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『エフェソス、パトモス島への旅③ ~啓示の洞窟での祈り~』
■朝から食べ過ぎる
朝早くから目覚めました。今日はヨハネが神さまから啓示を受けてヨハネの黙示録を書いたとされる洞窟に行きます。早く起きたのはヨハネの黙示録をもう1度、ここで読んでおこうと思ったからです。
これから起こることが書かれている黙示録ですが、私にはいくら読んでも理解することができません。それでもいいのです。きっと、神さまは時がきたときに黙示録を解き明かす人を送ってくださるのだと思います。その解き明かしには知恵があり、疑問を挟む余地がないほど明確なものになるだろうと信じます。
ホテルの人が私たちの部屋の前のテラスに朝食を用意してくれました。
このホテル、朝食に何をどれだけ食べたいか自由にチョイスすることができます。なので調子に乗って頼み過ぎてしまったのがこの写真です。
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本当におしかった…けど多すぎた。頼んでおいて残すのは申し訳ないので、がんばって食べましたよ。でも、さすがに食べきれないものはお昼に少し持っていくことにしました。
ホテルの人に今日はヨハネ修道院と黙示録の洞窟に行くと話をしたら、両方とも8:00〜13:00、16:00~18:00までしかやってなく、その間の時間は閉まっているとのこと。そして夕方はクルーズ船の観光客で少し、込み合うかもしれないとのことで、知りませんでした。
それではということで朝から行くことにします。
■ヨハネ修道院
パトモス島にいつから人が住むようになったかはわかっていませんが、ミケーネ文明時代の陶器の破片が見つかっていることから紀元前より島に人が立ち入っていたことがわかっています。考古学上の調査でも島にアルテミスに関しての何らかの施設があったことが確認されており、紀元1088年、クリストドゥーロスによってヨハネ修道院はアルテミス神殿跡の上に建設されたとされています。
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修道院は城壁のような堅固な壁で囲まれていますが、周辺の白いホーラの街も修道院を外敵から守るためつくられたとされていて、街のなかの道が迷路のようになっていて面白いです。ガイドブックなどでは「コーラの街」と紹介されたりしていますが、発音としては「ホーラ」が正しいようです。
スカラの街からはバスも出ていますが、本数が少ないので時間が時間が合えばよいですが、タクシーになると思います。私たちもバスのよい時間がなかったのでタクシーにしました。黙示録の洞窟までは約2.5km、修道院までは約5kmの登りで片道15ユーロでした。料金はホテルでだいたい確認していました。タクシー使うときは必ず乗る前に料金を確認してください。
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ホーラの街のなかの道はGoogleマップでも表示されませんのでホテルなどに置いてある無料の「PATMOS GUIDE」を持っていくとなかにマップがあります。ただ、無くても何となく案内もあるので行けますし迷うのも面白いと思います。タクシーは上のマップのパーキングエリアに止まります。
修道院の入り口は北側(上のマップでは真ん中のグレー部分が修道院で入り口は下側)になります。
修道院の建物は撮影できますが、礼拝堂や博物館は撮影が禁止されていますので注意が必要です。修道院のなかも広く、公開されている部分も一部ですので非公開のエリアに入り込まないようにしないといけません。
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修道院のなかも迷路のように通路がめぐらされていて楽しいですが、公開エリアは限られているのでゆっくり見てもそれほど時間はかかりません。屋上部分から島の全景を撮りたかったのですが行けないようになっていました。
修道院を出てホーラの街を楽しく迷いながら南の風車の丘に向かいます。ギリシャのミコノス島などのイメージそのままです。
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寄り道が楽し過ぎてなかなか風車の丘に着きませんでしたが、修道院から歩いてすぐです。風車のところにパトモス島が見渡せるベンチがあったので、ベンチと見渡せる景色を独占。
ほとんど人もいないので気にせず、しばし休憩タイム。
■黙示録の洞窟
風車の丘からホーラの街に戻って、今度はヨハネの黙示録の洞窟に向かいます。ホーラの街から2.5kmということでしたが、歩いて向かう真っ直ぐな道があるので、実際はそれほど距離はないと思います。
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このルート、トレッキング用の道のようなのですが石がひいてあるせいで躓きやすいのでスニーカーなど歩きやすい靴にするよう注意ください。それから日陰はほとんどないので夏場は帽子が必要です。
