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2024年6月 印象に残ったエンタメ

久々の更新になります。暑くなったり、雨が降ったり、嫌な季節です。2024年も半分が終わって折り返しに突入。嬉しいことも悲しいことも沢山あった上半期となりました。

そんな上半期最後、6月に印象に残ったエンタメを紹介します。春ドラマがそれぞれ最終回を迎えた、ということで6月分はドラマの感想が多くなります。春ドラマ、個人的に深く刺さったドラマが多かったように思います。
それでは、どうぞ。



・映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」前章・後章

この映画、今年の新作映画の中でもかなり上位の出来ではないかと思います。浅野いにお先生による原作は未読ですが、非常に楽しむことができました。

突如巨大な宇宙船が現れた地球で繰り広げられる女子高生たちの不思議な日常と地球の終末を、多様な人物からの視点で描きます。互いの存在を「絶対」とする、主人公の門出と凰蘭のやり取りが面白かったですし、2人の声を演じた幾田りらとあのちゃんの演技も素晴らしかったです。地球に現れた宇宙船の正体とは。門出と凰蘭の過去に何があったのか。様々な謎を残しながら最高の終わり方で後編に突入し、後編にてその謎を全て回収する構成が見事でした。映画の結末は原作とは異なるようですが、この結末に私自身は非常に納得ができました。地球が迎える結末を、ぜひ目に焼き付けていただきたいです。


・東京03第26回単独公演「腹割って腹立った」

過去の公演はDVDや配信などで視聴したことがありますが、生で観たのは今回が初めてでした。やはり生はいいですね。すさまじい臨場感の中で、3人によるコントを楽しむことができました。

この公演はまだまだ全国各地で続いていますのでネタバレは避けますが、めちゃくちゃ面白かったことは確かな事実です。コントの面白さ、構成の見事さ、キャラクターの描き方、全てにおいて最高のライブでした。およそ2時間、ずっと楽しかったなぁ。


・ドラマ「アンチヒーロー」

ハセヒロが日曜劇場に帰ってきた!しかも悪?の弁護士役で!そのような事前の期待を大きく超えるような面白さが感じられたドラマでした。決して100%正義とは言えない、まさに「アンチ」な弁護士の活躍を通して、司法の正義と悪を描きます。

バラバラに思われた事件や人物が実は過去の1つの事件と繋がっていた…という、VIVANTの壮大さを思い出させるような骨太なストーリーが本当に面白かったですし、最終話でのハセヒロと野村萬斎の重厚な演技合戦は見応え十分でした。主人公サイドが絶対的なピンチに追い込まれた、と思わせておいての大どんでん返し。日曜劇場ではよく用いられているよな手法ではありますが、観ていてやはり気持ちがいいですよね。エンタメの中にもしっかりと現実社会の理不尽や不条理を描いて、それらを良しとしない見方を示した作品のスタンスも良かったです。個人的にはバイクを乗りこなす堀田真由が最高でした。続編やってほしい。


・映画「違国日記」

昨今のガッキーの作品選びのセンスと演技がとにかくすごいなぁ、と思わせるような良作。最愛の母を亡くしてしまった娘と、その母を嫌う叔母との共同生活を描いた作品です。

同じ人物に対して正反対の印象を抱く2人。すれ違いや衝突もあります。2人が互いをわかりあうことはできないかもしれない。でも、お互いに寄り添うことはできるよね、という作品から受け取ったメッセージにたいへん感動しました。少しずつ距離を詰めながら、これからの日常を歩もうとする2人の姿に、まさに「心が救われた」ような感覚になりましたね。
朝を演じた早瀬憩さんも素晴らしかったです。調べてみると、恋です!やブラッシュアップライフなどに出演されていたようです。最近では、虎に翼で幼少期のよねさんを演じるなど、話題作に多く出演されているようですね(調べるまで気づきませんでした、悔しい…)。これからの活躍が楽しみです。


・バラエティ「有吉弘行の脱法TV」

地上波テレビのコンプライアンスのギリギリを攻めてみよう、というアグレッシブな番組の第2弾。様々な卑怯?wな手段を使って乳首をテレビに映したり、放送不適切用語をオンエアしようと試みます。

