高学年でも一斉授業で全員が授業に参加できる。
いわゆる一斉授業(と、便宜上名前をつけます)への批判として、賢い子、積極的な子だけの発言で授業が進んで行く、などと言われることがあります。しかし、仮にそのような授業になるのだとしたら、それは発問の仕方、指示の出し方、授業の組み立て方に問題があります。
発問をしたあとに、すぐに挙手をさせたら、パラパラと数人だけが手を挙げる•••。それは至極当たり前のことです。それで、その中から指名をする、なんてことをしていたら、最も駄目な授業になってしまいます。
二択で答えられるような発問でない限り、発問をしたあとは、以下の指示が考えられます。
「自分の考えをノートに書きます」
「お隣りさんと相談します」
「全員起立。一つでも思い付いた人は座ります」
のように、全員に思考せざるを得ない場面を作ります。
傍観者にさせず、自分事として捉えさせることが大切です。その上で、例えば
教師「この列の人に聞いていきますよ。前から順に、○○さん」
児童「〜〜だと思います」
教師「なるほど。同じことをノートに書いていた人?」
とすれば、教室全体を巻き込むことができます。
それで、前から順々に発言させつつ、その他大勢の子に「今の○○君の考えと似ていたって人?ちょっと違ってたっていう人?△△くん。どの辺が○○くんと違っていましたか?」と繋げていくことも可能です。
たとえ高学年だったとしても、そのようなステップを踏めば、子ども達は満遍なく、よく発言するようになりますし、賢い子だけで授業が進んで行く、なんてことにはなりません。しかし、このようなことは、ちょっとした教育技術なのに、大学では教えてくれません。