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パフォーマンスを上げる朝ご飯とは?〜ただ食べるだけではない!大事な栄養素について解説します〜

先日、こちらの記事で朝ご飯をなぜ食べなければ
ならないか?について解説しました。

朝ご飯には

①エネルギーが不足している脳の栄養補給を行う
②深部体温を上げることでその日の活動の準備を整える
③体内時計の調節を行い、生活リズムを規則正しくする

役割があるという内容でした。

今回の記事では以前書いた内容を踏まえて、どのような朝ご飯が良いのか?について解説していきます。

私の朝ご飯を紹介します

具体的な内容について解説する前に、私が普段どのような朝ご飯を食べているのか?を写真で紹介します。

右奥はほうれん草とツナの和物。メインのご飯、おかずに加えて副菜を用意できると栄養バランスアップ!
サムゲタンスープが美味しい!
イワシとしらすでしっかりタンパク質&カルシウム補給!
汁物にはごぼうや豆腐、豚肉、わかめなどの具材が
たっぷり入っていました!

妻がこのような朝ご飯を準備してくれます。彼女は調理師の資格を持ち、創作イタリアンレストランでの調理や保育園の給食作りなどの仕事を経験してきました。最近では公認スポーツ栄養士さんから月に1度オンラインでスポーツ栄養を学んだり、書籍で知識を吸収したりして自身の調理スキルをさらに活かす取り組みをしています。

写真を見て分かるように

①糖質(白米)
②タンパク質(肉や魚、卵、納豆、豆腐、)
③脂質(魚、野菜)
④ビタミン・ミネラル(海藻類、キノコ類、緑黄色野菜)

といった栄養素がしっかり押さえられていて、栄養バランスの良い食事を用意してくれます。その食事のおかげで睡眠の質が上がったり、以前ほど疲れを感じにくくなったりして、本当に体調が良いと感じます。体重もこの3ヶ月間で7キロほど落ちて、周りの人から「すごい痩せたね!」「何したらそんな痩せたの?」という声をたくさんかけてもらいました。

そのような自分自身の経験を通して、「やっぱり朝ご飯はただ食べるだけではなくて、何を食べるか?が大事なんだな。」ということを改めて感じました。

栄養学の知識に基づいて必要な栄養素を摂ることが重要です。朝ご飯の質が変わると疲労回復や競技パフォーマンス、作業能率、集中力の向上、健康増進、体質改善に大きくつながります。
この記事を通して、皆さまの食への意識が少しでも変わってくれるとうれしく思います。

摂ってほしい栄養素をそれぞれ解説!

①糖質

糖質は白米やパン、パスタ、うどん、イモなどに多く含まれ、朝ご飯で糖質をしっかり摂ることが重要です。なぜならば糖質を1番小さく分解した「ブドウ糖」が脳のエネルギー源として重要な役割を果たすからです。

筋組織においては補給した糖質をグリコーゲンという形で貯蔵できるのですが、脳には筋肉がないためそれができません。血液によって運ばれるブドウ糖のみがエネルギー源です。

そのブドウ糖が不足した状態が続くと、タンパク質を分解して不足したエネルギーを補おうとするため、筋肉量や回復力の低下につながりやすくなります。

糖質は身体作りが必要な子どもや競技パフォーマンス向上を狙うアスリート、仕事に励む多くの人々にとって欠かせない栄養素です。朝ごはんで糖質をしっかり補給して、活動的な1日を送るための準備を整えましょう。

②タンパク質

タンパク質は肉や魚、納豆、豆腐、卵などの食品に多く含まれ、筋肉や骨作り、筋肉の修復のために必要な栄養素です。

運動やスポーツ活動に伴い、生体内ではタンパク質の合成や分解が促進されること、また運動中ではアミノ酸もエネルギー源として使われることから、特にスポーツアスリートはより多くのタンパク質を摂る必要があります。

運動中に使用したアミノ酸を十分に補給できないと、運動後のトレーニング適応や筋肉の修復のために使うアミノ酸が不足してしまいます。タンパク質の元であるアミノ酸は身体に貯蔵できないため、タンパク質の合成以外は代謝され、分解されてしまいます。このような特性から、タンパク質・アミノ酸はタイミングよく摂ることが重要です。

