日本の書店が海外で日本コンテンツ情報の発信&体験基地化している。モノづくり大国からコトづくりの国へ。ラーメンに続く日本のコトづくり接点に注目。
低迷する国内市場ですが、インバウンドブームに目を向ければ引き続き日本の漫画をはじめとしたコンテンツには力があります。
従来のモノづくり大国としてモノを輸出することに注目しがちですが、ラーメンチェーンの海外展開などコトづくりの輸出・現地でのコトづくり接点の展開が増えています。
ラーメンチェーンの海外展開
ラーメンはRamenとして海外の人からも愛されています。
食文化の問題もあり日本の味をそのままということではないかもしれませんが、日本のラーメン体験を現地で展開する一風堂は海外展開はすでに270店舗、ラーメン山頭火も50店舗を超えています。
純度の高い日本食よりも大事なRamen体験の提供
海外出店において大事なことは日本の文化のタッチポイントとしてリアル体験を提供すること、現地の人が享受しやすい要素を入れることにありそうです。純日本食的な発想はむしろ可能性を狭めてしまいます。
希少性においてついつい「正当な」「純度の高い」日本の味やサービスということを大事にしたい向きはありますが、それ以上に現地で日本的なものに触れること、それから、純度の高い体験を日本に求めにくるという循環があるべきだと考えいます。
そもそも、ラーメンは中国では拉麺、小麦粉の生地を引っ張って(拉)麺にする食べ物という意味ですので、すでに日本で変質しているのです。
書店は日本文化の集積拠点であり体験の拠点
個人的に書店の役割に注目しています。
紙や書籍の持つ媒体・情報接点としてのチカラはインターネットが普及する中で、力を失ったように思えますが、一方で、紙にしかない手触り、書籍で味わう概念の体験のあり方に可能性を感じます。
文字コンテンツは今後も存在しますが、そのコンテンツの伝え方の選択肢が、増えていることは表現者側にもそれを享受するユーザー側にとっても良いことです。
書店は書籍情報の集積だけではなく体験的な場所です。
雑貨的な要素が加わることで体験装置としての魅力が増しています。
書店は体験型メディア(媒体)です。
紀伊國屋の海外展開
日経新聞に紀伊國屋とCCCの海外展開についての記事がありました。
巧みに現地化しながら日本文化発信をビジネスする試みは注目です。
記事の内容をまとめておきます。
日本市場での書店ビジネスの直面する問題をそのままにせず課題として取り組むケースが、新しい可能性を生み出しています。
聖地を訪れたい気持ちを刺激する重要性
現地化に受け入れられるために変質することについてネガティブな反応を示す向きがあります。
正しい日本文化を知ってもらうことは大事ですが、まず日本に興味がある人たちが日本の情報に触れて興味を大きくしてもらうことも同じくらい大事です。
日本に対する理解がある人が増えることは、本当の日本に触れてみるという行動や、尊敬を持って独自の解釈で新しい日本文化を生み出す可能性を導くことになります。
海外からの視点は日本を客観的に見ることです。
やりたい気持ちを刺激するMade in Japan
以前日本製品のインサイトの一つにEmpowermentやLiberazationがあることを書きました。
日本のものづくりは実は新しいコトを生み出す原動力です。
モノからコトへ、コトからブランドへ
マーケティングが提示する意味は、ターゲット顧客が享受することで、価値になり、価値が共創されることで物語=ブランドになります。
企業が顧客と生み出す価値の総和がブランドでありビジネスの長期的な成功と強い相関性があります。
日本製アニメーションのチカラ:アメリカのマクドナルドのケース
日本の文化に触れる人が世界中で増える中で様々な可能性が開かれています。
アメリカのマクドナルドが新しいナゲットとそのソースのキャンペーンで日本のアニメーションスタジオのぴえろとコラボレーションしている企画を目にするとその想いを強くします。
Z世代を中心としたターゲット顧客にとっては日本製ということを超えてエンターティンメントとして存在していることが確認できます。
日本生まれの文化を享受したいターゲット顧客は世界中にいます。
モノづくり大国幻想を捨てて、マーケティングのチカラで新しい扉を開きましょう。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、また。
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