『古事記ディサイファード』第一巻019【Level 3】京都(7)
【解答 5】(4)
「金閣寺には思った通り、ぴったりの位置に例の榊雲があった。一見、寺だから無関係に見えるが、少なくとも内包された神社という共通点が見つかった。神山と貴船神社の本殿前の磐座とで二等辺三角形が出来る」
金閣寺榊雲
北緯35度02分12秒
東経135度43分52秒
貴船神社
北緯35度07分08秒
東経135度45分56秒
神山山頂 - 金閣寺榊雲
距離 4855m
神山山頂 - 貴船神社
距離 4858m
貴船神社 - 金閣寺榊雲
距離 9647m
「誤差三メートル……」
「さらに、下鴨神社の降臨石もほぼ同じ距離なんだ」
下鴨降臨石
北緯35度02分08秒
東経135度46分31秒
神山山頂 - 下鴨降臨石
距離 4894m
「これはちょっと誤差が大きいわね。三十六メートル」
「そうだね。降臨石から北西に三十六メートルの位置に何かあるのかも知れない」
「いずれにしても下鴨神社の境内だわ。そのあたりだと森か、或いは庭か……」
「実は、この場合、金閣寺の舎利殿そのものならば下鴨の降臨石までの距離とぴったりになるんだ。意外と榊雲じゃなくて、あの金閣こそが定点なのかも知れない」
「ちょっと待って……ということは当然、神山ー下鴨神社ー貴船神社も二等辺三角形ってことだよね」
「そして、御蔭神社と河合神社だ」
御蔭神社
北緯35度03分34秒
東経135度48分33秒
河合旧鳥居
北緯35度01分52秒
東経135度46分29秒
神山山頂 - 御蔭神社
距離 5346m
神山山頂 - 河合神社旧鳥居
距離 5332m
御蔭神社 - 河合神社旧鳥居
距離 4444m
「誤差は十四メートル。ただし、これは河合神社の旧鳥居の所をポイントにしたので恣意的と言われても仕方がない。平安時代の社領図を見ると河合神社にはもともと正面にも鳥居があったことがわかる。御蔭神社も元は北東のふもとにあったというから数十メートル移動している。だから、これに関してはあまり正確なことは言えない。御蔭神社の元の正確な位置がわかればいいんだが……」
「いずれにしても、殆ど二等辺三角形ね。神山を頂点とする二等辺三角形がこんなに出来るなんて……」
(つづく)
※ 最初から順を追って読まないと内容が理解できないと思います。途中から入られた方は『古事記デイサイファード』第一巻001からお読みいただくことをお薦めいたします。
※ 本記事の内容の第三者への無断公開、無断転載を固くお断りいたします。場合によっては法的な措置をとらせていただきますのでご注意ください。