シシリアンのアタマは美味しい。
突然ですがメニューに“〇〇のアタマ”って書いてあったらなんだと思いますか。
🍚アタマというメニュー名
ずいぶん昔の話ですが、定食屋さんのお品書きでアタマライスというメニューを見て、なにそれと思ったのですが、隣に“カツ丼のアタマ”というメニューがあって理解しました。
アタマというのは、すなわちカツ丼のごはんの上に載っている部分。上に載っているからその名もアタマで、つまるところはカツ煮の単品。それをごはんの上に載せたらもちろんカツ丼。そしてカツ煮をお皿に入れて、ごはんを別にして添えたものがアタマライスということでした。要はカツ煮定食ですね。
🍚できそうでできないアタマもある
このアタマ方式ってなかなかいいなと思ってまして、ライスものの人気メニューを食べたいけど、おなかの空き具合がそれほどガッツリ気分じゃないときとか、ビールを飲みたいからおつまみにしたいなというときとか、まさにカツ丼のアタマは活躍しそうです。
そうなるといろいろなアタマがありそうですが、思い浮かべてみるとあることに気付きます。なんでもアタマになるわけじゃないんだなと。
たとえばトルコライス。
これはピラフとパスタとポークカツが合わさってこそトルコライスなのであって、そのアタマを取り出すと単なるトンカツになってしまいます。
ソースカツ丼もそうですよね。
カツだけでなくキャベツもアタマとして取り出すと、ますますトンカツ単品になってしまって、“ソースカツ丼のアタマ”という呼び名はあえて必要ないという気がします。
それから帯広の豚丼。
これはポークソテーですかね。
カツ丼の上に載るカツの卵とじも、カツ煮という料理ではありますが、トンカツにひと手間加えてるおかげで別の料理になってる気がしますし、カツ煮の場合、単品より丼のほうがメジャーというところにポイントがありそうです。
つまりカツ丼はカツ丼という料理ありき。そのアタマがカツ煮という単品。その逆にトルコライスはピラフとパスタにトンカツという単品を組み合わせて生まれた合体メニューという具合ではないでしょうか。
🍚このアタマはいけそうだ
そんな中でご当地グルメを調べていたときに、気になっていたひと品が思い出されました。
それがこちら。
佐賀県のシシリアンライスです。
ライスの上にたっぷりの生野菜と定食屋さんのランチなんかで見かける焼肉的な料理をのせたひと品。シシリアンのシシリアはイタリアのシチリアのことのようですが、詳細は今も謎に包まれたままというのもなんだかそそられますね。
これはアタマだけでも、おかず系サラダ的な感じでおつまみメニューとして魅力的。かつ、アタマ単品よりライスのほうがメジャーではないでしょうか。
というわけで、今回のご当地グルメアレンジ再現はシシリアンライス…のアタマです。
本場のかたからはライスに載せてこそ、とお𠮟りをいただきそうですが、そこはアレンジ再現なので大目に見ていただけると嬉しいです。
🥩アタマ・オブ・ザ・シシリアン
🥄材料(1皿分)
・牛こま肉
・玉ねぎ
・自家製タレ
・コチュジャン
・ロメインレタス
・ミニトマト
・コーン缶
・こしょう
・マヨネーズ
牛肉と自家製の万能ダレ、コチュジャンをボウルに入れます。
万能ダレのレシピはこちら。
けっこういろいろ使えて便利なので、よかったらぜひお試しください。
よく和えたら冷蔵庫で30分ほど味をなじませます。
生野菜のメインになるレタスは、ふつうのものやサニーレタス、サラダ菜などでもOKですが、今回はたまたま100円で見つけたロメインレタスにしました。
しゃっきしゃきの食感がいいんですよね。
ふだんレタスは手でちぎりますが、ロメインレタスはけっこう歯ごたえがあるので、食べやすいように3ミリ幅くらいに細切りにしておきました。ミニトマトは半割です。
薄切りにした玉ねぎを炒めます。
しんなりしてきたら牛肉を漬け込んだタレごと加えます。
お肉の色が変わったらこしょうをたっぷりと。
お皿にロメインレタスを広げます。
その上から炒めたお肉をどどーん。焼汁も逃さずに。
ミニトマトとコーンを彩りよく散らします。
最後にマヨネーズを格子状にトッピングしました。醤油ベースの味付けとマヨネーズの組み合わせ、完璧です。
ライスなしでも生野菜たっぷりなので、サラダ仕立てのひと皿としてばっちりです。こういうおかずサラダってありますよね。シシリアンのアタマは、名付けるなら、焼肉サラダというような感じでおつまみにぴったりでした。
もちろんこれをライスに載っければシシリアンライス。水切りしたお豆腐に載せても絶対美味しい“アタマ”です。
🍚で結局なぜシシリア
ところでシシリアンという名前。シシリアはイタリアのシシリア島のことだけど、その理由はよくわからないとのことでした。が、いざ作って盛り付けた姿を見ていてふと思ったことがあります。
トマトの赤、レタスの緑、そして本来その下にあるはずのライスの白。まさにイタリア国旗の3色ではないでしょうか。
このカラーリングこそネーミングの由来ではと思いました…が、その名前が国名そのもののイタリアンライスではないということは、国旗の色は名前に直結していないような気もします。やっぱり謎は謎のままです。
でもいいですよね。美味しくて、そしてご当地グルメとして地元のかたにも、旅で訪れた人にも愛されているんですから。
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