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オーバーホールついでにケーブル類フル内装化の大改造!■2023年02月07日更新
広島県広島市にある『動く』自転車屋【サイクルサービストグト】のnoteをご覧いただきありがとうございます。
『快適長持ち系自転車安全整備士』ノーリー(店長)です。
■目指すはプロ選手と同じ機材
ツール・ド・フランスを筆頭に長時間、過酷な戦いが繰り広げられるプロのサイクルロードレース。
欧米人が多く活躍している世界ですが、日本人選手も活躍しています。
そういえば【MERIDA】(メリダ)から新城幸也選手のスペシャルペイントバイクが公開されたのも記憶に新しい出来事ですね。
バーレーン・ヴィクトリアス (Bahrain Victorious) は、バーレーン国籍の自転車競技・ロードレースチームであり、そこに新城選手が在籍しています。
今回はバーレーン・マクラーレン時代のリアクトTEAM-Eの仕様を理想とするユーザーさんからのオーバーホール&カスタマイズご依頼の記録です。
■深刻な品薄問題
理想はあるものの、モノが無いとどうしようもありません。
昨今の新型ウィルスや戦争等、あらゆる出来事の影響は自転車業界にも多大な影響を与えました。
今の時点で入手可能なもの、なおかつ理想に近い仕様のものをピックアップし、それからカタチにしていきます。
■ビフォー・アフター
過去記事に分散させたりもしたのでいろいろ省略していますが、ビフォーアフターを一部ご紹介しましょう。
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当店でお預かりした当初は↑です。
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当店での作業後↑のようになりました。
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別の角度からです。
ホイールも変わったので迫力も違います。
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ホイールのリムハイトはディープではありませんでした。
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リアも同様です。
それがホイール交換によってこうなります↓
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【VISION】(ヴィジョン) WHset TC55 DB-CL CH-TL SH11を採用しています。
横風には少々弱くなりますが、平坦の巡航速度は格段に上がります。
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性能には関係無い部分ですが、ブレーキローターのロゴの位置が前後でバラバラなのはヴィジュアル的に気になるところです。
ブレーキダストも溜まっていました。
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ブレーキローターはセンターロックタイプなので、バルブに対してブレーキローターのロゴの位置を前後で統一しました。
※ただし性能は変わりません。
ブレーキ本体もしっかりと洗浄済みです。
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ハンドルまわりも大きく変わりました。
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ハンドルバーからステムまではケーブル類が露出していたのが…
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ハンドルまわりではケーブル類が一切見えません。
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ケーブル類フル内装化は無事に成功です。
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ハンドルバーのエンドプラグ(キャップ)が取れてしまっています。
よくあることですね。
ハンドルを交換するときにはバーテープも一緒に交換するようになります。
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あらゆるケーブルルーティングに対応したハンドル、【VISION】(ヴィジョン)METRON AERO HB ACR 42cmを採用しています。
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洗車する時や雨天走行時に等に水が入り込むのをできるだけ防ぐため、余分な穴は塞いでおきました。
■作業の様子
写真を撮るのを忘れていたり、両手がふさがっていて撮れなかったりもしましたが、作業の様子も一部ご紹介します。
まずは分解していきます。
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ブレーキホースを慎重にレバーから抜き取ります。
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ホースは再利用するので、必要最小限でコネクト部分をカットしなければなりません。
これでもホース長が足りなくなった場合はホース交換になります。
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オリーブとコネクターインサート。
今回は銀色のコネクターインサートを使います。
ロード系とマウンテン系とで分かれるところです。
ホースに適合したコネクターインサートを使わなければなりません。
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シフトアウターケーブルは途中でカットされていました。
メーカーさんによるものか、初期組立を担当した販売店さんによるものかは不明ですが、良かれと思ってこうしたのかもしれません。
今回のケーブル類フル内装カスタムでは、このままアウターケーブルを使うことができないのでケーブルも交換します。
オーバーホールと同時に大がかりなカスタマイズをするので、工賃はとてもお得です。
別々でこの作業をするとなると、工賃も高額になってしまいます。
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もともとはステムの下部をケーブル類が通り、カバーで覆われていました。
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ステムは【FSA】(エフエスエー) ST ROAD NS SMR alloyが使われています。
ステムからヘッドチューブへケーブル類を通すフレームの場合、これを使えば間違い無いと言われるステムです。
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良く出来たシステムですが、所々にバリが残っていました。
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内通タイプはただでさえケーブル類に負荷がかかります。
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微々たるものですが、ブレーキホースやシフトアウターケーブルを長持ちさせるためにも、下処理をしておきましょう。
↑の記事でも紹介しましたが、その作業の様子がこちらです。
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フォークコラムからフォークブレードへブレーキホースが通ります。
ヘッドベアリングは予め洗浄し、グリスアップも済んだものを装着してからホースを通します。
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完全に分解し、洗浄と必要に応じてグリスアップも行います。
オーバーホールですからね。
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フォークを組み付けつつ、各種ケーブル類を通します。
手順を失敗するとまた通し直さなければならないので慎重に進めなければなりません。
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ステムの内部からハンドルバーの内部をダイレクトにケーブル類が通ります。
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ケーブル類フル内装式(内通タイプ)は油圧式ディスクブレーキ&電動コンポの組み合わせで組む前提なので、穴が狭いんですよね。
エレクトリックワイヤー(電線、コード)は細くて柔軟性があるので組みやすいですが、機械式のシフトアウターケーブルは太くて固いため、穴を通すのに苦労します。
自転車のトンネル工事も楽ではありません。
それでも、この狭いトンネルの先にはお客さんの笑顔が待っている!
