【ビジネス書を読む時間がない若手金融会社員・就活生向け!】銀行営業における新規営業(融資等)のポイント(3/3)
銀行営業における新規営業(融資等)のポイント
融資に関する法人営業は、大きく①既存取引先の取引深耕と、②新規先の開拓に分けることができます
若手(特に営業1,2年目)は優良(取引深耕しがいのある)先を担当することは難しいため、新規先の開拓で実績を上げることが重要になってきます
本日からは、新規営業(主に融資営業となります)のポイントとして、以下についてお話したいと思います
新規先初回面談に向けた準備
面談での会話内容
次回へのアクション
本日は、「次回へのアクション」についてです
3. 次回へのアクション
前回、面談での会話内容について記載しました。今回は、面談にて融資ニーズが確認できた場合の、検討進め方について記載します
融資ニーズ把握から融資実行までの流れについては、概ね以下となります
面談時は、以下の流れを念頭に置きながら、「いつまでに誰が何をどうやってするのか」を認識合わせしていきます
融資ニーズの確認
決算書、事業計画の受領
上記の分析
融資ニーズの具体的な確認(売り込み含む)
稟議作成、社内決裁
融資実行
モニタリング
1. 融資ニーズの確認
前回記載していますが、先ずはニーズ有無を確認します
具体的な金額感や資金使途まで把握できているとベターです
但し、決算書を分析してみないと実際に融資できるか判断が付かないので、その点は留意が必要です
2. 決算書、事業計画の受領
補足説明は特にありません
お客様によっては秘密保持契約締結を求められますが、銀行は基本的に秘密保持を大前提としているため、締結しないケースが多いです
3. 決算書、事業計画の分析
与信審査、与信判断と呼ばれる領域です
多くの銀行ではシステムに決算書を読み込ませると貸出可能額等が自動的に算出される理解をしています
システムが処理してくれますが、自分自身でも決算書の内容を確認し、会社の財務状態を理解しておくことが重要です
この点については、別途ピックアップの上、ポイントを整理したいと考えています
4. 融資ニーズの具体的な確認(売り込み含む)
決算書を分析すると、凡そお客様への貸出可能額、金利、期間等の条件が確定します
改めて、お客様とアポイントを取得の上、融資ニーズを具体的に確認します(資金使途(運転資金か、設備資金か等)、金額、金利等)
お客様の希望が銀行としての貸出可能額の範囲内であれば、社内手続きを進めていくこととなります
乖離があれば、銀行の考え方を説明の上、落としどころを探ります
お客様から、「やっぱり現時点では融資は不要」「他行の方が金利が安いから、今回は別で借りる」等お断りされるケースもあります
そもそも融資が不要という場合は、本当に不要なのか、という観点で、お客様のビジネスと手元現預金保有の必要性を再確認していきます。再確認をすることで潜在ニーズが掘り起こされる可能性もあります
他行の方が金利が安い場合は、当行レートをさらに下げて提案したいところですが、金利競争になると収益性に問題が生まれますし、さらに他行が金利を下げてきたときに対抗できなくなってしまいます
私は、他にできることはないかという観点で、決済関係や営業支援(お客様紹介)、採用支援(人材コンサル会社紹介)等を包括的に提案していました
お客様の役に立つことで、「金利が多少高くても是非君の銀行から借りたい」という言葉をいただくケースもありました
5. 稟議作成、社内決裁
お客様と条件を認識合わせできたら、続いて社内決裁手続きを行います
記載事項は以下がメインとなります
①会社概要:
会社の概況を記載します②財務分析結果:
財務分析結果を記載します(貸したお金が戻ってくるか、の検証結果です)③事業計画:
今後どのような事業構想を考えているのか明確にします
その際、お客様が市場で生き残ることができる強みを明確にしておくことが重要です④資金使途:
融資した資金をどのように使用するのか記載します。案件によっては、資金流出確認(銀行が指定した仕入れ伝票の精算に充当等)を行うこととなります⑤融資の条件:
金額、金利、期間、担保等を記載します⑥取引状況、収益性:
融資をすることで、銀行として収益をどのくらい上げられることとなるのか、記載します
(金利が低すぎると、信用コストが上回り赤字となってしまうケースもあります)
6. 融資実行
稟議決裁後お客様と最終合意の上、契約を締結します
契約書で定められた融資実行日に融資を行います
7. モニタリング
返済までの間、お客様のビジネス、財務状況に変化がないかモニタリングを行います
年に1回財務諸表を提出いただきますが、毎月試算表を徴求し確認することがベストです
融資を行うことで、お客様との付き合いは少なくとも数年以上に亘ることとなるため、融資実行後も経営陣との面談を重ね追加提案や財務状況悪化時の対応策や実施状況の管理等を行っていきます
本日は、新規面談における「次回へのアクション」について記載しました
次回は、「銀行が提供可能なサービス」について記載予定です
お楽しみに!
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