様々な規制が厳しくなってきた昨今のテレビの在り様を憂うのではなく、それを面白がるチャレンジが素晴らしいですよね。この番組のように、セーフとアウトの境界線に臆すことなく、テレビにはこれからもどんどんくだらないことにチャレンジしてほしい(とはいえ、本当にダメなことはしてほしくないですが)。この番組にはその先頭に立ってもらいたいです。


・ドラマ「パーセント」

5月のギャラクシー賞受賞作です。障害者を起用したドラマ制作に挑む若手スタッフとその主演俳優の挑戦を描きます。

劇中では、テレビドラマを制作する現場の過酷さ、俳優もスタッフも抱えている「余裕のなさ」がはっきりと可視化されていたように思います。全体的に時間がなくて、みんな慌てている。良いドラマを目指すことよりも、ドラマの完成を目指してしまっている姿が本当につらかった。それでも、ドラマ終盤で「お互いにわかりたいからぶつかるんだ」、という価値観を見出せたのは大きな希望だなと思います。全4話ということで、若干駆け足気味な部分もありましたが、それでもこの時代にこのドラマが生まれたことに大きな意味があるのではないでしょうか。


・ドラマ「アンメット」

【追記:6月度ギャラクシー賞受賞おめでとうございます!㊗️】
大好きなドラマがまた1つ増えました。春ドラマNo.1は間違いなくこの作品ではないでしょうか。ひょっとすると2024年のベストドラマにもなるかもしれない。アンメット、大傑作です。

自身も脳の障害を抱えながらも脳外科医として働くミヤビの奮闘を描いた今作。主演の杉咲花はもちろん、三瓶先生を演じた若葉竜也も素晴らしかったです。全ての人の努力を、人生を肯定してくれるような暖かなセリフも、医師としての正義がぶつかる様子も、それぞれのキャラクターを掘り下げて丁寧に寄り添う優しさなど、このドラマで描かれているすべてが本当に愛おしくて、素晴らしかったです。全てにおいて無駄がなく、全体的に静かな雰囲気ながらも深く刺さる演技と言葉。特に、9話のラスト10分は圧巻でした。ナチュラルでありながら大いに深みが感じられる2人だけの空間。あのシーンは杉咲花と若葉竜也だからこそ実現できたもので、それを見事に演出した制作チームもすごい。そのシーンだけでも観てほしい!と思わせてくれるくらいに素晴らしかったです。そして終盤にて、彼女の記憶が、ミヤビと三瓶先生、2人のこれまでの歩みがちゃんと明日に繋がった、ということも本当に嬉しかった。私もミヤビのように、自分の中の光を大切にしていきたいです。


・ドラマ「舟を編む ~私、辞書つくります~」

4月度のギャラクシー賞受賞作。映画化、アニメ化もされた三浦しおんの「舟を編む」が、令和にドラマ化。大手出版社の「辞書」を作る部署へ異動になった新入社員・岸部みどり(演:池田エライザ)が主人公です。

中型国語辞典「大渡海」を完成させるための慣れない作業をこなす中で、言葉の面白さ、大切さ、難しさ、そして言葉という広くて深い海を渡る舟である「辞書」の魅力に気づいていくみどりの成長が素晴らしかったです。そんなみどりと共に、私も言葉と向き合うことの大切さを学んでいるような感覚になりました。原作の良さを残しつつ、令和の価値観や社会問題にもしっかりと迎合できていたシナリオも見事でした。改めて、「舟を編む」ってとてもお洒落なタイトルですよね。言葉選びのセンス。


いかがでしたでしょうか。6月も素晴らしいエンタメと沢山出会うことができました。特にアンメットと舟を編むは自分の中でも深く印象に残っていて、会う人会う人にこの2つを薦めまくっています(笑)。これ以上のドラマ、今年あるかなぁ。

夏ドラマも1話が出揃ってきましたね。海のはじまり・新宿野戦病院・西園寺さんは家事をしない … このあたりが今期の期待したいドラマです。どのようなストーリーが繰り広げられるのか、今後の展開が楽しみ。新潟へと舞台を移した虎に翼も楽しみですね。

盛り沢山な内容になってしまいましたね。それでは今回はこの辺で。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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