そう信じて地道な作業を続けます。
そしてついに全てのケーブル類がきちんと繋がりました。
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ユーザーさんこだわりのドライブトレイン(駆動系)です。
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これまた特殊な構造のパーツですが、当店なら問題無しです↓
ブレーキのエア抜き作業を入念に行い、変速調整も突き詰めたらいよいよ作業も大詰めです。
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ハンドルバーの余分な穴は塞ぎたいものです。
水やホコリが無駄に入り込んで良いことはありません。
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ハンドルバーに付属していたゴムキャップ、通称『グロメット』です。
そういえばこの部品の名称がわからなくて困っていたユーザーさんも少なくありません。
ゴムなので劣化するし、そうなると交換も必要です。
「ケーブルの端に付いてるキャップ」
だと別の物を指します。
「ケーブルのガイド」
と言うと、これまた別の物を指します。
ケーブル類がフレーム内部を通る車体に使われるこのゴムキャップ、『グロメット』は知っておくと便利な用語です。
ちなみに穴有りタイプと穴無しタイプがあり、穴有りタイプも穴の数が異なります。
グロメット自体の形状も様々なので注意が必要ですが、サイクルサービストグトをご利用の場合は知らなくても大丈夫なのでご安心下さい。
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さて、付属のグロメットは全て2穴タイプで、どうやっても穴を塞ぎきれません。
そこで余っていたバーテープの化粧テープを切って貼ることで解決しました。
素材によってはすぐに剥がれるので注意が必要です。
今回はグロメットを脱脂して、粘着力が高い化粧テープを採用しました。
■当店でのオーバーホール特典
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使えば小傷やスレ等は発生します。
愛車と過ごした歴史がこうやってフレーム等に刻まれていくわけです。
愛車との思い出と言えばそれまでですが、できるだけ愛車を美しく保ちたいという想いもあるでしょう。
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当店ではオーバーホールの際にフレームを洗浄するのはもちろんのこと、ユーザーさんのご希望によってガラス系コーティングサービスをプレゼントしております。
今回は【WAKO'S】(ワコーズ)バリアスコートを使用しました。
車体の塗装がクリア仕上げタイプであれば、このバリアスコートでキズが目立ちにくくなります。
ガラス系コーティングはいろいろな種類が出回っているので、当店でもいろいろなものを試していく予定です。
もちろん、有料にてコーティングのみのご依頼も承っております。
■仕上がりました
一通りのオーバーホール&大規模カスタマイズは終わりました。
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しかしこれだけでは完了とは言えません。
ハンドルの形状が変わったことで、ポジション(乗車姿勢)の見直しも必要になります。
それに伴い、サドルの高さ・角度・前後位置も見直すため、納車時に細かく見ていくことも必要です。
自転車は人が乗ってこそ存在意義があり、ライダー(乗り手)さんに合わせて微調整をしないと本来の性能を発揮してくれません。
サイクルサービストグトは当たり前の整備作業だけではなく、ユーザーさんの体に合わせた調整も大切にしております。
■自転車のご依頼・ご相談等はメールでお気軽にどうぞ↓
当店は出張修理等が多いため、決まった店休日や営業時間という概念がありません。
他店様が営業していない時間帯でも予約制にてご依頼等を承ります。
また、当店にて自転車の販売(防犯登録含む)も行っておりますが、他店様にてお買い上げの自転車の組立や点検及び調整、修理やカスタマイズ、オーバーホール等のアフターケアも大歓迎です。
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※運転中や作業中等ですぐに返信できない場合もありますが、チャット感覚でお気軽にご利用下さいませ。
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