強い骨づくりには “カルシウム以外に” 5つの栄養素が必要です
骨の材料は、カルシウムとリンで7割以上を占めます。
が、実際には強い骨を形成するためには、カルシウムとリン以外の5つの栄養素が必要です。
5つの栄養素は何か
なぜそれが必要なのか
5つの栄養素が含まれる食品
についてを解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)
タンパク質
骨の約7割はカルシウムとリンですが、残りの3割はタンパク質です。
タンパク質の1種、コラーゲンという形で骨に含まれています。
コラーゲンというとお肌というイメージが強いですが、コラーゲンは体のあらゆる場所に存在します。
というのも、コラーゲンとは「細胞と細胞をつなぐ接着剤」だからです。
皮膚や腱(筋肉と骨の結合部分)、骨、歯、血管(大動脈)、目の角膜もコラーゲン。
骨もコラーゲンが十分でなければ、もろくなってしまいます。
コラーゲンが骨の芯の部分に当たり、カルシウムとリンがそれを固めるように取り囲んでいます。
例えると、鉄筋コンクリートビルの鉄骨がコラーゲン
コンクリートがカルシウムとリンだと考えると分かりやすいでしょう。
タンパク質は、肉類、魚介類、玉子、大豆食品などを中心に、毎日3食意識して摂ることが大切です。
ビタミンC
ビタミンCは、コラーゲンを合成するのに欠かせない栄養素です。
ビタミンCが欠乏した時に発症する欠乏症に、壊血病があります。
壊血病は、歯肉をはじめ体のあらゆる場所から出血します。
コラーゲン不足によって、血管が十分に形成されないことが原因です。
血管もコラーゲンで作られています。
ビタミンC不足のもろくなった血管は、弾力性を失って動脈硬化になり、
出血を起こしてしまいます。
マグネシウム
マグネシウムは骨の健康を保つためには必須のミネラルです。
骨の約7割はカルシウムとリンで構成されるリン酸カルシウムです。
この中にカルシウムの1/100くらいのマグネシウムが入っていて、骨の強さを保つのに働きます。
栄養学の専門家の間では、
「強い骨をつくるには、カルシウムを摂るよりもマグネシウムを摂るべきだ」
というのは半ば常識になっています。
マグネシウムが豊富な食品はこの通りです。
海藻類と大豆食品、ナッツ類などにマグネシウムが豊富です。
ビタミンD
ビタミンDの欠乏症として「くる病」があります。
ビタミンDは腸管からのカルシウムの吸収を促進し、血液に入ったカルシウムを骨まで運ぶ働きがあります。
ビタミンDが不足すると、骨がやわらかくなってしまいます。
歩行が始まると、足に負荷がかかってO脚になりやすくなります。
くる病は歩き始める1歳ごろに発症しやすい病気です。
カルシウムは吸収されにくい栄養素なので、ビタミンDとあわせて摂取することが大切です。
また、骨を作る骨芽細胞の働きを促進して骨の形成を助けます。
ビタミンDが豊富な食品は魚介類です。
干しシイタケやキクラゲよりも明らかに多いです。
ビタミンK
ビタミンKはカルシウムを骨に沈着させるのに必要な栄養素。
オステオカルシンというタンパク質が、カルシウムを骨に沈着させる役割を持ちますが、そのオステオカルシンを活性化するのがビタミンK。
ビタミンKが含まれる食品はこの通りです。
圧倒的に多いのは納豆。
ワカメ、ヒジキ、海苔などの海藻類、小松菜、ほうれん草、モロヘイヤ、葉野菜にも多く含まれます。
過剰なリンに注意
過剰なリンは、カルシウムの吸収を妨げます。
リンは魚類、乳製品、大豆、肉類など一般食品に広く含まれています。
これらのリンについては、気にしても始まりません。
問題は、スナック菓子や冷凍食品、加工食品などに含まれる過剰なリンが、体内に入ったカルシウムを排泄してしまうことです。
リンの過剰摂取には気をつけましょう。
まとめ
カルシウムとリン以外で、丈夫な骨のために必要な5つの栄養素。
①タンパク質
タンパク質を材料とするコラーゲンが骨の芯の部分に当たるからです。
②ビタミンC
ビタミンCは、そのコラーゲンを合成するときに不可欠な栄養素だからです。
③マグネシウム
骨の約7割を占めるリン酸カルシウムの中にカルシウムの約1/100のマグネシウムが存在し、骨の強さを保つのに働きます。
④ビタミンD
ビタミンDは腸管からのカルシウムの吸収を促進し、吸収したカルシウムを骨まで運ぶ働きがあります。
⑤ビタミンK
ビタミンKはカルシウムを骨に沈着させるのに必要な栄養素です。
※スナック菓子や冷凍食品、加工食品などに含まれる過剰なリンはカルシウムの吸収を妨げるので、注意が必要です。
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