=/Q

《街》にダイヴするとき、決まって全身全霊を総毛立つような感覚が駆け抜ける。

自我を除く全情報が書き換えられ、私達は指定座標に出現する。
私は耐刃レザーのボディスーツ、パートナーのエドはへんな騎士鎧の姿だ。

「なあオリー、本当にこんな場所に適合者がいると思うか?」
エドの機嫌が悪い。
「さあね、おやっさんが言うのだから確かでしょうよ」

《街》。それは無限に続く巨大な一本の通廊の形をした閉鎖系世

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