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イマ、ココに無いモノ。暗示と心理。

長期で東京に滞在しなければならず、宿泊費節約のために現在Airbnbに滞在している。
滞在先に一歩足を踏み入れた途端、私は察してしまった。

「あ、ここは出る」

そう、玄関先で見つけてしまったのだ。ゴキジェットとブラックキャップを。
字面を見るのも嫌なので以下ヤツとする。
以降、まだヤツの実体は目にしていないが、常にヤツの気配に怯えながら暮らしている。

暗示で人の心理を操る

なぜまだ実体を目にしていないものにこんなに怯えなきゃいけないんだ。
壁の黒いシミや黒い影が全てヤツに見えてビクっとしてしまう。
ゆったりと東京一人暮らし気分を楽しみたいのに、玄関先のG対策グッズのせいでそれが出来なくなってしまった。
ひどい、ひどすぎる。
ホテルの額縁裏のお札と同等の効果を発揮して、人を恐怖に陥れるGグッズ、恐るべし。

それから暗示について考えた。
実体は無くとも、存在を暗示するだけで人の心理をこうも操ることができるのかと感心してしまった。
なんか詐欺とか宗教とかマーケティングで使えそうだね。

逆に人を幸せな気持ちに陥れる暗示ってある?
玄関先に猫チャングッズ?
あ、この家には猫チャンがいるのね!!と宅急便の人をワクワクさせちゃいそうだね。
今日は猫チャンに会えるかなあ、なんていつもの配達人も笑顔になるかもね。
こうして暗示によって人の心理を操ることができるのだ。

人は想像する生き物

「想像力」

人間を人間たらしめる特徴のひとつであり、これのおかげで芸術も発展し、異世界ファンタジーも流行ったわけだが、今私はこの想像力に苦しめられている。
想像したくないヤツの姿を想像してしまう。
過去の経験から、もしヤツが出たらどれほどの恐怖かを学習してしまっているからだ。やがて訪れるかもしれない恐怖を想像して今も部屋の奥隅を気にしてしまう。
何も無いのに!!
何やってんだろって馬鹿らしくなっちゃった。
やがて訪れるかもしれない未来の恐怖に怯えて「今」を謳歌できないなんてもったいない。

「今」を生きよう

過去の経験や不確定な未来に囚われず、「今」を生きるのがどれだけ難しいかをこうして学んだ。
人は今しか生きられない。
過去に想いを馳せても、未来を心配しても、私が存在するのは「イマ、ココ」だ。
「今を楽しめ!」
そう自己暗示して、ヤツの恐怖から逃れよ……。

そしていくら宿泊費節約のためでももうAirbnbで安い部屋取るのはやめようと心に誓った。
衛生管理が行き届いて、困った時はすぐに助けを呼べるホテルがやっぱり一番ですわ。

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