長びくウイズ◯◯◯で溜まりに溜まるストレスを少しでも和らげる3つ栄養素の話です
ただでさえストレスが多い現代社会、そこにウイズ◯◯◯。家に閉じこもり、会いたい人に会えない、逆にテレワークで普段はいない人がずっといる(?)など、さまざまなストレスが長期にわたって続いています。
そこで、ストレスに強い栄養素をしっかり摂取することで、体へのダメージを軽減させること。少しでも健康レベルをいい状態で維持すること。そして、ストレスが元で発症するガンを含めた生活習慣病を予防することを提案します。
(文末に動画もアップしています)
まずは溜めないこと
当然ですが、栄養素でストレス状態がなくなるわけではありません。根本的にはストレス要因を取り除くことです。対人関係。仕事の内容や環境。家庭の問題(分かっていても簡単ではない)など、改善できる所から一つずつ。
難しければ、次にストレス発散の方法を持つこと。運動。ヨガ。アロマ。温泉。音楽 etc.
まずストレスを溜めないライフスタイルを構築することが大事であって、そこに助っ人として、栄養の力で体へのダメージを軽減させるというプロセスが必要です。
それを前提に、ストレスに強い栄養素をお伝えします。細かく挙げると7〜8くらいあると思いますが、全部話しても動きが取れないと思いますので、今回は3つプラス1つに絞ります。
カギを握るのは副腎
最初に3つを言ってしまいます。ビタミンB群(パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンEです。
3つの栄養素に共通するのは、副腎の働きと関係しているということです。
副腎という臓器は、腎臓の上にちょこんと乗っかっている、一つが4〜5gくらいの重さで内分泌器官(ホルモン臓器)です。
腎臓と文字が被りますが、泌尿器である腎臓とは機能上まったく関係はありません。
副腎は、人が生きるために必要なホルモンを分泌するきわめて重要な臓器です。
その中の一つが、ストレスに対抗するコルチゾールというホルモンです。コルチゾールは、体が強いストレスを受けた時に、血圧や血糖値の低下、脳の機能低下、免疫力の低下などで体が破綻しないように、調整して守ってくれます。
ビタミンB群(パントテン酸)
そのコルチゾールを分泌する時に大量のビタミンB群(とくにパントテン酸)とビタミンCが消費されます。ビタミンB群とビタミンCが不足していると、コルチゾールが十分に分泌されません。
コルチゾールが十分に分泌されないと、やる気が出ない、すぐ疲れてしまう、朝起き上がれない等、さまざまな症状が出ます。
ビタミンB群、とくにパントテン酸という点について話すと、輸入サプリメントでビタミンB群の商品を探すと、ストレスビタミンB群という商品がいくつか発見できます。(国内商品では考えられません)
ビタミンB群サプリメントの含有量は、B1 、B2 、B6 、ナイアシン パントテン酸の5つは、概ね同水準であることが多いのですが、ストレスビタミンB群の商品はパントテン酸が突出しています。
ストレスを受けた時に、いかにパントテン酸が消費されるかが分かります。
ビタミンC
次にビタミンCです。
ビタミンCもまたコルチゾールの分泌に欠かせない栄養素ですが、ビタミンCの体内分布を調べると圧倒的に副腎が多いことが分かっています。その次が脳、水晶体、白血球です。
ビタミンCの望ましい必要量について、「最低でも1日1000mg」だと私は考えていますが、慢性的に強いストレスを受けている場合には、副腎でビタミンCの需要が大きく高まりますので、1000mgでは足りません。
最低でも2000mgは摂った方がいいと思います。もちろんそれは食事からでは100%不可能なのでサプリメントが必要です。
ビタミンE
副腎という臓器は、下の図のように真っ二つに切ると、外側に副腎皮質、内側が副腎髄質という部分に分かれます。
コルチゾールをはじめ、血圧の調整をするアルドステロン、性ホルモンの元となるDHEAといった重要なホルモンは外側の副腎皮質から分泌されます。その副腎皮質は脂質、油で形成されています。
そして外側にあることも手伝って、酸化しやすい、活性酸素に攻撃されやすい臓器です。とくにストレス状態にある時は活性酸素が大量に発生しますので、危険な状態です。
もちろん副腎皮質が活性酸素によって大きなダメージを受けると、ホルモン(コルチゾール)分泌に影響が出てきます。
そこで副腎を活性酸素から守るのが、脂溶性ビタミンのビタミンEです。ビタミンEもまた、ストレス時に大量に必要とする栄養素です。
ビタミンCと同様にビタミンEの体内分布も、副腎がもっとも多くなっています。ビタミンEを一番必要としているのは副腎だということです。ビタミンEが足りていない場合には増やす必要があります。
こう考えると、あまり知られていない副腎という臓器がどれほど重要なのかが分かります。
ちなみに、内側の副腎髄質からはアドレナリン、ノルアドレナリンといったホルモンが分泌されます。
マグネシウム
副腎の働きに不可欠なビタミンB群(パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンEに加えて、ストレス状態の時に十分に摂取したい、もう一つの栄養素はマグネシウムです。
ストレスを受けると、尿中のマグネシウム濃度が高くなることが分かっています。つまり、どんどん排出されてしまうということです。
マグネシウムは筋肉や血管または神経を緊張状態から緩める、弛緩させるという働きをしますが、ストレス状態の時も同じでストレス対抗ホルモンであるコルチゾールが暴走する(血圧や血糖値が上がり過ぎて危険)のを抑える役割があります。
その仕事をするために、細胞内にあるマグネシウムが細胞外に出ていってしまいます。これが長期に及ぶと体がマグネシウム不足になって(マグネシウムは最重要ミネラル)健康にさまざまな悪影響が出ます。ストレスが長期に及ぶ場合は、マグネシウムの追加補給も必要かもしれません。
まとめ
体が強いストレスを受けた時、副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが、体が破綻しないように守ってくれます。
そのコルチゾールを分泌する時に大量のビタミンB群(パントテン酸)ビタミンC、ビタミンEが必要です。またコルチゾールの暴走を抑えるためにマグネシウムが必要です。
ストレス状態の時は、ビタミンB群(パントテン酸)ビタミンC、ビタミンE、マグネシウムの積極的な摂取を推奨します。
いかがでしたか。「ストレスは仕方がない」「どうしようもない」と放置していると、副腎から“体の破綻”が始まります。
それを防ぐために、紹介した4つの栄養素で副腎ケアを怠らないよう気を配ってください。
なお、この記事の内容については動画もアップしていますので、合わせてご覧ください。