言葉くづし 9―犀川大橋
緊張すると喉が渇く。私は二本目の炭酸水を一気に飲み干して、ぷはあ〜!と息を吐いた。起きてから三時間で一リットルの消費。そろそろ胃がチャポチャポしてきそうだ。それでもトイレに行きたくならないのは、どこか神経が張り詰めているからだろう。
リビングでくつろぐお父さんが台所にやってきて、ミル付コーヒーメーカーのフィルタを交換する。こだわりの豆で淹れたコーヒーは、病院勤務で忙しい彼の数少ない愉しみのひとつだ。緊張のあまり大汗をかく私に、お父さんは心配そうな口調で言った。
「冬花、顔