お誕生日はお子さまランチで。
久しぶりに友人のお宅におじゃますることになりました。ちょうど友人のお子さまのお誕生日が近いある日のことです。
その日はおうちでいろいろ料理を作ってお誕生日をお祝いして、おとなたちはゆっくりワインでも飲みましょうという話になりました。
🍽おとなたちの打ち合わせ
「何作りましょうね」
「お誕生日祝いだから、やっぱり好きなものをいっぱい作ってあげたいですよね」
「ちょっと訊いておきますね」
と、主役のごちそうは返事待ちに。その間におとなたちはワインのおつまみの打ち合わせです。
「赤があるから、メインはそれにあわせてお肉でも焼きますかね」
「前菜は白ワインに合わせて、季節の野菜もいいですね」
🍽大好物の大行列
そんなやりとりをしていたら、送られてきた1枚の画像。友人のお子さんからのメッセージです。
こーんすーぷと
うんうん。コーンスープと?
んかつえびふらい
ぽてとちゃーはん
にんじんぐらっせは
やしらいすころっけみー
とぼーる
ふっ…ふっかつのじゅもん!?
いえいえ。ひらがなで書いてくれた1枚には大好物が大行列。
こーんすーぷ
とんかつ
えびふらい
ぽてと
ちゃーはん
にんじんぐらっせ
はやしらいす
ころっけ
みーとぼーる
OK。読めましたよ。よーし。腕がなります。
すると、友人からもう1枚。
「こんなお皿に盛り付けたらどうでしょう」
🍽メニューへのアプローチ
メニューを考えるのには、いろんなアプローチがあります。たとえばいま冷蔵庫にある材料で何が作れるかなというのもそうですし、最初にメインを決めて、それをベースにバランスのとれる付け合わせや前菜を考える方法もひとつのスタイルです。前者は材料、後者はメイン料理をキーにしたアプローチです。
そして食器もそんなキーのひとつ。お皿の色や形、複数のお皿の組み合わせを見ていると、盛り付けたときのバランスが浮かんできます。友人の送ってくれた画像は、大きなヒントです。
さらに今回はお子さまのリクエストもあるので、メニューの組み立てはすいすい進みました。頭の中に浮かんだら、それを目に見える形にしてみます。
お皿の写真とリクエストを見比べつつ、バランスを考えたらこんな感じに。
いいですね。これはまさにお子さまランチのようです。
🍽バースデーお子さまランチ
まずスープカップにコーンスープ。これはすんなり採用。それからミートボールをグラタン皿にソースたっぷりで盛り付けて野菜を添えるとバランスがよさそうです。
メインのプレートはごはんとおかずを盛りつけるのにいい形。まずはチャーハンをどどーん。リクエストの中にチャーハンとハヤシライスというふたつのごはんものがありましたが、ほかのメニューを見つつ考えると、ハヤシライスは味付けなどミートボールに近い部分もあるので、チャーハン採用です。
そしてメインプレートのおかずコーナーには、フライものリクエスト3種の中から、コロッケとエビフライをチョイス。ポテトのリクエストをコロッケに集約して、お肉はミートボールで使うので、とんかつはまたの機会に。唯一のシーフードメニューのエビフライを合わせることにしました。
付け合わせには、リクエストのにんじんのグラッセ、そこにブロッコリで彩りを添える。これでどうでしょう。バースデーお子さまランチのメニュー確定です。
では作っていきましょう。なんだかわくわくします。
🍽では作ります
📖コーンポタージュ
まずはコンポタ。
洋食のスープというと、コンソメも人気ですが、子どもの頃嬉しかったのはやっぱりコーンスープですよね。甘くて濃厚で、絶対好きなやつです。
コンポタの詳しいレシピはこちらでどうぞ。
📖ミートボールとにんじんのグラッセ
続いてミートボール。
ミートボールとハンバーグって、基本的には形が違うだけだと思うのですが、ころころひと口サイズのせいか、小さいお子さんにはやっぱりこっちかなと思います。
スケッチの時点では、付け合わせがサラダになっていましたが、煮込んだソースを添えるので、生野菜よりグラッセかなと考え直して、当初フライの隣に添えるつもりだったグラッセの出番をこちらに変更しました。
