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乗り越えたと思った大失恋の辛さが蘇ったときに救ってくれたのは裸の友達だった

私の多くない恋愛遍歴のなかでも、胸をはって大恋愛だったといえるものがある。

新卒で入社した会社で同期だった彼とは、すぐに接近したわけではない。

同期みんなで飲みに行ったときの帰り道では、仲の良い同期の女の子に「あの人ちょっと変わってるよね~」なんてこぼしたほどだ。

だけれど、彼は私のことを好きなってくれた。何度断っても誘い続けてくれた。
「1回だけドライブ行って!お願い!」と言われ、行ってみようと思って行ったドライブがそれはもう楽しくて楽しくて。

いつの間にか好きになっていた。毎日連絡を取り合い、たまに電話をし、当たり前のように彼氏・彼女という関係になった。

お付き合いが始まってから、どんどん彼のことを好きになった。もちろん、頑固なところや論理的に詰めてくる論法など、嫌だと思うところもあったけれど、それすらも愛おしいと思えるほどだった。

2年ほどお付き合いを重ねたが、最後はあっけないものだった。

彼とは配属された場所が離れていたためずっと遠距離恋愛だった。そして、彼も私も社会の荒波に揉まれ、少し弱っていた。

気づいたら依存といえる関係になっていた。
そして、その関係性の危うさに先に気づいたのは彼だった。

「別れよう」と言われたあの日、人生が終わったと思った。

別れは簡単ではなかった。なかなか離れられず、最終的に連絡を絶ったのは、別れようと言われてから半年経った頃だった。

それから3年ほど経った。時間というものは本当に素晴らしいもので、少しずつ時間とともに大失恋を乗り越えてきた。
今、好きな人はいないけれど、彼のことを思い出すことはほとんどなくなっていた。


そんな彼が、結婚する。別の同期の女の子と結婚する。


私が彼と別れたころ、その子も当時付き合っていた彼氏と別れたばかりで、いろいろ話を聞いてもらったし、慰めあった恩人である。

付き合っていることも知らなかった。
今日、共通の友人からその話を聞いたとき、心の整理をつけたはずの、あの大失恋がフラッシュバックした。

泣いた。ただただ涙がこぼれた。

おめでとうって思えない自分が嫌だった。なんで私の人生はこんなに上手くいかないんだって思ってしまった。

だけど、裸の親友が元気をくれた。

私は誰かに話を聞いてほしくて、親友に電話した。
1時間30分も通話してくれた。私の話を聞いてくれ、最近あった面白いことを共有してくれ、わたしを元気づけてくれた。

そして何より、彼女は1時間30分、裸で私と電話してくれていた。


私が電話をかけたとき、彼女はお風呂に入ろうとしており、裸でクレンジングオイルを顔につけたところだったらしい。
私から連絡がきて、ひとまず顔を洗い、電話に出て、1時間30分私に付き合ってくれたらしい。
電話を切る前に大笑いしながら教えてくれた。

最高の友達を持った。わたしはまだまだ大丈夫だ。



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