陣野俊史『サッカーと人種差別』(文春新書)
2014年、あるJリーグチームのサポーターが差別的な横断幕を掲げて問題となり、無観客試合という処分が下されたことは、改めてスポーツと差別について多くの人が考える契機となった。
陣野俊史さん『サッカーと人種差別』(文春新書)では、ここ20年のヨーロッパを中心に、スタジアムで起きた人種差別事件と、チーム・選手・サポーターがそれにどう対処したかが、丁寧に紹介されている。
「人はレイシスト(人種差別主義者)に生まれるのではない。人はレイシストになるのだ。」(リリアン・テュラム:元フランス代表)という理念の下、対話と教育が今も続けられている。