ふだんはタネをまとめて丸めたあと、煮込む前に片栗粉をまぶして揚げることが多いのですが、今回は少しでもやわらかく仕上げたかったので、下揚げではなく茹でてみました。
片栗粉でコーティングして加熱してから煮込むことで、崩れにくく、表面もなめらかできれいに仕上がります。ちょっとしたひと手間ですが、おすすめのワンポイントです。
ミートボールの詳しいレシピはこちらの記事で紹介しています。
📖ミックスフライとチャーハン、サラダ添え
さあ、あとはメインのチャーハン&ミックスフライ。
ここで友人からひとつ大きな情報が入りました。
ふむふむ。外食したときにお子さまが、大根とにんじんの千切りサラダを喜んでいたそうな。よし、今回のサラダ決定ですね。
さっそく千切りにした大根と、にんじんを水にさらします。
にんじんって、自分が子どもの頃はピーマン、しいたけと並んで、小さな子が食べない野菜だったような気がしますが、いまのにんじんはみずみずしくて甘みも強くなっているのかもしれないですね。色もきれいだし、子どもに人気のある野菜になっているのかも。
付け合わせの準備ができたら、いよいよ揚げ物です。
コロッケはしっかり下味をつけた玉ねぎとひき肉をじゃがいもに混ぜてタネを作ります。
形は主役のチョイスで俵型になりました。自分にとっては実家のコロッケとおなじ、懐かしい形でもあります。
コロッケはトケイヤkitchenの中でも、人気の定番だったりします。
そしてエビフライも準備。今回は盛り付けのときにちょっとやってみたいことがあるので、エビがまっすぐに揚がるように下ごしらえをしてあります。その方法はいずれまた、詳しく記事にしたいと思います。
揚げるときは高めの温度で、表面をカリッと仕上げます。
コロッケのタネは加熱してあるし、エビも火通りがいい素材なので、衣をきつね色に仕上げることを目指せばバッチリです。
チャーハンはスープに使ったコーンに、ミートボールとコロッケにも使ったひき肉、玉ねぎ、にんじんに卵で彩りよく仕上げました。たくさんの種類の料理を作るときは、素材の兼用を意識すると、無駄が減っていいですね。ちょっと地球にやさしいかなと思ったりもします。
🍽ハッピーバースデーの気持ちを込めて
さあ、役者はそろった。いよいよお子さまランチの構築です。
どうでしょう。いい感じじゃないでしょうか。
ちなみにエビフライをまっすぐに揚げて何をしたかったかというと、コロッケを横たえた上に斜めに立てかけるようなこの盛り付け。これがやりたかったんです。
そびえ立つエビ。その尻尾はまるで空に向けて差し伸べた手のようです。なんだかスケールが大きくなった気がします。こういうのって自分が憧れた盛り付けなんですよね。
ハッピーバースデーの気持ちを込めて作ったお子さまランチ。けっこう豪華に仕上がった気がします。
🍽おまけ~おとなたちの乾杯
そしてこの日の大人のお楽しみは、お子さまランチのおかずたちで飲むワイン。
お弁当を作った日って、お弁当箱に詰め切れなかったおかずのおかげで、朝ごはんが豪華になったりしますよね。ちょっとそんな感じかも。
大人用サラダには緑をプラス。
ミートボールも、もりもり盛りだくさん。
エビフライ用にタルタルソースも添えました。もちろん手作りです。
そして赤ワインに合わせて、大人のスペシャルメニュー。
友人の用意してくれた、A5ランクのお肉を焼きます。
さらにフォアグラをポワレに。これを盛り合わせます。
りんごジュースと、赤ワインがベースのソースを添えました。
お肉を焼くのって難しい気がしていた時期もありましたが、何度も焼くうちにコツが掴めて、いまではけっこう得意な気がしています。
いいお肉に合わせて、ワインもちょっと奮発。お子さまランチのお相伴にあずかった、大人のワインおつまみ。美味しくいただきました。
もちろん主役はお誕生日おめでとうのお子さまで、この日のメインディッシュはお子さまランチ。
リクエストメニューを並べた記念日の食卓、喜んでもらえてたら嬉しいですね。
Happy Birthday!