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文学フリマ東京38、売れなくて震えて、友達に叱られ、ヒリヒリな一日

初出店の文学フリマ東京、開始1時間くらい、まったく売れなくて震えました。

知らない方に一冊は手に取っていただけたら……そんな言い訳がましい目標を胸に家を出て、ワクワクドキドキしながら電車に揺られていた私はその3時間後、心の中でひっそりと冷や汗をかくことになる。

ブースはこんな感じに仕上がりました!
文フリでキャンドル売ってるんですねーと驚かれ、「ですよね」と私

店番をお手伝いしてくれたりーりゃんと交互にお買い物に出て、それぞれの戦利品を見せ合うひとときを過ごす。

りーりゃんはおゆZINEさんという方のブースでZINEとトートバッグをゲットし、その後の第二散策ではなぜかアルパカについて書かれたZINEを買っていた。それを見た私は「なぜアルパカ?」としつこく追求し、二人してアルパカについて語らう(威嚇すると臭い唾飛ばすよねとか、歯茎丸出しの顔をお互いに真似し合ったりして)。私はというと、『おれたちぜったい大丈夫』というステッカーを買ってきて、自分を鼓舞する。買い物内訳としては、ステッカー2枚、ポストカード2枚、世田谷ピンポンズさんの『実家』と『文集・バイト』(生活綴方出版部)を買う。ほぼ本を見てなかった。余裕なし。

その後、ぽつりぽつりと本を購入してくださる方も増えていき、なかには「Webカタログ見ました」と2冊ともお買い上げいただいた方も! こちらはうれしさのあまり震えました。性別問わず本を手に取っていただけたことは予想外なことで、とてもうれしかったです。

店番しながら友達に叱られる

とはいえ、1冊目が売れるまで震えていた私。人は弱気になると思考がカオス状態になるのでしょうか、りーりゃんから一言「さっきから言ってることと思っているであろうことが乖離していて、なんだか別人みたい」と斬られる始末。

正直に言うと、ぐしゃりと轢かれた靴下みたいな気持ちだったのですよ(どんなだよ)。だけど、私もいい大人ですからね。本方位に配慮した発言を繰り返す私に「なんかさっきから違和感」と言い放つりーりゃん。「いや、本音言ったらマジで性格悪いやつじゃん」と言い訳する私に、「いや、れいちゃんは昔から『好きじゃないものは好きじゃない』ってはっきり言う人だったやん。さっきから『この人憧れる』とか言ってるけど、本気で言ってる? それさ、ただの皮肉かディスりにしか聞こえないよ」。(何の話してるのか、前提条件抜け抜けの会話ですが、それを書くのも面倒なので想像にお任せします)

ちーん、である。
いやー、古くからの友達ってなめちゃいけないねと思った(笑)。
地道にコツコツと自分を生きますよ、りーりゃん。

あの小さなスペースで友達に叱られ、アルパカの顔真似して、文フリ作品のポジショニングマップを作ったりして。充実の一日でした。世間知らずならぬ、「文フリ知らず」な二人が挑んだ文学フリマ東京、久しぶりにヒリヒリして楽しかった〜。

今後の活動はきっと詩を書いてるはず

今回、詩を書いたらめちゃくちゃ楽しくて、この気持ちをどう表現したらいいのかっていうので思い出したのが、いとうせいこうさんのインタビュー記事。育児しながら俳句を詠んでいるというせいこうさんが発した「今は俳句を詠めているということが、自分にとってはすがるようなクリエイティビティなんですよ」という一言がズーンときた。

お言葉をお借りするのはおこがましいのですが、「すがるようなクリエイティビティ」ってすごくしっくりくる。表現することを諦めず、自由にのびのびと生きる自分を許容して歳をとりたい。

おまけ(戦利品の紹介)

ひと目見て、買うしかないでしょと思った『実家』(世田谷ピンポンズ)
手放す実家について綴った随筆集。なかでも「電気消しじじい」の話が好き。
あーさんのポストカード。姉に手紙書く用もあわせて2枚ゲット、かわゆいなー
パンチライン全開のステッカー、最高すぎる!

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