ハーバード流交渉術:必ず「望む結果」をひき出せる!
今回はロバート・フィッシャー教授の「ハーバード流交渉術」です。
すべての交渉相手の要求・立場の奥に隠れた利害(interest)を理解する大切さやそのためのテクニック・ポイントを綴った一冊です。
【1】交渉とは
「交渉」とは、共通する利害と対立する利害があるときに、合意に達するために行うコミュニケーションのことである。
生活していく上では、誰でも他の人と交渉を行う必要がある。
【2】ハーバード流交渉術とは
「ハーバード流交渉術」とは賢明な結果を効果的かつ有効にもたらすべく設計された交渉法であり、原則立脚型交渉(principled negotiation)とも呼ばれる。
【3】原則立脚型交渉(principled negotiation)
1. 人:人と問題の分離
2. 利害:「条件や立場」ではなく「利益」に注目する
3. 選択肢:お互いの利益に配慮した複数の選択肢を考える
4. 基準:客観的基準に基づく解決にこだわる
1. 人:人と問題の分離
人間は感情からなる生き物で、認識やコミュニケーションの仕方が人によって大きく違う。また、関係性によって譲歩しなければならないと考えることもある。
交渉では、案件そのものを協議する前に、人的要素を切り離して対処し、同じ側に立って解決に取り組むのが望ましい。
・人にはソフト、問題にはハードにあたる
・「信用する・しない」にとらわれずに話を進める
2. 利害:「条件や立場」ではなく「利益」に注目する
双方の利益を満足させることが交渉本来の目的であるが、提示した条件にこだわってしまうことが度々ある。相手が表明した条件と本来求めていることとの間にズレがあることが多い。
そのため、本来ニーズを見つけ出し、双方の利益を満足させる解決方法をみつけることが重要となる。
・背後の様々な利益を明らかにする
・合意の最低ラインを決めない
3. 選択肢:お互いの利益に配慮した複数の選択肢を考える
交渉の場では視野が狭くなりがち、かつアイデアが浮かんできにくい。一定の時間を確保し、共通の利益を増やしつつ、利害を調整すると良い。
・まずは複数のアイデアを出してからあとで評価する
4. 基準:客観的基準に基づく解決にこだわる
「ゴネたほうがトク」に注意。基準を基に話合うことで、一方的に折れることを避け、互いに納得のいく解決方法を目指す。
・双方の意思の影響を受けない基準で合意を目指す
・客観的基準とは先例、専門家の意見、法律、市場の相場、慣行など
【4】感想
ビジネスにせよ、日常にせよ、私達は交渉をしないといけない場面が多くあります。その際に役に立つ内容がたくさん書かれていると思いました。
交渉学の研究は比較的近年になって行われたものが多いですが、ロジャー教授のこの四つの原則を批判する人は多くありません。それほどに普遍的に通じる要素が多いのだと思います。
双方の利益を最大にする(パイを最大化)する思考を皆が実施すれば、もっと有意義な交渉が増えると思うので、多くの方に読んでいただきたいです。ただ、知っていると実行できるの間に大きな壁があるので、日常生活で練習していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。