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敬意〜うけいれる〜

【2024年9月18日追記】

問題の動画に出演された岩井良明氏が9月15日に亡くなられました。
謹んで哀悼の意を表します。

【注意】

極めて不快な場面が多数に及ぶため、本文で取り上げている動画へのリンクは掲載いたしません。どうしてもご覧になりたいかたは、各自検索のうえ、自らの責任において視聴願います。

まずはこちらのニュースをご一読ください。

引用(モデルプレス)
『YouTube
令和の虎、志願者足りず出演させた74歳女性にダメ出しの嵐 「失礼すぎ」「本当にかわいそう」と運営の判断に批判

2024.07.17 21:45
ビジネスリアリティ番組「令和の虎」(登録者数119万人)に、74歳の高齢女性が志願者が出演。ところが動画はグダグダな展開となり、主宰の岩井良明社長が「志願者が足りてなかった」と土下座する事態に。この女性を出演させた運営側に批判が続出しています。

74歳の女性が志願者として出演 グダグダな展開に…

今回志願者として登場したのは、74歳の高齢女性。「革新的なフロントホックブラを製造販売したい」として500万円の融資を呼びかけました。

女性が持ち込んだのは、通常のブラジャーとは異なり、肩紐が1本で前側にホックがあるというものです。女性は一生懸命にプレゼンしますが、長々とした話ぶりや、虎たちの言葉に被せて話すなどのトークの拙さから、上手く魅力を伝えることができません。製品そのものについても、実業家の「岡田真弓」(同2万人)が実際に服の上から装着してみますが、「アイデアは良いと思ったんですけど、活かせてないですね」と高評価は得られませんでした。

いまいちピンとこない様子の虎たち。女性のプレゼンを見かねた主宰の岩井社長は

あなたが延々と喋る番組じゃないんですよ
このままだとちょっとまずいです

と発言。「地獄の時間だなぁこれ」「やばいっすね」と続けました。

実業家の「青笹寛史」(同5.7万人)は「ご年齢のこともありますし」「悪いっていうわけじゃないんですけど、これ収録として成立しないんじゃないかな…」と話すと、「志願者の面談が、ちょっと疑問です」と、この女性の出演を決めた運営側に苦言を呈しました。

「志願者が足りなかったから出演させた」と岩井が土下座

青笹の言葉に、岩井は身を乗り出して「本当にすみませんでした」「足りなかったらしいっす、志願者が」と土下座。「運営の責任」だと認めます。

本来は出演させるべきではなかったと説明しますが、諦める様子を見せない頑固な志願者女性に、岩井は「年齢じゃなくてあなたのせいだよ」と発言。話ぶりや、虎との関わり方の問題を指摘すると、「何言ってるのか本当にわからない」とし、

あなたが社長をやって、このビジネスがうまくいくわけないじゃん
残酷なようだけど、年金もらって穏やかに暮らしたほうが良いよ

と諭します。女性は涙を流し声を震わせますが、岩井は「『出てください』って言った運営が悪い」「本当に申し訳ない」と発言。虎たちはその様子を眉をひそめながら見守りました。

志願者が足りず、運営が無理に出演させたとしてグダグダな展開となった今回の動画。コメント欄では

志願者足りないから無理やり出して、表でボロクソ言うの胸糞過ぎる

酷いのは志願者じゃなくて運営側です。足らなかったから採用したって志願者に失礼すぎる

今からでもいいから非公開にしてあげて。本当にかわいそう

など、運営への批判や動画を非公開にするべきだといった声が集まっています。』以上、引用

モデルプレス

実際、筆者はこの動画を全編視聴しましたが、
昭和な圧迫面接さながらのパワハラ
いじめ
罵倒
誹謗中傷
高齢者差別
高齢者虐待
いびり
うっぷん晴らし

のオンパレードにしか過ぎませんでした。
下手に年寄り扱いして、遠慮や忖度や特別扱いやえこひいきなどしなかった点は評価に値しますが、チャンネルタイトルにもあるように、
いまは「令和」、世界的に多様化の時代
です。
これでは、令和の虎ならぬ、
「昭和の虎」
に他ならないです。
動画の出演者達は、「おばあちゃん、すごいね」などとへたに優しく対応し過ぎない範囲内で、厳し過ぎない程度のアドバイスはできなかったでしょうか。そのへんの線引やさじ加減は難しいとは思われますが。