最近の学術研究では、3食均等にタンパク質を摂ると筋タンパク質の合成が高まるとされています。特に朝ごはんで十分な量のタンパク質を摂ることが重要なのですが、日本における食事調査において朝ごはんで摂るタンパク質の量が少なく、1日におけるタンパク質の摂取パターンに大きな偏りがあると報告されています。

1度の食事で摂ると良いとされるタンパク質の量は20gです。下記にそれぞれの食品に含まれるたんぱく質の量を記載しますので、参考にしてください。

☆食品に含まれるタンパク質の量
・納豆(100g)・・・13.2~16.4g ※1パック(50g)は約8g
・焼き鮭(100g)・・・20.2g ※切り身(80g)は約18g
・豚もも肉(100g)・・・21.9g
・鶏もも肉(100g)・・・19g
・ししゃも(100g)・・・15.6g ※1尾(30g)は約6g
・木綿豆腐(100g)・・・6.6g ※豆腐一丁(300g)は約21g

③脂質

脂質は糖質やタンパク質と並んでエネルギーを作り出す栄養素です。活動するための主要なエネルギー源であり、細胞膜の保持や体温の維持、内臓や神経細胞の保護などの役割があります。

脂質を構成する「脂肪酸」にはいくつか種類があり、人体で生成できない必須脂肪酸を食事で摂る必要があります。ウナギやサバ、ブリ、イワシに多く含まれるEPAやDHA、あまに油、えごま油などがそれにあたります。

DHAには脳や神経細胞を活性化させる働きがあり、記憶力や学習能力の向上を手伝います。EPAには赤血球や血管を柔らかくする働きがあり、毛細血管を流れる血液の流れがスムーズになります。全身にくまなく酸素を送り届けて、体力や回復力を上げることができます。

脂質は加熱により酸化しやすい特徴があるため、刺身や煮る、焼くといった調理法で食べることをおすすめします。生野菜にドレッシングとしてかけるのもおすすめです。良質な脂質を摂ることを心がけましょう。

④ビタミン・ミネラル

ビタミン・ミネラル類は身体づくりや身体の機能を整える役割を持ち、エネルギー代謝に必要不可欠です。体内で生成することができないため、食事で摂る必要があります。

ビタミンは「水溶性ビタミン」「脂溶性ビタミン」があり、特に水溶性ビタミンを意識的に摂ることが重要です。水溶性ビタミンは水に溶けやすく、汗や尿とともに体外に排出されやすい特徴を持ちます。水溶性ビタミンの1つである「ビタミンB群」がエネルギー代謝に大きく関わるため、朝ごはんでしっかり摂ることを意識しましょう。

ビタミンB群が不足すると疲れやすくなったり、口内炎や肌荒れなどの肌トラブルが起きたり、寝つきが悪くなったりして、日常生活のなかでさまざまな不調を感じやすくなります。不足しがちな栄養素であるため、色んな食品からビタミンB群を摂ることが重要です。

ビタミンB群を多く含む食品は納豆やバナナ、玄米、豚肉、しじみ、卵、たらこ、キノコなどです。朝ご飯で比較的摂りやすい食材は納豆や卵、たらこ、バナナ、キノコといったところでしょうか。サケやサバ、ししゃもなどの魚にも含まれますので、そういった食材からも摂れると良いですね。

ミネラルは緑黄色野菜やキノコ類、海藻類に多く含まれていて、血液や体液の浸透圧の調整、骨づくりなどに大きく関わります。先ほど紹介した朝ご飯で、味噌汁の具材としてわかめやキノコ、ごぼうを使っていたり、ほうれん草の和え物やめかぶが副菜として添えられたりしていました。

体内にわずかな量しか存在しないビタミン・ミネラル類ですが、エネルギー代謝を円滑にするために重要な栄養素です。味噌汁や煮物、副菜などで積極的に摂ることを意識しましょう。

まとめ

実際の朝ご飯を紹介しながら、必要な栄養素について解説しました。ご自身の普段の朝ごはんと比べて、何か発見したことや気づいたことはありましたか?

朝ご飯は1日のスタートを切るうえで非常に重要な役割を持ちますが、現状しっかり食べていない方がとても多いです。冒頭にも書いたように、どのような栄養素を摂るかで身体の調子や日々のパフォーマンスが大きく変わります。

今回の記事を読んでくださった方がご自身の食生活を見直し、少しでも健康的に、そして活動的な日々を送れることを願っています。

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