
水溶性食物繊維で腸内環境「爆上げ」確定【前編】
まず絶対にやってほしい腸活、それは水溶性食物繊維の摂取です。
腸内環境の改善、便秘改善に欠かせない成分として、ひときわ注目が高まっています。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維どちらも非常に重要ですが、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は明確に役割が異なります。
なかでも注目株は水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維を日常の「食べ物」から摂ることで、腸内環境および便秘が驚くほどに改善します。
ここが大事なところです。
水溶性食物繊維は、サプリに頼らなくても普段の食べ物から摂ることができます。
だから全ての人が実践できますし、今日から実践できます。
水溶性食物繊維を摂取すると、腸内環境の改善、便秘改善に留まらず、生活習慣病の予防など、健康レベルが間違いなく向上します。
記事の内容は、
①水溶性食物繊維 凄まじい健康効果4選
②水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の決定的な違い
③水溶性食物繊維を多く含む食べ物5選
④水溶性食物繊維サプリについて
⑤水溶性食物繊維と発酵性食物繊維との関連
(③〜⑤は後編)
①水溶性食物繊維 健康効果4選
まず、水溶性食物繊維の主な働き4つをご覧下さい。

・便通改善
・善玉菌を増やす
・血糖値、コレステロール値抑制
・有害物質の排除
これすべて水溶性食物繊維の健康効果です。
食物繊維は、水溶性も不溶性も腸で消化吸収されません。
そのため、かなり以前、食物繊維は「不要なもの」で栄養素としての扱いではありませんでした。
しかし、消化されないからこそ腸の中でいい仕事をします。
今では、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルに次ぐ、6番目の栄養素と言われています。
まず「善玉菌を増やす」から。
ここでの善玉菌は、ビフィズス菌や酪酸菌です。
水溶性食物繊維は善玉菌のエサになり、腸内の善玉菌を増やします。
ビフィズス菌や酪酸菌を増やすことが大切なのは、ビフィズス菌や酪酸菌を元から含む自然の食品がほとんどないからです。
ビフィズス菌は、嫌気性といって酸素を嫌う性質があるため、そもそも食品に含まれません。
ビフィズス菌入りのヨーグルトは、発酵する前に牛乳を高温加熱殺菌することで、酸素が少ない状態になるので商品化が可能です。
そこからビフィズス菌を摂ってもよいのですが・・・
乳製品を敬遠している人にとっては、ビフィズス菌を食品から入れるという選択肢は基本的になく、今あるビフィズス菌を増やす以外にありません。
酪酸菌が含まれる食べ物は、糠漬けと臭豆腐に限られます。
自宅の糠床で糠漬けを作るのが望ましいですが、今の時代なかなかできるものではありません。
湿度が高い沖縄では、糠漬けの文化さえ根付いていません。
このことから、水溶性食物繊維でビフィズス菌や酪酸菌を増やすことは非常に大切です。
このように、善玉菌のエサを入れることで善玉菌を増やす食品のことを、プレバイオティクスと言います。
次に、「便通改善」を一旦飛ばして、
「血糖値・コレステロール値抑制」次の
「有害物質排除」を簡潔に説明します。
水溶性食物繊維は水に溶けやすく、水に溶けるとゼリー状になります。
小腸でのブドウ糖の吸収速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑えることで糖尿病の予防効果が期待できます。
また、腸内のコレステロールを吸着し体外に排出します。
そのことで血中のコレステロール値も低下させ、動脈硬化の予防につながります。
水溶性食物繊維はナトリウムを排出する効果もあり、高血圧を未然に防ぎます。
水溶性食物繊維は、腸内の有毒物質を吸着する働きもあるので、それが吸収されて血液が汚れることを防止します。
水溶性食物繊維は、生活習慣病のリスク要因となる物質を体外に排出する、健康維持には絶対に欠かせない成分です。
残ったのが「便秘改善」ですが、それをお話しするにあたって、
②水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違い
これを解説します。
便秘でお悩みの人は多いかと思います。
便秘解消には食物繊維ということで、とにかく野菜をたっぷり食べている人もいるかもしれません。
しかし、そこには落とし穴があります。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を区別して摂る必要があります。
大腸における水溶性食物繊維の働きは、
「水分を吸収して便を柔らかくする」こと。
一方で、不溶性食物繊維の働きは、
「便の水分を保持し数倍から数十倍に体積を増加。腸壁を刺激する」こと。
多くの書籍やネット記事にある表記です。
この表記を読むと、水溶性も不溶性も便通改善には必要であり、区別することなく摂ることが大切だとも思えます。
ところが、必ずしもそうではないことが分かってきました。
こちらの図をご覧ください。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、それぞれの役割については概ね同じことが書かれています。
しかし、左下を見て下さい。
「(不溶性食物繊維は)多すぎると硬い便が増えて便秘悪化」
と書いてあります。
そうなんです。
少し言い換えると、水溶性を十分に摂らずに不溶性ばかり摂っていると、便が硬くなって便秘が悪化する恐れがあります。
そして、野菜に含まれる食物繊維の多くが不溶性食物繊維です。
そのため、食物繊維を摂っているのに便秘が一向によくならない、という落とし穴にハマります。
水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も大切ですが、便秘の場合は優先順位があります。
便秘の人、とにかく出ないという人は、まず意識して水溶性食物繊維を摂って下さい。

先程の図をもう一度見ると、理想的なバランスは2:1と書いてあります。
水溶性食物繊維を意識して摂ってはじめて2:1になります。
意識しなければ比率が、1:1に近づいてしまう可能性があります。
意識して水溶性食物繊維を摂ることが大切です。
この記事は【後編】に続きます。
この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。