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記事一覧

ムスメと祖父②

ムスメと祖父②

お盆期間中、数日であったが実家へ帰省した。
実家の近所に祖父もいるので、また娘を連れて会いに行けた。

実は祖父、左側が少し麻痺している。
なので娘が抱っこをせがむと私が補助をして祖父の膝へ乗せていた。
というのも、祖父が既に小さい脳梗塞を何度か経ていたらしい。
通りで、左手や左足が覚束無い訳だと納得した中で……
今回、10kgになった娘をよっこいしょと言いながら、抱っこをして自分の膝に乗せていた

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些細な記憶

最近、ひたすら『おかあさんといっしょ ファミリーコンサート』を流しまくっている我が家。
(他にもミュージカルとかディズニーとか流すけど)
昔と違い、ボタンひとつで色んな時代のモノを流せるって凄いなぁ!と、しみじみ感心してしまう。

同じ歳の旦那氏へ『これ、流れてたよね!』と言っても伝わらないことが半分くらいあるけれど、まぁ人の記憶なんてそんなモン!と割り切り中。
(でも、義母は懐かしいって反応して

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お手紙攻撃

お手紙攻撃

また今日も、持ってきてくれたの?

飽きもせず、よく書けるね、と。
ありがとう、と呆れず受け取る小さな手紙。
本当なら、私たちと進級予定だったやぐちゃん(れっきとした先生の渾名)は、先輩たちの学年の担当になっていた。
だから、数日に一度、私は職員室かやぐちゃんのいる学年の廊下で手紙を渡すことにした。

教科担当も外れ、学年も違うとなれば、もう接点は無く廊下で運良くすれ違えば挨拶する程度。
きっと普

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祖父の隣

祖父の隣

2週間ぶり、実家へ。
つまりは、祖父母の家へ行くこととなった。
目的は、喪服の受け取り。母がまとめてクリーニング出すからと私の分も回収されたから。

祖母の葬儀から、もう2週間も経ったことがまだ実感としてない。連日、祖父のアシスタントとして隣にいたことさえ、夢だった感覚になる。
そのせいか、家に着いて、手を合わせるも、やっぱりまた「お姉ちゃん、来たの?」って出迎えてくれる気がして仕方ない。
(祖父

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100th birthday

篤さんへ
今日は、会ったことは無い父方の祖父、あなたの誕生日ですね。
生きていたら、丁度100歳だったこと、関東大震災の年に生まれた、と聞いたのもここ数年のことで……それくらい、父が祖父のことを話してくれなかったのも、何となく遠い存在に感じる理由なのかもしれないです。
だから、会ったことは無いけれど、父の味方でいてくれてありがとう。きっと、あなたが背中をおしてくれなかったら、母とも出会えず、私たち

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初産

初産

2022年師走
予定より少し?かなり早くムスメが産まれました。
里帰りして2日目…なんてタイミングのいい子なの?!と笑ってしまいました。

夜中3時か4時くらいに破水をして(あ、本当に滝だと思いながら御手洗まで水浸し)、隣で寝ていた母を起こし、冷静に病院へ電話をしていた……
本当に初産?ってくらい、淡々としてました、自分。(夜勤の看護師さんの方がパニクってたレベル)

産院までは徒歩5分だけど、歩

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実家帰省と雛人形

実家帰省と雛人形

予定通り、父の帰宅に合わせて実家帰省しました。
ひと月ぶりの孫に、目尻の垂れ具合が凄い父母。
2人目の孫の割に、溺愛してくれてるなぁと、しみじみ。(ノ∀`笑)
基本、抱っこの状態なのに、私は実家滞在中……8時間ほどいましたが、ほぼ、ムスメ抱っこせずでした。笑
父▶︎母▶︎父▶︎妹夫婦▶︎旦那さん▶︎父。
待て待て、どんだけルンルンなの?父よ。

単身赴任して20年の父、子煩悩なのは知っていたから、

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私が私でいる仕事場

私が私でいる仕事場

今の仕事に就こう、という感覚はなかった。
私としては、今の職場で働きたいが強かった結果、今の仕事につながった感じだからだ。

元々、教員志望で大学をして教職課程も進めて…そんな中で「今の教育現場を見たい」という思いに駆られて、アルバイトをしてみようと考えた。
紆余曲折あり(むしろ、一旦はNGくらったけど、OKもらえて)働くことになったことは、今考えても、よく行動したと思う。

アルバイト時代は固定

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繋がり続く、こと

オトコに憧れた日のこと。
随分と懐かしい、小学生の頃の私。
それは、性別に囚われない関わりの出来た時代の影響か、何も考えず居られた時間の狭間の所為か。
今でも、あのグループに受け入れられた日々を、大切にはしている。
きっと、そのお陰で、私は今も気の置けない人たちと居られるから…振り返れるのかもしれない。

気付けば、女の子が集まる場所を避けた。
幼稚園の頃は、大丈夫だった女子特有の輪も、仲のいい友

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本は悪友

本が友達だった訳じゃない。
私にとって、本は現実逃避の手段でしかなくて、だから、何処か趣味である一方で罪悪感を伴うんだろうね。

シャーロック・ホームズ
『緋色の研究』、『空き家の冒険』

少年探偵団シリーズ
『怪人二十面相』、『少年探偵団』、『黄金塔』

司馬遼太郎の歴史小説
『関ケ原』、『竜馬がゆく』、『最後の将軍』

夢水清志郎シリーズ
『亡霊は夜歩く』

パスワードシリ

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私の強み

‪高校時代は、とにかく人の傷みに触れるたびに堕ちていた。‬
友人の些細な相談も、自分事に抱え込み消化しきれず考えがグルグル巡る。
眠れなくなり、起き上がれなくなり、気付けばベッドで過ごす日々が多くなっていた。

どうやって、そこから脱却したのか。
今となっては、曖昧で風化しているから、抜け殻を探すことは辞めた。

ただ、その頃から変わらない…私は誰かに寄り添いたい。
偽善と鼻で笑われようと

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