【DAY.58】新潟発着!2ヶ月で、公務員がバイクで全国周る旅日記
この記事、連載は...
民間から中途で新潟県庁に入った公務員が、4年で退職するその前に、有休消化で全国をバイクで回る、という、ノープランな企画です。予約なし、フィーリングファースト。
8:00、山形県 山形市のビジネスホテルにて起床。
昨日の夜をちょっとだけ反省。
やはり、地元が近づくと安心してしまうのかもしれない。
このまま普通に南下するともはや新潟なのだが、もう少し時間がある。
昨日、絶対に会った方がいいと言われた米沢市役所の職員、相田さんに会いに、もう少し旅を続けることに。
日記を更新し、10:00出発。
途中、赤湯という場所にある辛味噌ラーメンの名店、「龍上海」という店に立ち寄ってみた。
11:00過ぎに到着、11:30のオープンを前に、かなりの行列ができている。
日曜日だったので多少並ぶのは仕方ないのだが、この日の気温は30℃を超えており、昨日飲み過ぎたこともあり、並んでいる最中、深刻な水分不足に陥った。
20分ほどで中に入れたが、とにかく水が美味かったのを覚えている。
辛味噌チャーシューを注文。
以前にも何度か支店で食べたことはあったが、やはり、本店で食べるとなんとなく気分が良い。
スープまで完飲。
ここは赤湯というくらいなので、温泉も有名。
200円で入れる赤湯元湯にちょっとだけ浸かり、米沢市内に向かおうとすると、相田さんからメッセンジャーに着信が残っていた。
市内から大沢集落という場所に移動したとのこと。
とりあえず、Google Mapで大沢駅を探し、向かってみる。
米沢市内からだいぶ山奥の方に入り、本当にこんなところに駅があるのかってくらいの道を進んでいくと...なんか、若者が集まっている?
ここは、相田さんがお借りしている物件で、今日は中学生の甥っ子が友達を連れてBBQをしに来たらしく、それに顔を出しに来たとのこと。
なんかよく分からないけど、私も自分のアウトドアチェアを広げ、ノンアルビールで混ぜてもらう。
もちろん、全員初対面。
大沢集落は、かつては宿場町として700人もの人がいたそうだが、現在の人口は13人。
一番若い人で50代とのこと。
ここに目を付けたのが、米沢市の地域振興担当、相田 隆行さん。
市内外から学生を集め、交流の場として活用しているそうだ。
元々米沢市は3つの高等教育機関がある学園都市。
地元紙にも掲載されるほど注目される取り組みになっている。
金をかけてカッコいい建物にリノベーションしなくても、魅力的な人がいれば、人が来る。
重要なのはハードではなく、ソフト、つまり人だというのは、この旅でも幾度となく感じていることだ。
いずれはなくなる集落を、税金をかけて無理矢理残すのではなく、まずは知ってもらうこと、遊びに来てもらうことから。
私が関わらせてもらった、佐渡の虫崎とも共通するものを感じた。
ちなみに相田さんはこの前にも違うイベントに顔を出していたそうで、そこから持ってきたという米沢牛のビーフシチューをいただいた。
そして、中学生たちは1バック4,000円以上する米沢牛を焼いていた。
なんという贅沢...。
一枚もらったけど、まあ、そりゃ美味いわな。
ラーメンも食べたし、あまり中学生から施しをもらうのも何だなと思い、大沢駅を探検しに行く。
スノーシェルターに覆われた駅構内、かなりのレトロ感。
1日の乗降数は10人に満たないようだ。
しかし、相田さんの活動を通じ、ここに多くの学生が集まるようになり、車掌も驚くほどに乗降が増えたそうだ。
味のある構内図。
昔はスイッチバック方式だったようで、その名残も残っていた。
戻ると、BBQも一段落。
ちなみに、この中学生メンバー6人は、有志で地域の情報誌を作っているそうだ。
ちゃんとお店に取材しに行って、全て手描きというコンセプトにこだわっているとのこと。
フリーペーパーではなく、ちゃんと販売してるってのもいい。
まだ売れたことはないそうだが...。
先生、買ってあげてくれよ...。
で、ここからは相田さんの車で、このあたりのおすすめスポットに連れて行ってもらうことに。
まずは、近くの飛び込みポイントから。
3mくらいかな?
飛び込めなくもなさそうだが、ちと勇気は要りそうだ。
降りると、透き通った清流が。
石をひっくり返すと、大きなカワゲラやヘビトンボがゴロゴロいて、水がきれいなことがよく分かる。
で、さらに山を登り、米沢八湯の一つ、滑川温泉へ。
残念ながら日帰りの入浴時間は終わっていたが、赤湯で温泉には入ったので、見学だけで。
戻って、電車で戻る中学生を見送りに行く。
リアルスタンドバイミー。
ちなみに、この古民家にはピカピカのメグロがあった。
発売から50年以上が経っているはず。
ここまで状態の良い車両はレアじゃないだろうか。
で、この後は相田さんに先導してもらい、米沢市内へ。
途中、里山ソムリエという活動をされている方の拠点を覗かせてもらう。
この畑、近所の人が勝手に手入れしにくる、開かれた畑らしい。
この持ち主の方は、CAをやられていて、東京から移住されたそうで、自宅で英語教室やマナー講座なども開催しているそうだ。
その近くには、これまた移住者で自然農法をやられている方が。
私のバイクが乗っ取られている。
これが自然農法パワーか...。
というわけで、市内中心部へ。
ここ米沢は、上杉氏の城下町であり、新潟とも非常に縁が深い土地である。
上杉神社にお詣りに。
伊達政宗の出生地でもあり、歴史のある城下町。
しかも、私の生まれた胎内市と地理的に非常に近い。
もちろん米沢という名前は知っていたが、正直、どこにあるのかはあまりよく知らなかった。
身近なことほど見えなくなるものだ。
が、学ぶのに遅すぎるということはない。
この日は相田さんのお宅に泊まらせてもらうことになり、バイクを置いて夜の米沢へ。
店内には立派な彫刻が。
歴史を感じさせる。
サービスで出てきたおにぎり。
全く名前は覚えていないが、ひとくせある山菜?のおにぎりで、つまみになる味。
相田さんとの話、盛り上がらないわけがない。
つまみの写真しか残っていないが、かなりディープな話ができた。
なるほどな、と思った話。
「吐く」という字は、「口」から「+」なことも、「−」なことも出る。
そこから「−」を抜くと、言ったことは「叶う」という話。
この手の話は普段はあまり気にも留めないのだが、自分が尊敬できる方から聞くと意味合いが違ってくる。
ネガティブなことを口に出す前に、そのことを思い出そうと思った。
締めは蕎麦を食べたようだ。
相田さん、この日はいくつものイベントをハシゴし、私のアテンドもして、相当お疲れだったようで、帰ったらすぐに寝始めた。
こんなにアツい男が、お隣米沢にいたのに、これまで全然知らなかったのは不思議だが、本当に良いご縁をもらったと思う。
これも、旅のおかげでできたご縁。
今後も大事にしていきたい。
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