敬意〜うけいれる〜
【2024年9月18日追記】
問題の動画に出演された岩井良明氏が9月15日に亡くなられました。
謹んで哀悼の意を表します。
【注意】
極めて不快な場面が多数に及ぶため、本文で取り上げている動画へのリンクは掲載いたしません。どうしてもご覧になりたいかたは、各自検索のうえ、自らの責任において視聴願います。
まずはこちらのニュースをご一読ください。
実際、筆者はこの動画を全編視聴しましたが、
昭和な圧迫面接さながらのパワハラ
いじめ
罵倒
誹謗中傷
高齢者差別
高齢者虐待
いびり
うっぷん晴らし
のオンパレードにしか過ぎませんでした。
下手に年寄り扱いして、遠慮や忖度や特別扱いやえこひいきなどしなかった点は評価に値しますが、チャンネルタイトルにもあるように、
いまは「令和」、世界的に多様化の時代
です。
これでは、令和の虎ならぬ、
「昭和の虎」
に他ならないです。
動画の出演者達は、「おばあちゃん、すごいね」などとへたに優しく対応し過ぎない範囲内で、厳し過ぎない程度のアドバイスはできなかったでしょうか。そのへんの線引やさじ加減は難しいとは思われますが。
件の動画を視聴して、昔、まだ車椅子ユーザーでなかった筆者が受けた、複数の国立大学法人や公的機関の職員採用面接での圧迫面接を思い出しました。
これらの特徴として、どの大学や公的機関も男性の面接官が横一列に並び、女性の面接官は誰ひとりとしていらっしゃいませんでした。もっとも、圧迫ではない普通の面接を実施した、国立大学法人含めた大学さんなどもありはしました。
今でいうカスハラや入職後のパワハラ、学歴や性別などによる区別と称した差別、求人票に記載されていない時間外労働と休日出勤に耐えられるかどうかのストレス耐性を測るために、あえて圧迫面接する方法を取り入れたかと思われます。
しかし、応募者の性格を測るには、別の方法があったはずです。本来の採用面接で応募者を測るべきものは、コンプライアンス遵守に対する心がけ、責任感、物事に感謝する心と努力する心。これらの有無に他ならないです。
件の動画チャンネル運営やレギュラー出演者達には、「金出してやってもいいぜ?!」的な馬にニンジン的な横柄な態度が見え隠れしていました。
確かに、カメラ慣れやプレゼン慣れしていない一般人がテレビ番組や動画に出演する行為は、誰だって緊張して上手く自分自身を伝え切ることができません。
おばあさんはそれでも上手く話せていたほうです。
おばあさんはきっと、年金だけでは生活できないのと、御自身のアイデアを世に広くアピールしたいがために、商品を開発されたのだと思います。おばあさんの勇気とチャレンジ精神を讃えたい一心です。
おばあさんは、お子さんやお孫さんに手伝ってもらって、SNSやブログや動画チャンネルを立ち上げたり、クラウドファンディングで協力者を募って企業さんやマスコミに売り込みかける方法を検討してみてはどうでしょうか。そのほうがより効果的です。
きっと、アイデアを受け入れてくれる企業さんが現れることでしょう。
他のネットニュースによれば、おばあさんは西日本方面からはるばる東京に出向いて収録に臨まれた模様。
出演者の年齢に関係なく、せっかく遠方から高額な交通費や宿泊費を捻出して出演してくれた方に対する、運営や出演者達による敬意のかけらがこの動画には1ミリも見当たりません。番組への応募者が少ないのは、このような要因に他ならないかと思います。
はたして、件の番組にはおばあさん自ら応募したのか、お子さんやお孫さんや友人知人が応募したのかは明らかにされていませんが、チャンネル運営側は、数あるYouTubeチャンネルや媒体の中からせっかく選んで応募してくださった方たちに対する最低限の敬意を振るうべきでした。今回は地方在住の御高齢の方なので、応募者の中心を占めているであろう関東在住の若者以上に、最大限の敬意を振るうべきでした。
また、応募時とは裏腹に、本番では緊張して上手くプレゼンできない人が多いのも事実です。
動画概要には出演者の選考方法が具体的に記されていませんが、チャンネル運営側の意図しない出演者を選出しないためにも、年齢制限を設けるなど応募条件を変更したり、応募時の意気込み動画の添付と(やっていないならば)二次予選として主宰者やレギュラー出演者とのzoom面談や地方予選を導入するべきです。そうすれば、チャンネル運営側やレギュラー出演者が渇望するタイプの人間だけに絞り込めるはずです。
今はただ、おばあさんの画期的なアイデアを採用してくれる、心優しき企業さんが現れることを切実に願うばかりです。
件の番組出演者全員とチャンネル運営側に言いたい。
世の中や番組への応募者は、あなたがたが望むような人間ばかりとは限りません。
もっと視野をお広げになり、老若男女ありとあらゆる方たちとの対話を心がけ、「うけいれる」ことの大切さを学んでください。
世の常、なかには苦手なタイプの人間も少なからずいますが、相手の短所や苦手な面を把握した上で長所「だけを」うけいれることも可能です。
令和の日本国民、いや、世界中の人々は「対話」の大切さやありがたみを置きざりにしている感が強いですね。
あと、YouTube運営(Google社)にひとこと。
視聴者が不快な気分になる動画より、視聴して勇気づけられ、気持ちがやわらぐ楽しい動画を多数取り上げてください。
日本ではまだまだ遅れている、お互いがお互いを認め合う社会の実現と、YouTubeの健全化を願うばかりです。