【和食ランゲージ通信Vol.15】年中行事とのかかわり
昔の日本人は日々の生活を、普段の労働に勤しむ日常の「ケの日」と、行事を祝う非日常の「ハレの日」に分けて捉えていました。早朝から夜遅くまで労働が続き、定期的な休息日が無かった彼らにとって、ハレの日のお祭りは何よりの楽しみでした。
こうしたハレの日を彩るのが数々のご馳走です。祭りの日には人々が集い、食事をともにつくり食べました。一緒に食べることで共同体の結束を固め、また始まるケの日に向けて士気を高めます。
非日常を演出するために、普段は食べられない、手間がかかる品もこの日に向けてつくられます。餅や酒はその最たるもので、これらは現在でも代表的な行事食です。中でも酒は特に重要で、祭りの日には酩酊するまで飲み、日常を忘れました。
年中行事の多くは、日本の旧暦で「節句」と呼ばれる季節の節目に祝います。節句の多くは現在でも重要な日とされ、祝日になっているものもあります。各節句には、それに伴う行事食がそれぞれ存在します。例えば桃の節句にはひし餅やちらし寿司、端午の節句には菖蒲湯や柏餅などが食べられます。これらは地域による差異や、時代の流れに伴う変化はありましたが、いつの時代においても年中行事は食とともにあります。
年中行事とのかかわり
和食ランゲージ コラム
和食には特別な日を迎えるための、特徴的な「行事食」が多数存在します。
おすずの一言
次回もお楽しみに!
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