【和食ランゲージ通信Vol.16】調和と均一化
和食には様々な食材を一緒に「巻く」ことで一つの料理にしてしまう料理が多く存在します。その代表例が「巻き寿司」です。黒い海苔の上に真っ白な飯を広げ、そこにこれまた多様な食材を並べ、最後にはその全てを巻いて一つにしてしまう。完成した巻きものには力強さと粋があります。切ったときのカラフルな断面や、棒状のままかじったときの歯ごたえなど、巻物ならではのコントラストが楽しめます。
その他にも磯辺巻きや鳴門巻き、巻き柿など、巻いてつくる料理は多数存在します。これらは全て、個々の食材の特性を活かしつつも、全体としての調和、すなわちハーモニーをつくりだしています。
また、和え物も「和製サラダ」といわれるほど、シンプルかつ洗練された日本の調理方法です。野菜や魚介類などを胡麻や豆腐、味噌などの「和え衣」と一緒に混ぜ合わせるだけの簡単な料理です。
このように、色や食感が異なる食材同士を一緒に巻いたり和えたりすることで、和食は独特の調和を生み出します。ただ平坦な同質化を図るのではなく、味、香り、色、舌触り、そして食感が対照的な食材を混ぜ合わせることで鮮やかな融合体に仕上がります。
調和と均一化
和食ランゲージ通信No.16
和食には「巻きもの」や「和えもの」に始まり、異なる食材同士を合わせて調和を生み出す料理が多く存在します。
おすずの一言
次回もお楽しみに!
★「和食ランゲージ」商品情報★
■ 和食ランゲージカードについて
和食の特徴を47枚のカードにまとめたクリエイティブツール。各カードでは、イラストと簡単な説明によって、和食の特徴を一つずつ紹介しています。献立のアイデア出しや、和食の理解を深めるワークショップに最適です。ワークショップの手順を紹介する「遊び方カード」もついているので、誰でも簡単に使えます。
■ 冊子『和食ランゲージー和食を織りなす47の言葉』について
『和食ランゲージ』を織りなす47個の各アイデアを、その歴史的背景とともにじっくり紹介した書籍です。読み物としても十分に楽しめる冊子版は、奥深い和食文化についてしっかりと知りたい・身につけたい方に最適です。カード版よりも、一歩踏み込んで和食の世界観に触れることができます。
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