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途中、学校を横切ってすぐ下の黙示録の洞窟に降りていきます。そして、ついに洞窟までやってきました…んっ⁈
イメージしてたのはぽっかり空いた洞窟でしたが目の前にあるのは真っ白な建物でした。でも扉の上にヨハネが啓示を受けている場面のモザイク画があります。入り口はもう少し下のようでした。
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残念ながら洞窟内は撮影が禁止されているのでGoogleストリートビューの写真を借りてきました。こちらの右側が洞窟です。前方に仕切りの壁があって覗くことはできますが、入ることはできません。特別な礼拝の場所なのでしょうか。
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洞窟は思ったよりかなり小さく、半分は建物なので奥行きは5~6mといったところでしょうか。この建物が増築されていく様子の図解がありました。見づらいですが、いちばん左の構造図の黄色部分が元の洞窟部分です。
開口部(図の上面)が大きく開いた岩棚の下のくぼみという方が近いように思います。
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今回、非常に人が少なくて落ち着いてみることができた上に、この洞窟で私たちは祈る時間をもつことができました。私にはとてもヨハネのような啓示に関わるような大きな働きなどできませんが、どんなに小さな働きでもよいのです。主が望まれるよう僕をつかい、私はそれを喜び楽しめるように。
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洞窟に入って祈ってみて何か特別なものを感じるか気になるかもしれませんが、私はとくに神さまから特別な何かを感じたということはありませんでした。
黙示録の洞窟ですが、オンシーズンでクルーズ船が来るときは本当に洞窟に入るのに順番待ちになるようなので、個人で来られる方は絶対に午前中にした方がよいと思います。それから、タクシーに待ってもらって帰りもタクシーにしたいという場合、料金はともかく忙しいと修道院か黙示録の洞窟のどちらかしか行ってくれないこともあるそうです。
■スカラの街を歩く
洞窟からスカラの中心街までは少し距離がありますが、降りですし暑くなければ散歩気分で問題なしです。
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黙示録の洞窟からスカラの街までは1.5~2kmくらいだと思います。景色や街のローカルな面など見ながら歩けば遠くは感じないと思います。
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こうしてホテルに一旦、戻りました。
10月とはいえ日差しが強く日中は歩いていると暑く感じます。なので、ホテルに戻って冷たいプールに入りました。
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■本当のパトモス島
まだ、14:30くらいなので、ちょっと休んでまたでかけました。今度はホテルの裏の何もない丘の方に歩いていきます。裏に少し小高い丘があって登れば島の裏側も見えるかなと思ったからです。
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残念ながらどの道を選んでもロバや山羊を飼っている私有地のようなところに行きついて丘の上までは行けませんでした。周りは荒れて乾いた大地があって枯れたような低木と棘のある茨などの植物、岩があるばかりでした。家畜を飼うための粗末な小屋があって鶏などが放し飼いにされています。
まったく面白味のないところのようでしたが、私はすごく感動を覚えました。きっと、本来のパトモス島の姿がここにあるんじゃないかと思います。
街や修道院、黙示録の洞窟の周辺にある木、街のザクロやオリーブ、ブーゲンビリアも後から持ち込まれたものだということがよくわかります。
パトモス島が流刑の地になったのは木が生えなかったからです。木があれば周辺は島が多く、トルコも遠くないので脱出は不可能でなかった筈。でも、この島に木が生えなかったため流刑地になったのではないでしょうか。周辺の島々も同じような環境でやはり流刑地となっていたところがあるようです。
黙示録の洞窟は伝承で本当のところはわかりません。でも、ヨハネが見ていたのはこの荒れ果てた景色で、こういうところを歩いたのは確かではないかと思うのです。
主は荒れ野で彼を見いだし
獣のほえる不毛の地でこれを見つけ
これを囲い、いたわり
御自分のひとみのように守られた。
申命記 32:10
もし、パトモス島を訪れることがありましたら少しだけ足を延ばして本当のパトモス島を自分の目で確かめてみることをお勧めします。
私たちは満足してスーパーに立ち寄って買い物しながら、ホテルに戻りました。本当に充実した1日を過ごせたことに感謝です。
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