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賢い人の知的生活習慣 実況中継

賢い高校生のT君はある日こんな疑問を持ちました。

「合理的ってどういうことだろう。ふだん当たり前のように使っている言葉だけど」

T君はiPhoneの辞書アプリ「物書堂」を開きました。国語辞典は『現代新国語辞典』と『新明解国語辞典』を入れています。

ごうり【合理】
ものごとの道理(・論理)にかなうこと。

現代新国語辞典

ごうり【合理】
一 その考え(方法)が論理的に正しいと判断されること。
ニ 理屈には合っていること。

新明解国語辞典

「うーん。わかったような。わからないような……」

ここでT君は「コトバンク」を利用することにしました。

「出版社などが提供する信頼性の高い辞書・辞典・データベースから用語の意味を一度に検索できるサービス」です。

ごう‐り〔ガフ‐〕【合理】
道理にかなっていること。論理的に正当であること。

デジタル大辞泉

ごう‐りガフ‥【合理】
〘 名詞 〙 道理にかない正当であること。論理の法則にかなっていること。

精選版 日本国語大辞典

複数の辞書を読み比べたT君は次のように気づきました。

「合的というのは論的で道にかなっていて屈に合っている,ということか。すべてに理の文字が共通しているな!」

「ということは路整然としているという理解でもいいかな。あ,解にも理の文字が使われているぞ!」

「そう言えば倫理に出てくる性にも理の文字が。あー、倫にも理の文字が!」

T君はそもそも「理」とは何だろうかという疑問も持ちましたが,まずは「合理」を解決したいので倫理の教科書(東京書籍)を引っ張り出します。

さくいんで「合理」を探してみたら「合理性」があったので見てみます。

このように哲学といっても,そのとらえ方は人さまざまであるが,その基本にあるのは合理性普遍性である。つまり,議論と説明によってだれもが理解できる考え方をことばで示し,すべてに共通する真理を目指すという態度である。

「あー,そういうことか!」

T君は叫びます。

「つまり,こういうことだね。合理というのは理屈に合っていて,きちんと説明すれば理解してもらえるってことだ」


ここまで,T君が実践した「賢い人の知的生活習慣」をまとめます。

1.複数の辞書を引く
2.共通点を考える
3.辞書以外の本も参照する
4.自分の言葉でまとめる


この後,T君はそもそも「理(ことわり)」とは何だろうかと辞書に戻って調べるかもしれませんし,このまま倫理の教科書で「合理主義」の復習をするかもしれません。俳優の向井理さんは「理」と書いて「おさむ」と読むのはなぜだろうかと漢和辞典を引くかもしれません。

いずれにせよ,T君の興味の世界はどんどん広がるばかりです。

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