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件の動画を視聴して、昔、まだ車椅子ユーザーでなかった筆者が受けた、複数の国立大学法人や公的機関の職員採用面接での圧迫面接を思い出しました。
これらの特徴として、どの大学や公的機関も男性の面接官が横一列に並び、女性の面接官は誰ひとりとしていらっしゃいませんでした。もっとも、圧迫ではない普通の面接を実施した、国立大学法人含めた大学さんなどもありはしました。
今でいうカスハラや入職後のパワハラ、学歴や性別などによる区別と称した差別、求人票に記載されていない時間外労働と休日出勤に耐えられるかどうかのストレス耐性を測るために、あえて圧迫面接する方法を取り入れたかと思われます。
しかし、応募者の性格を測るには、別の方法があったはずです。本来の採用面接で応募者を測るべきものは、コンプライアンス遵守に対する心がけ、責任感、物事に感謝する心と努力する心。これらの有無に他ならないです。

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件の動画チャンネル運営やレギュラー出演者達には、「金出してやってもいいぜ?!」的な馬にニンジン的な横柄な態度が見え隠れしていました。

確かに、カメラ慣れやプレゼン慣れしていない一般人がテレビ番組や動画に出演する行為は、誰だって緊張して上手く自分自身を伝え切ることができません。

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おばあさんはそれでも上手く話せていたほうです。

おばあさんはきっと、年金だけでは生活できないのと、御自身のアイデアを世に広くアピールしたいがために、商品を開発されたのだと思います。おばあさんの勇気とチャレンジ精神を讃えたい一心です。

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おばあさんは、お子さんやお孫さんに手伝ってもらって、SNSやブログや動画チャンネルを立ち上げたり、クラウドファンディングで協力者を募って企業さんやマスコミに売り込みかける方法を検討してみてはどうでしょうか。そのほうがより効果的です。
きっと、アイデアを受け入れてくれる企業さんが現れることでしょう。

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他のネットニュースによれば、おばあさんは西日本方面からはるばる東京に出向いて収録に臨まれた模様。

出演者の年齢に関係なく、せっかく遠方から高額な交通費や宿泊費を捻出して出演してくれた方に対する、運営や出演者達による敬意のかけらがこの動画には1ミリも見当たりません。番組への応募者が少ないのは、このような要因に他ならないかと思います。

はたして、件の番組にはおばあさん自ら応募したのか、お子さんやお孫さんや友人知人が応募したのかは明らかにされていませんが、チャンネル運営側は、数あるYouTubeチャンネルや媒体の中からせっかく選んで応募してくださった方たちに対する最低限の敬意を振るうべきでした。今回は地方在住の御高齢の方なので、応募者の中心を占めているであろう関東在住の若者以上に、最大限の敬意を振るうべきでした。

また、応募時とは裏腹に、本番では緊張して上手くプレゼンできない人が多いのも事実です。

動画概要には出演者の選考方法が具体的に記されていませんが、チャンネル運営側の意図しない出演者を選出しないためにも、年齢制限を設けるなど応募条件を変更したり、応募時の意気込み動画の添付と(やっていないならば)二次予選として主宰者やレギュラー出演者とのzoom面談や地方予選を導入するべきです。そうすれば、チャンネル運営側やレギュラー出演者が渇望するタイプの人間だけに絞り込めるはずです。

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今はただ、おばあさんの画期的なアイデアを採用してくれる、心優しき企業さんが現れることを切実に願うばかりです。

件の番組出演者全員とチャンネル運営側に言いたい。
世の中や番組への応募者は、あなたがたが望むような人間ばかりとは限りません。
もっと視野をお広げになり、老若男女ありとあらゆる方たちとの対話を心がけ、「うけいれる」ことの大切さを学んでください。
世の常、なかには苦手なタイプの人間も少なからずいますが、相手の短所や苦手な面を把握した上で長所「だけを」うけいれることも可能です。

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令和の日本国民、いや、世界中の人々は「対話」の大切さやありがたみを置きざりにしている感が強いですね。

あと、YouTube運営(Google社)にひとこと。

視聴者が不快な気分になる動画より、視聴して勇気づけられ、気持ちがやわらぐ楽しい動画を多数取り上げてください。

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日本ではまだまだ遅れている、お互いがお互いを認め合う社会の実現と、YouTubeの健全化を願うばかりです。

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