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和食ランゲージ通信

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和食ランゲージは、和食文化を捉える、47個の「キーワード」のコレクションです。 それぞれのキーワードは、歴史を通して繰り返し見られる和食の特徴を一つ捉え、概念化しています。 こ…
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2020年3月の記事一覧

【和食ランゲージ通信Vol.18】 アイヌの食文化

【和食ランゲージ通信Vol.17】制約が生む創造性

  日本の料理には、歴史的に多くの制限が課せられていました。その最たるものが奈良時代以降、約一二〇〇年にも渡って続いた肉食の禁忌です。中でも仏教の修行僧の食事として発達した精進料理では、殺生戒に従って獣肉はもちろん、魚介や鳥類を食することも禁じられていました。そのため豆、芋、野菜などの食材を濃い味付けで調理したり、油であげたりすることで、体力の消耗が激しい武士でも美味しく満足できる、洗練された料理が完成しました。肉などを使わない代わりに、豆腐や麸を油であげるなどして肉に似

【和食ランゲージ通信Vol.16】調和と均一化

和食には様々な食材を一緒に「巻く」ことで一つの料理にしてしまう料理が多く存在します。その代表例が「巻き寿司」です。黒い海苔の上に真っ白な飯を広げ、そこにこれまた多様な食材を並べ、最後にはその全てを巻いて一つにしてしまう。完成した巻きものには力強さと粋があります。切ったときのカラフルな断面や、棒状のままかじったときの歯ごたえなど、巻物ならではのコントラストが楽しめます。 その他にも磯辺巻きや鳴門巻き、巻き柿など、巻いてつくる料理は多数存在します。これらは全て、個々の食材の

【和食ランゲージ通信Vol.15】年中行事とのかかわり