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極上の恋

私はすぐに恋をする

コンビニの店員にも部活の先輩にも
近所のお兄さんや塾の先生にだって

少し優しくされると、微笑みかけられると
心がキュッとなってキュンてなって
良いなと思って恋をしてしまうんだ

今日も昨日もその前も
毎日沢山の恋をして満たされる私の心

でも行動には移さない
その想いを伝える事はない
きっと恋に恋しているのが楽しいだけなんだ

私は一方的に恋をして来た
勝手に片想いをして他の人にも恋をする
今同時にいる好きな人の数を数えたなら
手が何本あっても足りないくらいだ

それは浮気とはまた違う純粋な心で
同じくらいに皆に淡い気持ちを寄せている

そんなある日、私は人生で初めて告白をされた
逆に人から恋をされたんだ

一度も話した事も無い違うクラスの男子だった
でも私を好いてくれたこと、それが嬉しくて
意識し出したら私もその人を好きになりかけた

返事を待つ彼の瞳はとても優しくて
でもこの気持ちは本当に恋なのだろうか?
逆の立場から見る事で自分の心に疑念が生まれた

恋の定義に答えなんてないんだろうが
好きと良い人の区別がつかずに
ごっちゃになってるだけなのでは?

告白をしてくれた彼だって
私の容姿がたまたま好みに合っただけで
街を歩けば似たような人はいくらでもいるし
一番近くにいたのが私だっただけなのだろう

多数の恋の相手の中から
一人だけを選ぶ基準とは何だろうか?
先着順か?それもあるかもしれないけれど

私が感じている恋と言う物にはさらに上が
もっと心をときめかせてくれる
極上の恋があるのではないか?

追われる立場になって初めてそんな事を考えた
私はその先を感じたくなって
極上を知りたくなって

「好きだけど、ごめんなさい」
彼に対してそう答えていた

相手もダメ元で告白をして来たんだろう
彼は照れながら「やっぱりだめか」と苦笑いをして
改めて自己紹介がてらに挨拶をする

優しい笑顔だった
普通に友達になれそうな気がした
長く付き合えば、私の感じる好きとは違う
また知らない感情が生まれる気もした

「友達からじゃダメですか?」
自然と私も優しい笑みを浮かべていた

私は今後も沢山の恋をするだろう
恋をしながら恋をして、また恋をして

好きの先にある極上を探し求めていたら
気づいたら居心地の良い相手に元へと
すっぽりと収まっているのかもしれない


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へびのあしあと
カフェで書いたりもするのでコーヒー代とかネタ探しのお散歩費用にさせていただきますね。