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適正なペースとはなにか
スーパーで、レジ係(チェッカー)をしている。
先日、仕事中に余計な考えを手放すことに成功して、仕事に対するスタンスがかなり変わり、気持ち的に楽になったのだけれど、数日経つとなんかちょっと違う感じになって、またすこし喉がつかえるとか、胸が詰まる感じがしていた。
何が違うのかなーと考えていて、ふと、接客のタイミングを、わざと自分の今までのペースとずらしてみた。
お客の行動が予測できても、先回りして行動しない。自分がペースをつくる(早くする)のではなくて、その場にもともとある空気の流れを止めない。乱さない。空気の、一部になる。身を委ねる。そうすると、肩の力が抜ける。軽くなる。
余白をつくる。句読点をつける。
接客はとにかく、ゆったり、丁寧に喋る、スキャンも、正確さと丁寧さを重視する。
正確さ>丁寧さ>心地よさ>効率>スピード (暫定)
自分はけっこう集中すると、たたみかけるように行動してしまうことがある。それが自身のイライラのもとになる。なので最近は、ゆっくり接客するようには心掛けてはいたけれど、重要なのは、自分を急かさないこと。相手も急かさないこと。間を大切にすること。
それによって、心の余裕ができるなと思った。
以前は、お客さんに待ってもらう事ができなかった。『お待ちください』が言えなかったのは、待たせてはいけないと思いこんでいたから。それも、程度による。前の人がおつりを取り忘れていて、すぐに手を止めて、おつり取り忘れ誰ですかーって言うと、次のお客さんが、あの人よって教えてくれる。ありがたい。
余計なことをごちゃごちゃ考えないことって言ってたけど、ひとつのことに集中しすぎないことも、余裕をつくるためには必要なことなんだなって思った。
集中力があると、作業スピードや効率が極限まであげられる。そうすると、単純にそれがゲーム感覚で面白く感じるので、スピードや効率を遮られることがあると、イラッとしてしまう。これが、過度に集中しすぎている状態。
わたしの場合、スピード、効率は、熟練していて既に身についているスキルなので、そこを重視しすぎると身体を痛めることがわかっている。
『身体を痛めない程度に集中する』と考えていたけれど、『集中を遮られることがあっても、臨機応変に対応する』ことも大切だなと思う。
集中してスピード感を持つことよりも、レジの仕事においては、ミスをしないことが最重要事項。例えば、集中しているときになにかふと遮られたときに、すぐに作業を保留(あとですぐに迷わず再開できるところで止める)できることもスキルだと思う。そして、確認を怠らないこと、確実に素早く確認をとる癖付けをすること。
作業スピードをあげることよりも、確認を素早く正確にできるほうが、もしかして、よほど効率がいいかもしれない。
わたしはこれまでにも仕事のやり方や手順は度々見直してきていて、ミスがかなり減ったので、大変満足している。スピードと言われるけれど、何に時間がかかっているのか、何が、ミスの原因に、なっているのかがわかれば、改善策は必ず見つけられるし、改善できれば、ミスに対しての漠然とした不安もなくなる。
ミスするとある程度落ち込むけど、割り切って、次にミスしないためにどんな工夫ができるのかを考える癖をつければ、ミスすることそのものを必要以上に恐れる必要はなくなる。
つまり何が言いたいかというと、必要以上に集中して仕事をすることには、案外弊害が多いってこと。しかも、精神的に疲れる原因にもなる。
過度に集中することから意識が抜け出せれば、ミスが減るだけではなく、お客さんとのアイコンタクトも会話も増えるし、自然と笑顔になれる。
むしろこれ、自然と笑顔になれるか、疲れるペースでちょっと無理してるのかが、適正なペースかどうかの指標になるかもしれない。
ペースが適正にとれれば、ハイペースでやるよりも、リズム感が一定に取れるので、やりやすくなる。そう、リズム感はとても大切。
あと、お客さんはなにかこちらに伝えたいことがあることも多いので、そのやりとりも重要。会話のテンポは人それぞれなので、自分のペースよりも、相手のペースを受け入れることが大切だと思う。そこに安心感と信頼が生まれる。
日々、そんなことを考えて、仕事をしている。