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【オススメ小説】これぞ叙述トリック「葉桜の季節に君を想うということ」

おススメの小説はないかなとネットサーフィンしていると、大体名前が挙げられている本書「葉桜の季節に君を想うということ」(歌野晶午 著)。

Audibleにて聴くことができます。

2004年に、このミステリーがすごい本格ミステリベスト10、などで第1位になるなど、この年の賞を総ナメしたほどの作品。出版社の帯には、”最後の最後の1行までこの作品はあなたを騙し続ける。”と書かれています。

この言葉からわかるように、叙述トリックの物語です。最初に、これでもかと念を押されても、しっかり最後まで騙しとおされるほど、きれいに組み立てられていました。文章で作り上げるからこそできる手法。小説だからこその物語というのが、またいいですね。

たしかに、一度物語を読み終わったあとに、もう一度ネタバレした状態で読んでしまうのも納得のクオリティです。一度読み終わったあとに、2回目を読むと、全く違う印象となる作品。

せっかくなので、感想を書こうと思うものの、どこまで書いてもいいのか……。どこを切り取ろうとしてもネタバレにつながりそうな要素満載。


〇ざっくりストーリー

主人公の成瀬は、パソコン講師・ガードマンなど、何でも屋のような働き方を生業とする男性。ジムで身体を鍛えたり、数多くの女性との関係を持ったりと、典型的なハードボイルド主人公。

そんなある日、後輩のキヨシと、久高愛子という知人女性のおじいさんが亡くなったことを聞いてから物語を始まっていく。蓬莱倶楽部という高齢者をターゲットとした詐欺グループの内偵をしたり、自殺しようとした女性を助けたり、別々のように思われる出来事一つ一つが、物語の進行とともにつながっていく。

自称元探偵の主人公が事件の真相を暴いていくというストーリー。

〇終盤ですべてが変わる

冒頭でも書いたように、終盤で物語の進行スピードが上がっていきます。主人公とさくらの関係や、詐欺グループとのやりとりがあって面白いのですが、最後の種明かしでさらに興味を惹かれます。

まぁ、叙述トリックとはそういうものですけどね。

読了しての感想としては、きれいに作りこまれていたな、たしかに2回目を読んでみると、こんなところにヒントが盛り込まれていたのか、と答え合わせのような感じで楽しく読めます。

最後まで読者を欺きつづけ、ところどころにヒントを入れながら、最後の最後までばれないように表現していくのは、さすがプロ。叙述トリック系の作品を読んだとき、ダマされた!という思いよりも、キレイにつくられていたなという感心させられる思いの方を強く感じます……。


いろいろ書きたいところですが、少しでも掘ってしまうと、ネタバレになりかねないので、表面だけさわっての感想で終わりたいと思います。今から20年前の作品ではありますが、そこまで昔といった印象は受けません。まさに名作は色あせない。

これだけ有名な作品なら読んだことのある方が多いと思いますが、ミステリー好き、叙述トリック好きな人はぜひどうぞ。タイトルの意味も、最後の最後まで読んでみるとわかるようになっています。ダマされる気持ちよさを体感してください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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