スコットランド最北のシティ インヴァネスへ 市内散策編
楽しみにしていたことというのは、誰もが知っているアインシュタインの相対性理論の如く、あっという間に終わってしまうものだ。私はスコットランド縦断の鉄道の旅を終え、無事インヴァネス(Inverness)に到着した。
ロックローモンド(Loch Lomond)からインヴァネスへの移動を鉄道にした経緯 -
インヴァネスへの鉄道の旅 -
インヴァネスは、地球上で私が訪れた最北の地にもなる。一体どんなところなのだろう。空模様は相変わらず曇りだが、どれくらい寒いのだろう。
スコットランド入りして7日目、イギリス生活にかなり慣れてきていたこともあり(イギリス入りして丸3ヶ月が経とうとしていた)未知の街への不安は皆無で、私は内なる好奇心を抱えながら下車し駅に降り立った。
インヴァネスは想像以上に小さな街だった。
私の郷里は北陸・石川県の人口数万人の某市、私は第二次ベビーブームのすぐ後の生まれで、当時は田舎とは言え子どもの数もそれなりにあり、そこまで "田舎" ということは感じずに育った。しかし今では過疎が急速に進む地域で、そして冬は特に、暗い。到着時のインヴァネスではグレーな空模様も加担して、人とぶつかることを気にする必要のない街の静けさに、私はしばし自分の郷里を思い出した。
ロックローモンド訪問時の宿地グリーノック(Greenock)も田舎とはいえ滞在時はお天気に恵まれ、また視界には常に水辺があったからか、水辺の "青さ" が目に眩しく、そこまで閑散とした雰囲気は感じられなかった。しかしインヴァネスの市街地は手に取るようにコンパクトで人も少なく、何か懐かしさのようなものを思い起こさせた。
私は早速宿にチェックインし、荷物を置くと夕食を求め街を散策することにした。
お天気も悪く人も少ない。これはまるで私の郷里北陸のようではないか。デジャヴとはいかないまでも、この街の静けさに郷愁を感じつつ、いつものスーパーマーケットTesco(テスコ)で食料を調達し、軽い散策を終えて宿に戻った。
一方で、私はインヴァネスではいわゆるホステルに滞在したのだが、イギリスでいくつか泊ったホステルの中でも新しくきれいで設備も充実しており、スタッフも親切で、夕食時は他の宿泊客とも話しながら楽しく過ごした。ベッドは個室でないタイプを選んだが客層もよく、しっかり休むことができた。小さな街の中で、この宿は先進的な雰囲気だった。
Black Isle Hostel
https://www.blackislebrewery.com/accommodation/black-isle-hostel/
47-49, Academy St, Inverness
IV1 1LP, United Kingdom
明日はあのネス湖へのクルージングに向かう。私が幼い頃話題になったあのネッシーのネス湖である。ロックローモンドとは違う意味で、ついにあのネス湖へ来たのかと、私はまた小さな興奮を胸に早々に眠りに就いた(続く)。
※ 挿入されている写真及び画像、動画コンテンツはすべて筆者によるものです。また、施設等の情報は、当記事執筆時点(2022年5月)のものとなります。
(Inverness 29 Jun 2019)